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香りの記憶

記事:ユミコ
香りには、その時の記憶や思い出をぱっと甦らせる力があると思う。実家の匂い、おばあちゃんちの匂い、高校生の時に流行ったカルバンクラインの香水の匂い。
この前、私が服を着替えた時に、ふと鼻腔をくすぐったのが、母の匂いと同じだったので驚いた。小さい頃、台所に立つ母のお腹に飛び込んでいった記憶が甦る。きゅっと腰で結んだエプロンからちょっと甘いような母の匂い。夕食の準備をしている母にまとわりついていたのだと思う。
「だんだんお母さんに似てきたね」と、地元の友達に言われることもあるが、匂いまで似てくるのだろうか。

母のお腹の感触と、西日に照らされた台所の情景を今も覚えている。

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