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この世界は女性ひいきの社会だと本気で思っていた私の話【#女性活躍ってなんで必要なの?】Vol.5

冷たい言い方になりますが、本音では「女性活躍って本当に必要だろうか」と思ったりはしませんか?

もっとぶっちゃけてしまえば、「すでにアドバンテージがあるじゃないか」「決まった範疇で活躍しているじゃないか」「べつこのままでいいじゃん」とすら思うことはありませんか?

これからお話するのは、まさに上記のようなことを考えていた私が「社員の7割以上が女性」の会社に入社したエピソードであり、女性活躍は日本社会にとってやっぱり必要だ、と考える理由です。

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はじめまして。サーパスのCFOとして成長戦略や財務・アドミニストレーション関連を担当している藤本です。

写真1(新村さん撮影)

CFO 藤本勇樹
早稲田大学を卒業後、国内系総合コンサルティング会社へ入社。企業・自治体の業務改善や知財の分析を元にした商品企画等を経験し、その後海外進出支援のコンサルティング会社へ転職する。その後、株式会社アイ・エム・ジェイ、株式会社リクルートの中古車メディア・人材募集領域で、事業企画・経営企画・投資業務を担当。2021年7月、株式会社女性活躍推進総研を運営するSurpassに入社する。

私は新卒で入社した「比較的男性だらけの会社」で、土日を問わずクライアントのために目一杯働き、気合と馬力で成果を出し、過酷ながらも価値を発揮して楽しく仕事をしていました。

その中でそもそも「女性活躍って必要なの?」と考えていた背景は、それまで社内の評価(受賞など)が女性に傾いていたり、「女性ながらXXを達成!」と注目される場面に何度も出くわしたからです。

当時は女性は女性で、むしろ成果を出したら男より評価されやすい環境で働いているし、気合と馬力さえあれば誰だって評価される社会なんだから、ルールに従ってがんばればいいじゃないか。そう考えていたんです。

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転職先で「前時代的」と扱われるように

雲行きが怪しくなったのは、ダイバーシティーが進む先進的なメディア系の会社に転職をした2015年あたりのこと。男女比が半々だったその職場では、以前のような働き方は「前時代的だ」と言われたようなものでした。

新しい職場では「決まった時間のなかで、最大の成果を出す」──これが暗黙の了解でもあり、評価の考え方でした。

時間をかけて、考えに考え抜いて品質を高める。とにかく合理的な方法で、手段を選ばず強引に進めて結果を出す──。こういった働き方をすればするほど、私は社内ですべっている感覚があり、自分の成功パターンにも陰りが見えてきました。

目指すべき働き方や成果は、公平な時間の中でより多面的・社会的にみて合理的であること。職場が変わったのではなく、世の中のパラダイム・生態系が変わったのだ、と気づくまでに時間はかかりませんでした。

そして、あらためて思い知らされるわけです。

「男に有利な、男性主体の生態系だったから、自分は居心地のよさを感じていただけなんだ……」
「どこまでいっても自分は、男性主体の生態系に順応してきただけなのかもしれない」

かつて男社会で育った私が、女性7割の職場へ

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このパラダイムの変化とダイバーシティーの洗礼を経て、2021年に女性7割のSurpass(女性活躍推進総研の運営会社)に入社しました。

それは当然、Surpassという会社の急成長フェーズに自分が適していると思ったことと同時に、ここならば自分が悩んだジェンダーギャップや女性活躍の課題に対して、一つの答えを出せる会社であり、本気で女性活躍を考えられる会社だ、と思ったからです。

Surpassの代表の石原に出会い、「女性が活躍する社会はきっと皆が働きやすい社会になる」と理念を語る姿をみて、心が動く自分もいました。

女性活躍がもたらす、男性側のメリット

私がかつて好んだ環境は、まさしく男性優位の社会でした。一切休みを取らず、毎日長時間働き、いかなる時でもクライアントのために対応できる人間こそが評価されて然るべき。

当然、時間も労力も制限がない方が有利に戦える。

でもその社会は、誰もが活躍できる社会ではありませんでした。私の誤った認識をしていたこと、つまり……

・女性にはすでにアドバンテージがある
・女性も決まった範疇で活躍している

はまったくの見当違いで、どこまでいっても男性主体の目線に固定化されていて、考えるべきレイヤーを誤った話でしかなかったんです。

それについては代表の石原と、株式会社識学の安藤社長が対談する記事が後日リリースされますので、そちらに詳細は譲りたいと思います。

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本当の意味で「女性活躍」が実現されれば、男性にとっても働きやすい社会が実現する。いまではそう考えています。性差によって働きやすさの不公平が生まれるということは、仕事の負荷が男性に偏ることも意味しています。

実際にマクロで見ても労働人口が減少していく日本において、女性が満足に働けない経済損失を埋める必要があるかと思います。

これを埋めて公平にするには男性の負荷・責任も女性にもより公平に担っていただくことになると思います。

そのために企業のなかで経営者・管理者層が何を整備し、具体的にはどういう行動や立ち振る舞いがギャップを埋めていくのか。一方女性側には、どんなエンパワーメントが次のアクションのために必要になるのかのリスキリング(≠再教育)が必要です。

実際にSurpassでは営業未経験の男性も女性も多く、BtoBの営業において成果を出しています。これは前提として性差も認識し、男女ともに成果が出せるプロセスをミクロに研究し、教育の仕組みにこだわった結果でもあります。

男性しか活躍できない・成果が出せない、と思っていた仕事がそうではなくなっていく世界は、きっと責任も成果も公平に担える世界であると思います。

かつての私に近い目線でいいますと「男性のアドバンテージ、ひいては仕事がなくなっていくのでは?」という不安もあったりするのではないかと思います。しかし労働人口が減っていくなかでは、より多くの人が活躍できる素地を作り、企業のなかの生態系を変えていかなければ、そもそも今後の人材採用も厳しくなってくるかもしれません。


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といったことを踏まえますと性差なく、公平に働ける世の中こそが本来の女性活躍であると考えています。ぜひこれまでの特集もご覧いただき、私たちが目指す世界がどんな未来なのかを知っていただければ幸いです。

これまでの特集記事はこちら↓

(1) 連載「#女性活躍ってなんで必要なの?」をはじめます
(2) 可能性に溢れる社会の実現へ。私たちがつなぐ次世代へのバトン
(3) ワーキングマザーが活躍する未来は企業の在り方をどう変えるのか
(4)日本とドイツを徹底比較!ジェンダーに関する意識の違いとは


最後にあらためて、私からのメッセージです。

本来、誰もが力を発揮できる職場を作るためには、男女のどちらかがマウントを取るのではなく、お互いが性差を認識し、言語化することから始める必要があると考えています。

そうでなければ極めて時間がかかり、失敗も多く、学びも蓄積されない職場になってしまう。

「じゃあどうしたらいいの?」

そこに、私たち「女性活躍推進総研」の存在意義があります。

・女性だけ/男性だけがひいきされる?
・ダイバーシティーといっても実際は異性の上司・メンバーはやりづらい……

といった悲鳴を受け止め、どうすれば変革を促せるのかを社会に提案していかねば、と考えています。

性差について真摯に考え、研修やコンサルティング、その他の打ち手を皆様にご提供したい。女性のみならず、苦悩する私自身も含め、男性がどう対応して、どう考えていくべきかのお手伝いを、ぜひさせていただきたい。

そんな想いで、このnoteの筆を取らせていただきました。


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全5回にわたってお届けした特集、「#女性活躍ってなんで必要なの ?」はいかがだったでしょうか。

20年後の未来を見据え、経営的な視点、社会的な視点、ファクトにもとづく数字の視点から、女性活躍について考えるキッカケをお届けしてきました。

このテーマについて、今後も多くの方と交流を続けていきたいと考えています。ぜひ、note や Twitterで「#女性活躍ってなんで必要なの?」のハッシュタグで投稿してください。

下記Twitterアカウントのほか、noteのマガジン機能でリアクションをしたいと考えています。
https://twitter.com/woman_workstyle

今後もまた新たな特集テーマを組み、読み物としての発見と驚き、楽しみを見つけられるような連載を企画する予定です。どうぞお楽しみに。
ここまでお読みくださり、ありがとうございました!

本文:藤本勇樹

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