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#2ワーキングホリデーに行くまで NY編 "YOU TOO LATE"



ウインクされた瞬間頭の中に流れてきた。


got me looking so crazy right now, your love

got me looking so crazy right now...


はやしの顔に風が吹いてたかもしれない。






ちょっと乗り気になった金髪ブルーアイズボーイに肩を抱かれて全力で鼻の下がのびた。

ぜんぜん好きでもなんでもなかったけど、もうそーゆーことでええやない。

このイケメンが肩を抱いてくださっているのだもの。お姉さまありがとう。一生はやしの姉でいて。




いとこの友達ズもなんだかおもしろがってその日、即席カップルができあがった。


次の日もその次の日もみんなでだらだら遊んだ。

なにかとみんなはやしと金髪ボーイをくっつけたがった。


なんか恥ずかしくなってきてもうビヨンセとか踊りだすキャラは封印した。

そしてとにかく金髪ボーイがなに喋ってるのかわからなかった。だからひたすらニコニコした。





NY最後の夜、みんなでマンハッタンにある日本食屋にいった。

はやし、最後の夜とゆーせつなさと、仕事に戻る前に一花咲かせたさと、あとただただヤングがたたり、お酒飲みすぎて帰りの車で死亡した。



次の日は日本に帰る日で、見送りに来れない金髪ボーイとはそれが最後のお別れになるはずだったのに、わたしは後部座席でメルトダウンしていたのである。



お家について息を吹き返した頃マイシスターが金髪ボーイがはやしのほっぺにキッスをして帰っていったことを教えてくれた。

王子様のキッスで目が覚めないなんて。。リアルライフにテイクツーはない。水でもかけてくれたらよかったのに。ちくしょう。




翌日、いとこの友達ズに見送られ名残惜しくもステーテンアイランドを出て空港へとむかった。

お見送り専用スペースに車を止めて荷物だけおろしてもらい、しばらく会えなくなるいとことぎゅーーーっとハグでお別れした。



NY、金髪ブルーアイズボーイを抜きにしてもほんっとに楽しかった。今まで出会ったことのないたくさんの種類の人間を見た。

街で芸を披露している人。絵をかいたり踊ったりマジックしたり。

イヤホンで音楽聞きながら歌っちゃってる人、てゆうか踊っちゃてる人。

街中いたるところに音楽を演奏してる人がいて

フリーランしてる少年達が街の壁やらなんやらピョンピョン飛んで駆け抜けていって

いきなり手を掴んできてネイルをべた褒めしてくるギャルとか

うちらといとこの会話勝手に入ってくる見知らぬ電車の乗客とか

そしてその見知らぬ人と普通に会話を続けるいとこも、何もかもが面白かった。


自由とゆう言葉がすごく似合う場所だった。

誰も、誰のことを気にしてなくて。だからこそ自分はここにいるぞ!ってアピールする人達がいて

感動したことには惜しみない賞賛をあげて

今までにないエネルギーを感じた。

英語が喋れなくたってこんなに楽しいのに、英語が喋れるようになったら一体どうなっちゃうんだろうって考えた。




いとこには本当に感謝でいっぱい。ありがとう。

泣きそうになりながらいとこの車を見送って、ロビーに入って搭乗手続き。




つたない英語でチェックINどこでできますか?とスタッフに聞いて案内してもらう。"アソコニ ナラベバ ワカルヨ"的なことを言ってたと思う。

指をさされた列に並んだ。


自分たちの案内の番がきてパスポートを見せると"アナタタチ ココジャナクテ アソコニイッテ"的なことを多分言われ

再び指をさされた別の列に並んだ。

今度また自分たちの番が来ると"アソコノ キカイデ セルフチェックインシテキテ"みたいなことを多分言われた。


探しても日本人スタッフが一人もいなくて、はやしは人生初の国際線、飛行機も高校の修学旅行以来だし、そもそも飛行機乗るのにどんな手続きが必要かも把握してないのに機械でなにするんだろ~て感じだった。

はやしは本当にそんなレベルだった。ちなみに飛行機のチケットの取り方すらわからないからぜーんぶお姉さまにやってもらった。



かろうじて二回目の海外旅行であるマイシスターがカンでチェックインを済ませてくれた。かなり時間がかかってしまった。


さて、つぎは荷物を預けるらしい。

再びその辺のスタッフに荷物どこで預けられますかと聞くと"アソコダヨ~"と教えてくれた。

列に並んで自分の番が来ると"アナタタチハ アソコイッテ"と言われた。



なんだかたらい回しにされまくりやな私たち。疲れてきた。


気が付くと空港にはシルクハットから縦巻カールが生えてる老若男女の団体で混雑してた。

サーカス団の大移動かな?すげえ。(あとで調べたら超正統派のユダヤ教徒の方々だった。)


サーカス団の方々と交じって列で順番を待った。団員数かなり多くてだいぶ待った。やっとはやし姉妹の番!



はやし姉妹"荷物アズケタイデス!"

スタッフ"パスポート ミセテ”

スタッフ"………^&$^@$%$&*   トゥーレイト 

はやし姉妹"ハン?"

スタッフ"##$^$%*&*)*($%^#$@#^ ノーモア

はやし姉妹"NO MORE???

スタッフ"yea ノーモア

はやし姉妹"キャン ウィ ゴー ジャパン?"

スタッフ"NO. YOU TOO LATE









WTF





本当に飛行機乗れないのか?




そんなことあるの?!




いや、そんなはずはない。

だってフライトまでまだ1時間あるもん。


何ゆってんのもう!こわい!だれか日本語で説明して!






つづく。

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