子育て内省日記8〜視覚化•空間認識〜

休日の朝。早々と朝食を済ませ、息子のサッカー練習に行く準備をする。子供たちに家を出る準備を促しながら、水筒にスポーツドリンクを入れる。準備が早い娘はお気に入りの人形を手に持って玄関で待っている。息子はサッカー用の靴下を履くのに苦戦している。諦めた表情でこちらを見ており、しょうがなく手を貸し靴を履かせて、家を出た。

外は雲一つない良い天気だが、冷たい北風が強く吹いてきて、反射的に体が縮こまる。首から足元まで冷たい空気があたることのないよう、厚着をして正解だった。子供たちは競争するかのように勢いよく走り出す。二人を追いかけて駐車場に向かい、車に乗り練習場に向かう。

練習場では既に同学年の子供が集まっており、練習が始まるのを待っている。息子も自然にその輪に加わり、お互いのボールを蹴り合って遊びはじめる。幼い頃は内気で一人で遊ぶことが多かったが、いろんなコミュニティで過ごすにつれて、明るくひょうきんな性格が芽生え、友達も増えた。

コーチの一声で練習が始まる。始めはフットワークを鍛える鬼ごっことボールタッチの練習。最近、家の中で小さく柔らかいボールを使ってドリブルの練習をしているためか、だいぶ動きがさまになってきた。息子の練習姿に集中したいが、あちらこちらを全速力で走りまわる娘を見失わないよう後を追う。

今日は2対1で攻撃の戦術を教えてもらう。コーチが説明している時、息子は別のクラスの練習風景を眺めたり、少し注意散漫な様子だ。説明をきちんと理解しているか心配しながら、息子の動きを注意して見る。最初は教えられたことを意識して動こうとするが、しばらくすると忘れてボールをずっと追いかけて、足元にきたボールをすぐに蹴ってしまった。

結局教えられた戦術を活かせないまま、練習が終わった。何かになりきってグランドをピョンピョン跳ねる娘を呼び止め、車に向かう。家に帰る間にコーチから教えられたことを息子に聞いてみたが、理解できていないのか説明できなかった。

家に着いてひと休みした後、今日教えてもらったことを復習した。自分の記憶を頼りに紙に攻撃と守備、ボールの位置を書き出す。息子に見せて、「この場合ボールを持っている人はパスしたほうがいい?それともドリブル?」と問いかけると、「パス!」とスッキリした表情で答える。

やはり頭の中だけでは習ったことを整理できていなかったようだ。他にもいくつかのケースを図で書き質問すると、どう動けば良いか全て答えることができた。また人とボールの位置だけでなく、守備の人がどう動くかにみることも大事であることに気づいた。書くことで予想外の収穫を得た。次の練習が楽しみだ。

娘が自分と息子のやりとりが気になって覗きにきた。娘も何か書こうと鉛筆とメモ帳を用意して、覚えたてのひらがなをひたすら書き始めた。あっという間にテーブルの上は娘が書いたメモ帳でいっぱいになった。娘も書くことでひらがなを全部覚えてくれることを期待しながら、ゆっくり見守った。



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