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すしログ江戸料理帖【茄子の丸煮】

「すしログ江戸料理帖」は今や絶滅危惧の「江戸料理」の魅力を伝えるレシピ紹介マガジンです。僕に「江戸料理」の魅力を伝えてくれたのは「江戸前芝浜」の海原親方です。この方は凄い料理人で、江戸時代の文献を読んで江戸料理を現代に復活させている偉人です。

そして、僕も江戸料理の人気向上のために貢献したいと思い、本マガジンを始めました。江戸料理の魅力を簡単に挙げると以下のとおりです。

  • シンプルで手軽

  • 季節や旬を感じられる

  • ヘルシー

  • 日本酒との相性が抜群

江戸料理の魅力が伝われば幸いです!
さて、前回は江戸料理【タコと大根の酢味噌和え】を紹介しました。

今回紹介するレシピは【茄子の丸煮】です。
茄子は真夏になると安くたっぷり出回りますね。個人的には麻婆茄子などこってり系の料理も大好きなのですが、油を大量に吸うのでカロリーが気になるところ。今回の【茄子の丸煮】は油を使わないので、茄子の常備菜として優秀です!

もちろんお酒のアテにもなります。

【茄子の丸煮】

【茄子の丸煮】は池波正太郎の『剣客商売』にも登場したことのある料理で、別名を【一口茄子南蛮煮】と言います。文献では1772年(安永元年)刊行の『料理伊呂波庖丁』で紹介されています。

江戸時代には「南蛮」は外国人を指すこともありましたが、唐辛子を用いる料理にも「南蛮」が使用されました。【南蛮漬け】も同様の意味合いです。

使用する材料・調味料

大人2人分の材料です。

  • 茄子:2〜3本

  • 日本酒:150cc

  • 水:100cc

  • 醤油:大さじ2

  • 味醂:大さじ1

  • 鷹の爪:好み

・茄子は小さいものから大きいものまでありますが、上記はスーパーでよく見かける標準的なサイズのイメージです。料理の手間は変わらないので、多めに作るのもアリです。

・調味料については、茄子のボリュームに応じて調整されてください。『料理伊呂波庖丁』では水や味醂を使用しませんが、酒と醤油だけだとあまりにも塩辛いので、まろみを付けるために味醂を用いた方が食べやすいです。

レシピ(作り方)

  1. 茄子のヘタを落とし、鷹の爪は種を出してから輪切りにしておく。

  2. 調味料と鷹の爪を混ぜて火にかけて、茄子を入れて、落し蓋をして中火で20分ほど煮込む。

  3. しばらく常温で放置して、味を含ませたら完成!

・熱々よりも温度を寝かせた方が美味しいです。とろとろになるので、常温の方が盛り付けもしやすいです。

最後にひとこと&お酒とのペアリング

醤油のコクと唐辛子の辛味がベストマッチ!

煮詰まった日本酒の旨味や甘味も活きているようで、シンプルなのに妙に旨味を感じます。

そして、茄子の香りがふんわりと漂い…良いなあとひとごこち。

冷やせば、ひんやりして旨く、味わい濃いので、酒に合います!

この料理に合うお酒については…

  • 「菊姫」のような濃醇系の山廃純米酒

好みもあるかと思いますが、やはり山廃純米を推します。煮詰めたコクと同調させながらスッキリした後味に持って行くには、山廃特有のコクが必須だと思います。かといって燗酒だと重いので、冷酒か常温だベターです。


また次回を楽しみにして頂ければ幸いです。

励ましの「スキ」を頂けると、次のレシピを書く原動力になります!


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