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絵本はもはや大人のための癒しアイテム?娘の絵本が私の心の支えになった時

絵本を買い始めたのはこの言葉からだった。「こどもにただ1つの玩具を与えるとしたら『絵本』です」。当時娘は数か月。初めての絵本買いは、かなり挙動不審だったと思う。赤ちゃんとの外出も慣れていないのに、静かな「本屋」へデビュー。どきどき、きょろきょろ、うろうろ。

結局、何を購入していいのか分からず、雅子さんが愛子さんに読んでいたという(娘は少し下)、ふくだとしおさんの『うしろにいるのだあれ』と、わかやまけんさんの『こぐまちゃんいたいいたい』を購入した。

しかし、家に戻ると明らかに2冊では不十分。すぐに読み終り、数十回と読むことに。娘は喜んでくれたが、私は飽きた。次はネットで中古も含めて大人買い。林明子さんの『きゅっきゅっきゅっ』、エリックカールさんの『はらぺこあおむし』などの有名どころを調達。料理と同様にレパートリーが増えると、読むのが楽しくなった。

私自身、最初の子どもが2歳になるまでが一番大変だと思っている。社会が家だけの小さな空間になり、急に世界が狭くなったような気分におそわれる。自分が社会の役に立っているという実感が薄れ、孤独になる。そんな時、絵本は心を癒してくれた。『こぐまちゃんとどうぶつえん』では動物園に行くのが楽しみになった。自分でするのが恥ずかしい『いないいないばあ』は絵本が遊んでくれた。

そんな絵本、子どもや子育て中の親だけではもったいない。大人だって十分楽しめる。短時間で読み終わる上に、良本は心にしみる。あきらめない希望を持ちたい時には『だってだってのおばあさん』。愛を感じたい時には『ぼくがあかちゃんだったとき』。身近な人の命が短くなってきた時には『だいじょうぶだよ、ゾウさん』。

いつの間にか、娘の絵本は私の癒しになった。図書館では絵本は児童室にある。大人だけでは少し行きにくいイメージがある。しかし、最近は良質な絵本に気軽に出会える空間に変化しつつあると聞いた。大人だって絵本はおもちゃや遊び癒しの時間になる。子供のものだけではもったいないと思う。さあ、図書館や本屋に行こう

 2009年11月和歌山新報掲載 2024年加筆


今から、約20年前。専門職から一転、専業主婦になり「社会の役に立てていない」という思いの中からコラムの投稿を始めました。20年の投稿を振り返りながら、キャリアコンサルタントになるまでを振り返っていきたいと思います。

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