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世界の人口は何人ですか?
回答
2023年時点での世界の人口は80.4億人です。18世紀後半の産業革命から人口増加が始まり、中国やインドなどのアジア諸国で急速に拡大し、2022年には80億人に達しました。今後もサブサハラ以南アフリカを中心に人口増加が続くため、環境問題や飢餓・貧困などが世界的な課題として認識されています。
ポイント
世界人口の1/2がアジア地域に集中
過去からの推移と未来予測
人口変動により考えるべきこと
ポイント解説
1. 世界人口の1/2がアジア地域に集中
国連は人口データの収集とともに各国での分析を支援しています。国連が発行した「World Population Prospects 2022(世界人口予測2022)」によると、世界の人口は2022年に80億人に達し、2023年には80.4億人まで増加したことが報告されています。
このうち、最も人口の多い 2 つの地域は、世界人口の 23 億人(29%)を抱える東アジアと東南アジア、 21 億人(26%)を抱える中央および南アジアでした。国別では中国(東アジア)とインド(南アジア)が突出しており、2022年にはそれぞれ14億人を超えています。
つまり、人類の2人に1人がアジア地域に住んでいる方、または、人類の3人に1人が中国もしくはインドの方ということです。
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下記に人口ピラミッドを掲載していますが、人口動態は未来予測における確実な情報源であることから、この人口ピラミッドの形状を見つつ、各国の政策や企業の戦略が検討されています。
現在、日本やイタリアはつぼ型と呼ばれる形をしており、これは少子高齢化であることを示しています。日本では労働生産人口を確保するための働き方改革などの政策が実施されています。また、高齢化に伴う認知機能の低下をいかに防ぐかといった予防医療への期待も膨らんでいます。
その他にも、1900年以前の国や現在の途上国に多く見られる富士型があります。栄養不足による多産多死が原因で形成されることが多いようです。アメリカ・イギリス・フランスでは人口が安定したつりがね型の形をしています。
アフリカなど急速な人口増加が続いている国々は、若者へ学校教育と医療を提供し、雇用の機会を確保する必要があります。一方で、 人口増加が減速または停止している国は、少子高齢化社会に耐えうる社会システムへ転換しなければなりません。各国や企業には、現時点ではなく将来的な人口構成を見据えた政策が求められるわけです。
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2.過去からの推移と未来予測
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世界の人口は、18世紀後半の産業革命をきっかけに増え始め、20世紀(1900年代)に入り急速に拡大しました。人口統計上で50億人を突破したのは1987年、60億人は1998年、70億人は2010年、そして、80億人は2022年とされています。この統計に含まれていない方々を含めると、これよりも早い時期に達していることが推測できます。20世紀(1900年代)は、面積が大きく食料も豊かであることから、中国とインドが他国と比較しても突出して増加しました。
産業革命は18世紀後半にイギリスで起こった「農業」から「工業」への移行のことで、技術革新に基づく機械化により大量生産が可能となりました。生産性の向上と大量の労働者および消費者を生み出したことが世界各地における人口増加につながりました。現在も各分野で技術革新が続いていることから世界人口は増加傾向です。商品売買や取引の需要量が拡大するため、世界経済の成長は衰えず、株式市場における株価や物価の上昇は続くこととなります。
また、技術革新により宇宙開発が本格化することが期待されているため、将来的に地球外への移住が可能になるかもしれません。
人口減少や経済規模の縮小となる理由はなかなか見つかりません。
では、今後はどのような人口動態が予測されているのでしょうか?
国連が公表している「世界人口予測2022」によると、まずは、2030年までに85億人に達することが確実視されており、その後は2050年に97億人近くまでに迫るとされています。将来予測は各国の政治経済状況に影響を受けるため、過去の増減率だけを参考に推測はできませんが、このメインのシナリオに不測の事態などを加減することで未来像をイメージするのが良いかと思います。
前年からの人口増加率(下記グラフの黄色線)では、1962 年から 1965 年にかけて最も増加した時期がありましたが、出生率の減少により2020 年に前年からの人口増加率が年率 1% を下回りました。
しかし、医療や公衆衛生の向上により死亡率が減速しているため、全体的に急速な減速を招くわけではなく、全体では緩やかに人口増加が続くことになりそうです。
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今後の世界人口において注目すべき点があります。
サブサハラ以南アフリカと呼ばれる、アフリカ大陸のサハラ砂漠より南の地域における人口増加です。2022年11.5億人から2050年20.9億人(182%)にまで膨らむことが予測されています。30年で2倍にも膨らむ計算です。
2050 年までに予測される世界全体の人口増加のうち半分以上は、コンゴ民主共和国、エジプト、エチオピア、インド、ナイジェリア、パキスタン、フィリピン、タンザニア連合共和国とわずか 8 か国に集中するとされており、このうち半分がサブサハラ以南アフリカとなるわけです。特に、コンゴ民主共和国とタンザニア連合共和国は、年間2~3%と高い増加率になることが予想されています。ヘルスケア分野が進展していることもあり世界全体の平均寿命は伸びています。サブサハラ以南アフリカの平均寿命は2021年59.7歳から2050年頃には66.7歳まで伸びるようです。
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3. 人口変動により考えるべきこと
人口ボーナス期には経済成長が加速
貧困や飢餓への対策
人口変動による影響は様々ですが、ここでは上記の2点に着目したいと思います。
まず、経済面からみると、生産年齢人口が拡大する時期を人口ボーナス期といい、サブサハラ以南アフリカなどは人口ボーナス期に突入することになります。人口ボーナスの国々では、積極的な設備投資や事業投資が行われることで経済成長が加速します。なぜでしょうか?例えば、家庭で自動車を利用することになった場合、所有かレンタルかで悩むかと思います。使用頻度が多くなるほど1回あたりの使用金額が低くなるため、よく使うのであれば購入して所有することになるでしょう。インフラ投資や事業投資も同じで、人口増加により使用頻度が増えることになるため、投資をして固定資産として所有する方がメリットがあるわけです。インフレにより資産価値自体も年々上がります。
逆に、人口が減少する地域での新規投資は一層難しくなり、既存の事業や設備の効率的な運営など取捨選択を迫られる場面が増えることになります。
2050年までのカーボンニュートラルが世界全体の目標に掲げられています。世界全体の平均気温の上昇を産業革命前よりも2℃(努力目標1.5℃)に抑える取組みです。経済規模の拡大はエネルギー需要量の拡大を引き起こし、二酸化炭素排出量の増加に繋がります。この人口増加と経済成長を見据えた上で、各国が気候変動対策に真摯に取組むことが期待されています。
2点目は、人口増加が続く地域での貧困と飢餓です。食料や水といった資源へのアクセスや衛生環境に優れた居住地の確保など、この需要を満たすだけの資源や技術を要します。供給が追いつかなければ貧困や飢餓など深刻な課題を引き起こしてしまいます。この需給バランスは国連でモニタリングされており、世界的な課題であると言えるでしょう。
世界人口は増加エリアや増加ペースが異なりますが、一貫して増え続けています。今後は全体の増加ペースが緩やかになるものの、人間の生産活動が地球環境に影響していることから、経済活動と環境問題の両立が求められています。
〈参考〉
国連人口基金 世界人口白書2023
https://tokyo.unfpa.org/ja/SWOP国連人口基金駐日事務所 世界人口推移グラフ
https://tokyo.unfpa.org/ja/resources/資料・統計United Nations 国連経済社会局人口部 世界人口推計
https://population.un.org/wpp/Publications/国際連合広報センター 人口と開発
https://www.unic.or.jp/activities/economic_social_development/social_development/population/総務省 統計ダッシュボード
https://dashboard.e-stat.go.jp/worldMap?screenCode=00580外務省 サブサハラ・アフリカ地域
https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/region/africa/index.html
あとがき
SDGsは人口増加という未来予測を見据えた活動であることが分かります。世界全体で個々人が健康的な生活を送るためのヘルスケアや環境問題が一層注目されると思います。