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読書の世界 「冷静と情熱のあいだ」

みー読書録のみー。です。

今回は辻仁成さんと江國香織さんの共作(連作が正しいのでしょうか?)

「冷静と情熱のあいだ」(角川文庫)について書いていきたいと思います。

今回の記事は実質二冊についての記事になるので

“Rosso”編と”Blu”編の二つに分けたいと思います。
作品としては、どちらを先に読んでも大丈夫な作りになっていますが。
ここでは、筆者、みー。の読んだ順にいこうと思いますので、

辻仁成さんの”Blu”編からいきたいと思います。

「冷静と情熱のあいだ」 “Blu”

まずは、簡単なあらすじについて裏表紙のあらすじを引用させていただきます。

 あのとき交わした、たわいもない約束。十年たった今、君はまだ覚えているだろうか。
やりがいのある仕事と大切な人。今の僕はそれなりに幸せに生きているつもりだった。だけど、どうしても忘れられない人、あおいが、心の奥に眠っている。あの日、
彼女は僕の腕の中から永遠に失われてしまったはずなのに…。
 切ない愛の軌跡を男性の視点から描く、青の物語。
「冷静と情熱のあいだ」角川文庫

あらすじにもある通り、”Blu”編の主人公は男性となります。

・順正 フィレンツェで絵画の修復を仕事にしている。

”Blu”編では「順正」が主人公となって物語が展開していきます。
日本人が主人公ですが、舞台はフィレンツェになります。

作者の辻仁成さんはパリ在住で、現在Twitterなどでも発信をしています
興味ある方はぜひ見てみてください。
→@TsujiHitonari

やはり、著者本人が同じヨーロッパ圏にいることもあってか、街の描写や文化面での表現がリアリティあって、物語を通してフィレンツェの街並みが見えてくるような文になっています。

順正は、フィレンツェで絵画修復士として働きながらありきたりな日常をくらしている。
適度に、生き。適度に、付き合い。適度に、

凪のような人生のなかに、小さな灯火のように忘れられない女性がいました。

順正はその女性を思いながらももう会うことのない存在として、扱っていました。
しかし、ここが物語のいいところですよね。
展開していくごとに女性の影が実態を帯びて現れてきます。

順正の気持ちを描写しなが、切ない恋愛模様が綴られていく。


みー。的ポイント

この作品において、ポイントとなるのは、やはり

舞台とストーリーの親和性だとおもいます。

日本ではない。だからこそ登場人物の愛が美しく切なさを、帯びてくる。
日本人だから思う部分なのかもしれないのですが、海外に対して憧れを、いただいてると、
無条件にカッコいいー。大人だなーと思う部分があったりしませんか?
洋画をたくさん見るわけではないのですが、洋画って邦画よりも「ロマンティック」だなと思ったりしませんか?
そういうものを欲している人にはぜひ読んでいただきたいと思います。

また、順正の職業が絵画修復士なのも自分としては、ポイントだと思いました。
普段関わることのない職業にスポットを当てながら順正という人柄も表現していくのが見事だなと思いました。

洋画や外国の物語が好きな方にオススメしたいポイントになりますね😊

まとめ

いかがでしょうか?
洋画っぽい雰囲気を持たせながらも主人公が日本人であるために親近感も持たせて話が進んでいく。
2人の関係にも期待感を持ちながら先へ先へと読み進められてあっという間に読めてしまいます。

次回は"Rosso"編になります!
言わずもがな順正の「思い人」が現れます。
順正に対して女性側がどう思っているのかを掘り返していきたいと思います。

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