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スパムメールは「怪しい」のが王道

カタコトのスパムメール

朝からこんなメールを受信したので晒します。

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一見してスパムとわかりますね。目的はフィッシング詐欺でしょうか。

タイトルからしておかしいんですよね。

重要な連絡なら転送メールを示す「Fwd:」が付いているはずはなく、メッセージ内にはユーザー名が記載されているはずです。

極めつけは「すぐに情報データを更新してください」「2x24時間以内に修理されていない場合、支払いを完了できていないため、システムは自動的にサービスを切断します」という怪文書レベルの日本語。

僕が知る限り、こんな文章が公式メールとして許されるのはガラケー時代のソフトバンクだけです。

怪文書の目的

スパムメールの怪しいニヨン語(外形の似た別の字と混同したり、カタコト喋りのような文体)って、けっこう面白いから見てしまうんですよね。

でも、別に長時間読ませることがニヨン語の目的ではないんです。
別にメールを読まれただけでは詐欺師も儲かりませんからね。


目的はズバリ「カタコトのニヨン語に騙されるバカ」を掘り出すことにあります。

掘り出される金鉱《バカ》

バカとはどのレベルかというと、まず最悪カタコトであることがわかりません。誤字とかあっても元の字を知らないから問題なし。


いやそんなやつ文盲だからかえって詐欺にかかりにくいんじゃない? と思うかもしれない。

そんなレベルのバカだって村上春樹を読めるし、ジャンプに感想ハガキ送るし、Twitterで論争するし、借金してプペルのチケット買うんです。

騙されやすいのは「リテラシーがない人」ではなく「自分はリテラシーがあると思い込んでるバカ」なんですよ。


では「カタコトのニヨン語に騙されるバカ」だけで詐欺師が稼げるかというと、もう一声欲しいわけですね。

オレオレ詐欺でいうところの「騙された振りをして論破してやろうとする老人」が該当します。

スパムメールやフィッシング詐欺でいうと「こいつらの手口を暴いてやるぜ」的なノリで余計な場所をクリックするパターンです。
「苦情・お問い合わせ」とか書いてあると本当にクリックしてしまうんです。
なんでそんなことしたのか訊くと「公式サイトから連絡先とか調べてやろうと思った」とかいうんですよ。どう考えても詐欺師より頭悪い。


僕だったらもっと親切にやりますね。

メール自体を入れ子構造にして、枠外に「警視庁サイバー犯罪対策課からのお願い」とか書きます。
「最近悪質な偽メールが大量に送付され、詐欺被害が多発しています。詐欺と思われるメールを発見した方はこちらから通報してください→【通報】」みたいなメッセージを載せておけば、みんな喜び勇んでクリックしてくれると思います。
そのリンク先に個人情報を入力させたら大成功です。
積極的に動くバカの住所氏名電話番号職業がゲットできます。

バカは生き方

ここまで読んで、「あー人生1回はこういう騙され方するかもなー」程度に思った人はけっこう騙されないもんです。

「いやいや、てか私そんなレベル低い頭脳してない的な? 詐欺とか逆に騙し返すし?」と思ってる人は本当に素晴らしいカモです。これからも詐欺に貢いで生きていってください。

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↑いやクリックしないでしょ。

対策は大まかにいえば、理解を深めるということです。
詐欺や暴漢のような犯罪者はどう考えているか、こちらがどう考えることを想定しているか。
相手はエネルギーを「知」に大きく割り振っています。
こちらも知を養うほかありません。

犯罪者の食い物にされるバカでい続けるかどうか、それは持って生まれた才能ではなく、生き方で決まります。

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