うつ病からの回復に役立つこと(その1)
うつ病で苦しいときの状態とは、どのような状態でしょうか?
私の場合は、
ネガティブな考えで頭がいっぱいになって、脳が疲れ切っている状態
だったと言えます。
では、この状態から脱け出すには、どうしたらよいのでしょうか?
あれこれ考えるのを止めて、疲れた脳と弱った心を十分に休ませること。
これに尽きると思いますが、これを実行することは決して簡単ではありません。
考えを止めようとすればするほど、かえって考えてしまうということは、非常によくあります。
そこで、私はあるコツに気が付きました。
もしかしたら、コツとは言えないほど当たり前のことかもしれませんが。
それは、ほかの何かに没頭することです。
何かに没頭している間は、うつの思考から解放されやすくなります。
では、どんなことに没頭すべきか。
何に没頭するかは人それぞれで、基本的には自分が無理せず楽にできることがよいと思います。
ただし、健康を害するおそれのあるものや依存になりやすいものは避けたほうがよいでしょう。
たとえば、お酒や食事、ギャンブル、ゲーム、激しすぎる運動などは注意が必要だと思います。
うつ状態では、コントロールを失いがちです。
そのため、過剰に没頭してしまう可能性を考えておく必要があります。
私は、サブスクで映画やドラマを観ていて、一日中再生が止められなくなったことがありました。
やりすぎてしまった場合に、体を壊したり、精神をすり減らしてしまうおそれのあるものにはできるだけ手を出さず、仮にやり過ぎても害のないものを選ぶとよいと思います。
幸いにも、私自身が3か月間の休職で仕事に復帰することができたので、私がやってみたこと、よかったと思うことをご紹介したいと思います。
①毎日、図書館に通った。
図書館通いは、休職中の私にとっての唯一の日課でした。
休職していた当時の私は45歳で、自宅から約200㎞離れた他県に単身赴任中でした。
自宅には妻と子ども2人がいます。当時高2の娘と小4の息子です。
さらに遠く離れた実家に70代の両親がいました。
うつ病を治すためには、家族の理解を得てゆっくり休養するのがベストであることは間違いありません。
でも私は、子どもと親にだけは、どうしても自分がうつ病で休職していることを伝えられませんでした。
子どもと親にだけは心配かけたくない、という気持ちが当時の自分にはありました。
そこで、まず考えたのは、単身赴任先のアパートで休養する方法です。
この方法なら一日中部屋で寝ていても、家族の目は気になりません。
でも、アパートで一人で過ごしていると、状態はみるみる悪化してしまいました。
「単身赴任先=仕事」のイメージがあったためか、一人暮らしの孤独に耐えられなかったせいか、まったく心が休まりませんでした。
これはダメだと気付いて、家族の住む自宅に戻りました。
しかし、子どもたちには休職のことを言えません。
苦肉の策として、「お父さんは、期間限定で家から通勤することになったから」とうその説明をして、朝出勤して夕方帰宅するふりを続けたのです。
もう本当に心苦しくて、情けなくて、悲しくて。。。
うつ病の症状もあって、「俺ってやっぱり最低の人間だ」と自分を責める気持ちは常にありましたが、背に腹は代えられませんでした。
そんな悲しい私が行く場所として思いつくのは、図書館ぐらいしかありませんでした。
仕事に行く格好(夏だったのでクールビズ)で、図書館の開館時刻に合わせて家を出ます。
しかも、自分の住む町の図書館は、息子が通う小学校に隣接していることもあり、わざわざ電車で一駅離れたとなり町の図書館に通うようにしました。
このように、苦しい事情から始めた私の図書館通いですが、休職中の私にとってこれが唯一の日課となりました。
ところが、あとから考えると、このような事情で図書館通いを余儀なくされたことが、私の回復にはとてもよかったのです!
まず、通勤を装うため、生活のリズムと身なりだけは乱れないようにする必要がありました。
たぶん、単身赴任先で療養していたら、どこにも外出できず、入浴もできない日が続いていたと思います。
もちろん、毎日出勤を装って外出するのは楽なことではありませんでした。しかし、私にとっては、その負荷以上に得られるものが多い日課でありました。
読んだ本は、楽に読める小説ばかりでした。
難しい本、仕事や自己研鑽につながる本は全く読む気にもなりませんでした。
一日中読んでるわけですから、1日1冊は読めてしまいます。
目は多少疲れますが、良い作品に出会うと、気持ちが物語に引き込まれて、うつのことを少しだけ忘れることができました。
そんなわけで、図書館は私が回復するのに欠かせない場所でした。
ありがとう、図書館。
本当に感謝しています。
図書館の良いところをまとめてみます。
・長時間利用しても、誰からも何も言われない。
・お金がかからない。
・開館と閉館の時刻が決まっているため、日課として生活のリズムを作りやすい。
・無心になって読める作品に出会えたら、うつのことを忘れて没頭できる。
・忙しいビジネスマンなどを目にすることが少ないため、気分的に楽。
図書館のメリットは、こんなところでしょうか。
一日中読書していて頭が疲れたなと感じる時もありました。
そんな日は早めに切り上げて、別のことをしました。
図書館通いは休職中の私の中心的な日課となったので、自分の調子を測る上でも有効でした。
次回以降、ほかに休職中の私がやっていたことをご紹介していきたいと思います。
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