うたかたの共演
喫茶店の 窓から差し込む
柔らかな こもれび
まだ 空いている 隣のテーブルで
それはゆらめき ひかり 踊り始める
ふうわり とぅるるるーん とん たたーーん
ふうわり とぅるるるーん とん たたーーん
ドビュッシーの ピアノに合わせて
風にゆれる そのシルエットは
まるで ほたるの またたきのよう
美しく つかみたいのに 手からこぼれ
宝箱に しまっておきたいのに つかめない
いつしか曲調は 変わり
次第にその動きは 少なくなって
音楽との共演は 終わりに近づく
舞台上からひとり、またひとりと消えていき
ゆらめき とまり
ゆらめき とまり
とぅん、 とぅん、 とぅ〜〜〜〜ん〜〜。
まさに、最後の音が消えかけたとき
そのきらめいた席に 一人の女性がすわった