見出し画像

学校教育の良い点

いきなりですが、

私が思う「学校教育の良い点」を3つあげます。

  1. 無料

  2. 学年に応じた学習内容

  3. コミュニケーション能力

1.無料

まずは、なんといっても授業料が「無料」という点です。

義務教育なので当然といえば当然ですが、

私立の学校やフリースクールなどに通うと、決して安くはない授業料が発生します。

無料で様々な学びを得られる公立学校は、やはりありがたい場所だなと思います。

2.学年に応じた学習内容

学年に応じた学習内容がきちんと学べることも良い点です。

日本には「学習指導要領」というものがあり、

全国どこの学校へ行っても進度に差が出ないように学べる制度になっています。

全国どこの公立学校でも、

あの学校は進んでいる・遅れているとか、

転校したから授業内容の一部が学べないとか、

そういうことにならないような仕組みになっています。

3.コミュニケーション能力

コミュニケーション能力は

子ども達が生きていく上で欠かせないスキルです。

学校生活を通して、

様々な人との関わりの中でコミュニケーション能力を養っていくという点でも、

学校教育は大切な役割を果たしています。

学校教育の課題

しかし上記のような良い点があるものの、

今の学校教育には課題が山積しているのもまた事実です。

その中でも次の3つの課題について書いていきます。

  1. 変化の遅さ

  2. 多忙な先生方

  3. 後回しにされるBの子ども達

1.変化の遅さ

突然ですが、

「宿題」って必要でしょうか?

もう少し具体的に、、

「やらされている宿題」って必要でしょうか?

毎日毎日、

  • とにかく終わらせるために

  • とにかくノートを埋めるために

  • とにかく親や先生に怒られないために

こんな感じで宿題をしている子ども達はまだまだたくさんいます。

もうこんな宿題は終わりにするべきです。

今は宿題を廃止している学校も増えてきています。

お子さんが新1年生だった頃を思い出してみてください。

宿題も音読も学校の勉強も、毎日楽しそうに取り組んでいたと思います。

それがいつの間に「宿題=だるい」ものになったのでしょうか。

本来、学びとは楽しいものです。

  • わからなかったことが「わかった!」

  • できなかったことが「できた!」

これが学びの楽しさであり、

それは子どもも大人も同じです。

  • イヤなことをひたすら耐える宿題

  • 罰ゲームのような宿題

こんな宿題だったらもう必要ありません。

それよりはまだ、

  • YouTubeで見た実験を実践したり

  • 好きなゲームの攻略法を考えて実践したり

そんな宿題の方がよっぽど子ども達の思考を活発にします。

宿題のほかにも

  • 床に座って体育座り

  • 古い校則

  • 前へならえ

  • 黒板をそのまんまノートに「写す」

などなど、

それこそ

「社会に出て役に立たない」ことがまだまだ根強く残っているのが学校現場です。

むしろ子ども達自身が「考える機会」すらも奪っていることもあります。

このように、

本来の目的が見失われ、

ただただ昔からの慣習で続いているだけの教育活動が

まだ多く残っているのが現状なのです。

いろいろと書いていますが、

僕も元小学校教員です。

上記のようなことをさせていたこともありました。

今ではとても反省していますし、

現役の時、なぜ改善しなかったのかと言われたら、

情けないことに「学校の決まりのため、できませんでした」と言うことしかできません。

そして、

今の先生方も

個人としてはこのような課題に疑問を抱いている方も少なくありません。

しかし

「学校」という組織になると、

変化していくことがとても難しいというのが現状なのです。

2.多忙な先生方

この1年ぐらいで、

やっと教員の多忙すぎる働き方をメディアが取り上げるようになりました。

皆さんもご存知の通り、

今では深刻な教員不足です。

10年前は、

教員採用試験の倍率も10倍近くあり、

何度も試験を受けてやっと合格するというのが一般的でした。

それが今では

「誰でも先生になれる時代」になってしまったのです。

原因はたくさんありますが、

一番はやはり「教員の多忙さ」でしょう。

教員の多忙さや教員不足は、

当然ですが、

子ども達への教育へも悪影響を及ぼします。

そもそも先生が足りない。

先生が疲れている。

こんな状態では、

子ども達一人ひとりに目が行き届かなくなってしまいます。

3.後回しにされるBの子ども達

学級には30名〜40名の生徒がいます。

その生徒達を仮にA・B・Cで分けるとしましょう。

Aの子どもたちは、

家や塾でも学習を進めており、

学習内容の理解は十分にできています。

また、

わからないことを調べたり質問したりする力があるので、

その都度、

自分の課題を解決することができます。

Cの子ども達は、

どちらかというと家庭環境に課題があったり、

発達の偏りがある場合が多いです。

そのため、

担任の手厚いサポートだけでなく、

行政や医療の面からも支援が入ります。

私が問題視しているのはBの子ども達です。

この子ども達は

・テストでは70〜85点。たまに90点
・特に困っている様子はない
・口ぐせは「普通」「別に」

こんな状態なので、

誰からもサポートが入りません。

親御さんも困り感がない場合が多いです。

だから

先生からもいつも「後回し」にされてしまいます。

正直、

私も教員時代はこれで悔しい思いをたくさんしてきました。

  • 本当はもっとできるのに

  • 本当はもっとわかるのに

  • 本当はもっと話を聞いてあげたいのに

  • 本当はもっと良さや強みを伸ばしてあげられるのに

そう思いながらも、

限られる時間と多忙な業務のため、

つい後回しにしてしまう。

こんなケースも少なくありませんでした。

でもよく考えてください。

「このままでいい子ども」なんて一人もいません。

  • 誰だって100点取りたいし

  • 誰だってもっとできるようになりたいし

  • 誰だってもっと話を聞いてほしい

だけど、

いつもいつも後回しにされる毎日で、

向上心や探究心が薄れていってしまっているのです。

当塾の受講生がこんなことを言っていました。

「担任の先生には諦めている」

とてもショックでした。

Bの子ども達はこんな感情を抱いているのです。

  • どうせ先生は忙しい

  • どうせ先生はあの子のことばかり

  • どうせ先生は聞いてくれない

こんなことを話してくれたのでした。

教員の多忙さが問題視されているその背後には

「後回し」にされている子ども達が多くいること。

これもまた、

学校教育の大きな課題なのです。

子ども達に必要な力

では、

これからの子ども達に必要な力とは一体なんでしょうか?

それはズバリ

「課題解決能力」です。

  • 学力

  • 質問力

  • 相談力

  • 向上心

  • 探究心

  • チャレンジ精神

  • コミュニケーション能力

などなど、

細かくあげればキリがありませんが、

ひとことで表現するとすれば

自分の目の前にはだかる壁を乗り越えるためには

どうすれば良いかを考え、

実行し、

解決していくための

「課題解決能力」です。

  • 勉強がわからないなら、どうすればわかるようになるかを考え、実践する力

  • 悩みごとがあるなら、抱え込まずに相談できる人に相談する力

  • 目標ができたなら、そこに近づくために計画を立てコツコツ努力する力

  • ちょっとでも興味が出たら、失敗をおそれずにチャレンジする力

などなど。

これから子ども達が生きていく上で、

絶対に必要不可欠な力です。

子ども達に必要なサポートとは?

「ティーチングよりコーリング」

この言葉を聞いたことがあるでしょうか?

簡単に言えば

「知識を教えるティーチング」より

「本人の気づきを引き出し伴走するコーチング」が大事

だということです。

今、

知りたい情報は身の回りにあふれています。

AIの発達により、

難しい学習問題もスマホに入力するだけで

一瞬で解き方まで教えてくれます。

しかも超わかりやすく。

そんな状況の中で、

もう「教える人」という存在は必要なくなってくるでしょう。

しかし、

だからといって子ども達が一人でなんでもできるかというと、

それは難しいです。

大人もそうですよね。

例えばダイエットしたい人がいたとして、

「食事制限と適切な運動」を続けるだけで痩せることは誰でも知っています。

だけど一人ではできない。

だからパーソナルトレーナーをつけ、結果が出るまで伴走してもらうわけです。

知識は調べれば一瞬で出てきますが、

それが実践できるかというとまた別なのです。

子ども達も同じです。

一人ひとりに寄り添い、

話を聞きながら、

その子の課題解決や目標に向かって一緒に伴走するサポーターが必要になってきます。

時には相談にのり、

時には助言をし、

時には檄を飛ばし、

時にはおしゃべりでもしながら、

一人ひとりに寄り添ってとことんサポートする存在。

子ども達のサポーターは誰でしょうか?

親御さんでしょうか?

学校の先生でしょうか?

親だからこそ難しいことってあると思います。

学校の先生だからこそ難しいことってあると思います。

地域との繋がりも希薄化してきたこの時代だからこそ、

親でもなく学校の先生でもない

「ナナメの存在」

「サポーター的存在」が、

今の子ども達には必要だと私は思います。

最後になりますが、

これまでの学校教育と時代が合わなくなり、

学校現場の課題が浮き彫りになってきました。

これは決して学校の先生方が悪いと言っているわけではありません。

この国の学校教育の変化の遅さに課題があるのです。

しかし、

その裏で、

今もたくさんの子ども達が「後回し」にされた状態になっています。

子ども達の本来の強みや良さを出せずに

「諦めている」という現状からは、

私たち大人は絶対に目を背けてはいけないと思います。

  • 「おしい!」「なんで!」「悔しい!」などの失敗体験や

  • 「わかった!」「できた!」「やった!」などの成功体験は

それを積み重ねた分だけ、

子ども達のこれからの人生で「生きる力」として発揮されるのです。





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?