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VACATIONS.

今年の4月から、都内にある私の会社は社員の安全のため休業を決め、ここ3ヶ月間、私は休業期間中として自宅で夫と過ごしている。

(不謹慎だが、)大人が休暇を取るのがすごく難しいこの日本で、思いがけず長いバケーションをもらった気分だ。

本来のバケーションと違うのは、簡単には外出できないということ。でも、外出することも大好きだが、お家でだらだらと過ごすことも大好きな私は、正直何も不便を感じていない。

時間を自分の今までやりたかった事や、夫と過ごす事に費やすことができて、この期間にすごくすごく、感謝している。

収入はもちろん減ったが、ミニマルの給料を休業期間中に出してくれている会社にも感謝だ。おかげで不自由なく過ごせているし、この際だからと、家の模様替えをしたり、断捨離をしたりする中で、これは必要だと思うものも購入できた。でもそれは、こんな状況下でも働いてくださっている人々がいるから。Amazonだってちゃんと届くから飲み水にも困らない。

そう。世の中がこんな状況であっても、私という人間の生活は続いているのだ。遠く離れていてもても、心配できる家族がいて、電話で話すことができる。愛する人と一緒に時を過ごしている。そして自分自身と向き合うことができる時間もある。そしてこの休業期間中に、新しい命を授かったこともわかった。これを幸せと呼ばず、なんと呼ぶのだろう。

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夜、コンビニにヨーグルトを買いに行った時の一コマ:こんな時間にも働いている方々に感謝(撮影:夫)

そんな中で、恋しいことが一つある。それは、今まで当たり前のことだったけれど、この状況になっては「贅沢」と呼ぶ部類だと思う。

カフェ・レストランや娯楽施設などが閉まり、「映え」を実現できなくなったことではない。

それは、会いたい人に会って、触れる事。である。決していやらしい意味ではなく、人肌が恋しいのだ。

電波も繋がっている、Skypeだって、LINEだってZOOMだってできる。それがダメなら、メールもしくは手紙を書くことだってできる。でも違う。直接、目を合わせて話したい、ハグしたいし手を取り合いたい。

私は生まれも育ちも日本のど田舎だけれど、大学を出てから三年ほどフランスへ留学していたこともあり、ボディタッチが多い方だと自覚している。家族にも仲の良い友達にもハグをする。

留学先で、私はどれだけ人との触れ合いが心に温かさを与えるのか知った。友人やステイ先の人とのハグやビズで、お互いの心と心がグッと近づくのを体感した。

それが、この状況下、田舎の両親にも会いにはいけないし、友人とも会っておしゃべりはできないとなり、「大切な人たちに直接会えない辛さ」を体感している。甥っ子にも会って成長を確かめたい。

こんな時、両親や兄弟、友人らの近くに住んでいたらなぁと思う。思い立ったらすぐ会える距離。大切な人のそばに居れることは、幸せなことなのだ。

そう考えると、より一層、私の家族である夫とお腹にいる赤ちゃんを愛おしく、もっと大切にしていきたいと感じる。私の一番身近にいてくれる存在たち。

特に夫は、普段から私よりも「大切な人たちに会えない辛さ」を味わっている。彼の両親も親友も海の向こう側だ。

その寂しさを私で全て埋めるなんて大層なことは言えないけれど、彼の家族である私は、持てる限りの優しさと愛でこの家族を築いていく。

コロナウィルスは、私たち人間に大切なことを教えてくれる環境をくれた。この期間に起こった悲しいこと・辛いこと・嬉しいこと全てに、感謝だ。

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