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【原理原則リスト】#H1. Focus理論

正直な話、ぼくはよく日雇い労働者になりたいと思う。
そうすればせめて朝眼をさませばその日1日を過ごす目当てがあり、
1つの欲求、1つの希望がもてるからね。

ゲーテ:若きヴェルテルの悩み

原理原則リストの#H1は、Focus理論である。
Focus理論は、論理的思考をとる人間の思考傾向の1つを示す。
臨床思考過程において、同じ患者について考えても、自分の着眼箇所、他人の着眼箇所は違っていて、しかも個人内においても、その瞬間瞬間に移ろう。
その背景となる理論こそ、Focus理論に他ならない。
僕たちはある物事について考えると、他の物事に盲目になってしまう。
Focus理論は、ひとの持つそのような思考傾向について説明する理論だ。
早速、今回のFocus理論に焦点を当てていこう。

● Focus理論とは?

・着眼箇所によって,意識と無意識の配置が異なってくる
・着眼した部分(目的)は、意識下に置かれ、表象される
・目的の各構成要素や,目的に収束する仕組みは無意識下におかれる
・目的とは関係ない部分は、重要度の高い情報でない限り盲目(ノイズ)となる。

✅ Focus理論の存在を示唆するEvidence:ゴリラ実験

・「白い服を着た人々が何回バスケットボールをパスしたか数えてください」と言われ、動画を視聴させられる(以下YouTube参照)
・なんと、半数以上がゴリラの存在に気づかない‼️
・人間の注意は目的を向けた箇所以外は無視しやすいことが示唆
📕Simons et al. Perception 28.9 (1999): 1059-1074. >>> doi.

● Focus理論とLCTとの関わり

・ロジックツリーの中における1箇所の着眼箇所が明らかになる
 例. 歩行能力低下を認めている
・ Chunk-up/down, Slide outの考えでその1箇所を明確に移動する
 例. Chunk-downして,その原因を把握したい
・Focusを複数ずらして考えることで焦点合成、重層的、立体的に患者を理解できる
 例. 歩行能力低下の原因は膝伸展筋力低下や下肢感覚鈍麻が原因かもしれない

✅ 焦点合成とは?
・焦点合成または多焦点合成とは、複数の画像をデジタル画像処理によって合成し、擬似的に深い被写界深度を得る技術のこと。
・臨床思考過程においても、Focus理論によれば、その瞬間に焦点を当てることができるのは、ロジックツリーで示される患者の全体像のごく一次元の一項目に過ぎない
・しかし、その断片的な一項目をつなぎ合わせることで、患者の全体像を重曹的、立体的に理解できると思われる
・その考え方を、焦点合成と呼ぶ

● Focus理論を理解することの強み

・Focusが、思考のどこかの1箇所にあることを知れる
・その上で、Focusをどこに、どう動かすべきかを検討できる
・自分の思考を説明したり,他者の思考を導く方法の基盤となる

😊 Super Human's Voice

同じ現実を見ているようでいて、実は全然違った世界に生きている。
野球の試合を見て、投手を見る人もいれば、スコアボードを見る人がいるように。
いっぺんに全部を見ることはできない。
だが、整理された順々の着眼は可能だ。
その各々の景色を重ね合わせれば、似た世界を生きることができるかもしれない。
少なくとも、ロジクリ思考において、このFocus理論を知ることは必須事項である。

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