『六人の噓つきな大学生』感想

※ネタバレ注意!本稿で犯人が誰かは明かしませんが、本の内容について少しばかり触れていきます。※

こんにちは。

この数日で、noteの使い方についていろいろ調べてみました。
ヘッダーだったりアイコンだったり、設定できるものだけでもやってみたのですが、如何でしょうか?
ちゃんとオリジナリティを出そう、と思ったはいいものの、凝りだすと大変ですね…

・『六人の嘘つきな大学生』

さて、以前から「本を読もう」と宣言していた通り、1冊の本を読み初めまして、つい先日なんとか読み終えました。
それにしても、読書スピードの遅さよ…小学生の頃より衰えている気がします。活字が全然頭に入ってこない。

『六人の嘘つきな大学生』。
先日投稿した際にも触れましたが、「ほんタメ」というYouTubeチャンネルで紹介されていたのをきっかけに読み始めました。

【就活】をテーマにしたミステリ小説です。結構珍しいのかな?
途中精神的に苦しいところもありましたが、なんとか最後まで読み切ることができました。
簡単なあらすじはこんな感じです。

成長著しいIT企業「スピラリンクス」が初めて行う新卒採用。
最終選考に残った六人の就活生に与えられた課題は、一カ月後までにチームを作り上げ、ディスカッションをするというものだった。
全員で内定を得るため、波多野祥吾は五人の学生と交流を深めていくが、本番直前に課題の変更が通達される。それは、「六人の中から一人の内定者を決める」こと。
仲間だったはずの六人は、ひとつの席を奪い合うライバルになった。内定を賭けた議論が進む中、六通の封筒が発見される。
個人名が書かれた封筒を空けると「●●は人殺し」だという告発文が入っていた。彼ら六人の嘘と罪とは。そして「犯人」の目的とは――。

『教室が、ひとりになるまで』でミステリ界の話題をさらった浅倉秋成が仕掛ける、究極の心理戦。

読み終えたばかりの感想としては、「これは【ミステリ小説】というより【青春小説】では?」でした。

「就活時期」というのは、「大人と子供の中間の時期」。
だからこそ、精神的に不安定な部分や人として青い部分があります。
小説の登場人物たちもそうです。
若気の至り、なんて言葉がありますが、「自分は何でもできる!何者にもなれる!」と思い込んでいた自身の若い頃とも重なって、就活生特有の必死さ(と若干の痛々しさ)に、少し胸が苦しくなりました。

就活というテーマも秀逸ですね。
就職活動って、緊迫した雰囲気というか、なにか雲をつかむような漠然とした不安、ありましたよね。
何をもってすれば人事に評価してもらえるのか。
身だしなみ?仕草?言葉遣い?声のトーン?目線?
すべて完ぺきにこなしてからでないと、スタートラインにも立てないんじゃないか。
就活生が感じる不安をこれでもかと描きつつ、この小説では、「評価する側」の不安も描かれているんですよね。
「就活」ってなんだ?「人を評価する」ってなんだ?
ひいては、「自分の価値」ってなんだ?
なんだか、考えるだけでそわそわしてしまいますが、しっかりそのあたりに対する登場人物たちの考え、思いも描かれております。

タイトルからは騙し合いだらけのライアーゲーム的なものを想像しますが(実際に緊迫した心理戦も起きますが)、読了感としてはドロドロとしたものではなく、意外と爽やか。
すっきりと後味が良く、余韻が心地よい小説でした。

以下、小項目に分けて、感じたことを書いていこうと思います。

・犯人・動機について

ミステリ小説を読むにあたって、犯人は誰か?というのも想像しながら読み進めました。
結果から言うと、ヒントとなる伏線が揃った段階で、誰が犯人か?は見破ることができました。(勿論、読み進める度に犯人候補は二転三転しましたが笑)
パスワードについても、これだろうな、と思うものが正解でした。

ただ動機については…なるほど、これも若さ所以か、と感じるものになっています。
本の中でとある人物が言っていましたが、「平常時には思いついても行動できない犯行」であり、まさに就活という人生の混乱期だからこそ起きた、若さゆえの動機、という感じで、だいぶ尖り散らかしています。好みが分かれるかもですね。

・アリバイについて

グループディスカッションにおいて、とある犯行に対し時間帯が絞られていき、その時間帯のアリバイ有無で、事件の犯人を確定させる流れになっていきます。
が、正直ちょっと強引では?と感じてしまいました。仮にその時間帯にアリバイがなくても、自分以外の人間を使う等、かなり反証の余地はあったように感じました。

・終盤の伏線

とある登場人物の描写が最初から伏線になっていたのですが、ここは全然気が付きませんでした。しかも割とヒントが多かった。
大筋に関わる訳ではありませんでしたが、小さな違和感をきれいに補正する美しい伏線だと思いました。

・タイトルについて

正直、滅茶苦茶いやらしいタイトルですね(笑)
確かに、登場する六人の大学生は皆「嘘つき」ではありました。
ただ、同時に「正直者」でもあったように思います。
結局、「噓つき」というのも勝手な「評価」でしかないのでしょうね。

感想としてはこんなところでしょうか。
なんだかうまく書けているか自信がないですね。
正直、かなり乱文かと思います。なかなか思っていることを言語化するのは難しいです。
これからも頑張って続けていこうと思います。

ありがとうございました。


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