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実験は安全が第一~研究者の卵の方に伝えたいこと②~

この春に新しく研究室に配属された方、配属おめでとうございます!

これからの研究生活に胸を躍らせていることと思います。

でも、少し注意してほしいことがあります。

すこし刺激的な内容かもしれませんが、化学実験には思わぬ危険が潜んでいることを知ってほしいと思い、書かせていただきました。

私を反面教師としてしてください。

私は当時、アンモニアガスの入ったボンベを使用して実験をしていました。

ボンベにはチューブが付いており、そのチューブの先をドラフトチャンバー(換気扇付きの箱のようなもので、有害ガスが安全に排気される)の中に入れて実験をしていました。

つまり、アンモニアガスはボンベ(ドラフトチャンバーの外)からチューブを伝ってチューブの先(ドラフトチャンバーの中)から出るという状態でした。これなら安全です。

しかし、そのとき、とんでもないことが起きました

「すぽっ」という音と共にチューブがボンベから外れたのです!

ボンベの出口は私の方を向いており、

アンモニアガスを直に浴びました。

日光浴や森林浴などのいろいろな「」がありますが、アンモニア浴をした人間はなかなかいないと思います。

よく「アンモニアガスは刺激臭を有しています」と教科書に書かれていたりすると思いますが、

本当に強烈です!

瞬間的に気絶しそうになりました。

しかし、瞬間的に手を伸ばし、ボンベの元栓をひねって事なきを得ました。

ドラフトを動かしていましたが、アンモニアガスの匂いは部屋に広がってしまいました。

その部屋は広く、すぐに窓を開けて換気したので問題は起きなかったのですが、少し離れた場所で女性の方が一人実験しており、私の落ち度のせいで臭い思いをさせてしまいました(平謝りしました)。

私の失敗は、備え付けてあったチューブの接続部の状態を事前にしっかり確認できていなかったことにあると思います。ボンベの開栓度も不適切だったかもしれません。

化学系の研究室では上記のようなことが起こる可能性があります。

私の同期は、試薬を添加した瞬間に試験管から火柱が上がり、天井に到達したそうです。

別の同期は、金属ナトリウムに水が触れてしまい、爆発を起こしてしまいました。

いずれも大事に至らずに済んだのですが、極めて危ない状況です。

新しく研究室に配属された方々におかれましては、

上記のようのこともあることを認識して安全に実験をしていただけますようお願いします。

特に、危ない実験は夜に一人では決してしないようにしてください。

人が少ない状態では、何か危険な状況が発生しても誰もその状況に気が付けない可能性があります。

また、少しでも実験で不安なことがあれば、先輩や教員の方に事前に相談してください。

何よりも安全が第一です。

あなたの命が一番大切です。

それではよい研究生活を!!

以前に書いた以下の記事も併せて読んでいただけると嬉しいです。


読んでくださいましてありがとうございました!