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放射線生物学

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#放射線

X線とγ線の違い

X線とγ線はどちらも放射線です。
放射線の中にもいろいろな種類がありますが、X線とγ線は放射線の中でも電磁波に分類されます。

電磁波というのは波と粒子の性質をもった波のことです。
身近なものだと光や電子レンジのマイクロ波なんかが電磁波にあたります。
電磁波が全て放射線というわけでではないので注意してください。

さて、本題のX線とγ線の違いですが、簡単に言えば放射性物質の原子核から発生するかどう

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放射線の生体作用

放射線が生き物にもたらす作用には直接作用と間接作用があります。
どっちの作用でも生き物を構成する細胞が傷ついてしまうことで放射線の影響が現れます。

直接作用は放射線が細胞のDNA🧬に直接的に働いて、DNAの構造を変化させる作用です。
DNAは生き物の筋肉や臓器をつくるタンパク質の設計図のような役割をしています。
放射線を照射されたDNAは設計図を書き換えられてしまい、本来作るはずのものとは異な

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放射線治療の4R

放射線治療の4R

放射線治療を行う際には4Rという概念が重要になってきます。
4Rというのは細胞や組織に放射線が当てられた際に起こる変化のことです。

4Rには以下の4つがあります。

①回復(Repair)
放射線は一回の照射でたくさん当てるよりもある程度小さいエネルギーの放射線を何回かに分けて照射した方が正常な細胞の回復が起こりやすくなり、正常細胞の生存率が高まります。
放射線治療では何回かに分けて照射を行う(

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CTとMRIの違い

CTとMRIの違いについてかなりざっくり説明したものです。

CTとMRIはどちらも似た構造をしています。
また、どちらも体を輪切りにしたデータが得られ、身体の内部の異常を見つけることができます。

機能や外見は似ていますが、撮影の仕組みが違っており、それぞれの機器によって得意とする部位が異なります。

CTは放射線の一種であるX線を用いた方法で撮影を行います。
放射線がどれくらい体に吸収されたか

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