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回転寿司で1番好きかもしれない #魚べい

 トップの写真は魚べいの期間限定商品(3/19 訪問時)の「南まぐろ中とろ(80円)」。なぜこの写真を使ったかと言えば、ここに魚べいの理念が詰まっているように感じたから。寿司と言えばまぐろ。まぐろの中でも一番美味しいと言われているのが「クロマグロ」だが、なぜ魚べいは「ミナミマグロ」を使ったのか。他の要素と共に掘り下げていくことで何かが見えてくる気がする。

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 まずは入店。土曜日の夕方は家族客でごった返していたが、カウンター席なら1分も待たずに着席できた。回転のレーンは名残すらなく、完全注文制のベルトコンベアが上下に2本敷かれているのみだった。上の段は所謂「新幹線」が走っていたが、下はベルトコンベアのみなので新幹線が戻ってくる動作が省略され、効率化が図られていた。タッチパネルはもう当たり前だが、ここは更に1段階進んでいた。

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大切りかつお溶岩焼き(160円)

 お腹が空いていたので「大切り」に反応して即座に注文した。溶岩で焼いた効果は分からなかったが、赤身の美味しさと香ばしい香りがしっかり感じられた。これは期間限定だったが、脂の乗る秋頃は出し方を変えてまた登場させるのかと楽しみになった。

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さより(110円)

 こちらも期間限定のコーナーから注文。100円でさよりが食べられるとは思わなかったが、身が薄く、恐らく立て塩した時の食塩水の味が残っているのが残念だった。さよりをもう少し大きく切りつけるか、シャリを小さくした方が美味しいが十分楽しめた。

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石垣貝(110円)

 こちらも期間限定だったが、石垣貝は夏の貝じゃなかったのかと困惑。身の大きさも味もベストコンディションではないと思うが、この価格帯のお店でメジャーでない貝を置いていることに意味があると思った。

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アボカドシュリンプ(110円)

 大人気のアボカド×たまねぎの味付け。間違いなく美味しいので毎回頼むのだが、名前に引っかかった。他のえびは全て「えび」なのだが、これだけ「シュリンプ」表記。恐らく「えびアボカド」とすると競合他社と被るからだろうが、統一感が無いことに軽い違和感を覚えた。

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まぐろ・サーモン(110円)

 ここらへんで王道を注文。寿司=2貫=100円の慣習をなんとなく受け入れてきたが、よく考えれば食べたいものを少しずつ食べたい時だってある。本当の意味でのおまかせスタイルに近づく相盛りスタイルだが、昔はなかった気がする。

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あんきも(110円)

 ファミリー層の多いお店だが、決して子供だけのお店ではない。しっかりとお酒も用意してあるし、それに合うネタだって置いている。ポン酢ジュレの味が濃いので、少し減らしてから食べると丁度良くあんきもの濃厚さを感じられる。

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まぐたくぐんかん(110円)

 まぐろ×たくあんは私が一番好きな食べ合わせの1つ。まぐろの主張が若干弱いが、100円でこれならリピート確定だ。

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まぐたく巻(110円)

 まぐろ×たくあんが巻物でも食べられる幸福×口福。1口サイズなので少しずつ楽しめるのが巻物の良いところ。

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さばガリ巻(110円)

 青魚×ガリ×大葉×胡麻はカウンター鮨でも人気の食べ合わせ。決まったエースがいるのではなく、全ての要素が手を取り合って美味しさを作り出すタイプの巻物。今回食べた中で一番好きだったかもしれない。

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南まぐろ中とろ(80円)

 ここで本題に戻る。なぜ「クロマグロ」ではなく「ミナミマグロ」を選ぶのか。勝手な想像だが、クロマグロは低価格では提供しづらいのでミナミマグロで妥協し、その分の余力を他のネタに回しているのではないかと思う。上に紹介した「石垣貝」や「さより」を始め、「赤貝」や「あかにし貝」、「こういか」を見ると、人気ネタの一点突破というよりは、バリエーションも持たせたバランス型の布陣に見えてくる。

回転寿司が普及しきった市場がサイドメニューにも飽き始め、次の段階として今まで食べたことのなかったネタへの需要が生まれたとも取ることができるだろうか。敢えてミナミマグロを選んだことは正解だと思う。魚べいはありふれた回転寿司チェーンに見えて確かな個性と理念を持っている店だった。

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