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久しぶりに母の発作

昨日、何十年ぶりかで
母がてんかんの発作を起こした。
今の今までてんかん持ちだったことすら
忘れていたので
最初はただの寝言かと思った。

ビックリした割には
ずいぶん落ち着いていた私自身にも
ビックリした。

発作は1分ほどでおさまり
その後ぐっすり寝て
お昼ご飯もしっかり食べたので
今のところ大きな問題はなさそう。

本人は発作を起こした認識がない
外に出かけない人だし
ありがたいことに私はリモートワークだし
日々の暮らしに支障はない。

訪問診療してくださっている
病院にも連絡して
次回の予定を早めての診察をお願いした。


私が中学生の時
初めて発作を起こした母を見てしまった。
正直に言うと怖かった。
すぐに商売中の父を呼んだ。
その後の事はよく覚えていない。
あの時1度見ていたから
今回は落ち着いていられたのかも知れない。


ふと気がついた。

父がもし炊事をできない人だったら
もし見捨てるような人だったら
もし私が祖父母と暮らしていなかったら
私はヤングケアラーだったかも知れない。


就職も結婚も...
母親になることもできなかったかも知れない。

ずっと守られていたことに
今になって気づいた。


近年、母と暮らすようになって
同居人が無気力でずっと寝ていることが
とても辛いものだと実感している。
父はそれを、ひとりで長い間続けていた。
とてつもなく凄いことだと思う。

商売をしていたので店も開ける
祖母も要介護
私は仕事と子育てで
時折り顔を出す程度だった。


父はタバコがやめられず
お酒と競馬中継が好きだった。
それがあったから
現実から意識を逸らして
毎日が無事に過ごせたのかも知れない。
今の私が
猫と本とコーヒーに癒されているように。

私が息子たちを連れて実家に行くと
父は、すき焼きを振舞ってくれた。
お店の仕入れと一緒に
安いけど美味しいお肉も仕入れていてくれていた。
今は私が買い出ししているよ。


こうやって、思い出に浸っていれば
空の上で父が、笑っているかも知れない。
「今ごろ、解ったか」って...











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