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あの頃イオンの家具は宇宙人がつくっていた。(あるいは家具を使い捨てすることについて)

今日は家具のクオリティや寿命について思うところを書こうと思います。あ、陰謀論かと思いました?
タイトルがね、そんな感じですよね。
でも実際宇宙人も関係してるんですよ(真顔)。

まず前半は、大学の時に一人暮らしをスタートさせた頃のエピソード。後半は安い家具を使い捨てにすることについて。

イオンの新生活セットと共に暮らす

遠い昔、遥か銀河系の彼方で、私が大学進学に伴い一人暮らしを始めることになり、私の母親はイオンの新生活セット(家具、家電両方)を買うことにしました。何故なら母親がざっと調べた結果、イオンの新生活セットがどの新生活セットよりも安かったからです。
ここに私の意見は反映されていません。何故なら我が家では金を出さない人間に発言権など一切なく、金を出す側の言うことには絶対に逆らえないからです。

さて、六畳ほどの狭い部屋で一人暮らしをはじめてから、私はあることに気づきました。

イオンの新生活セットの家具は宇宙人によって作られていると。

ばれたか…

その理由は以下の3つです。

①素材が木ではない
家具の素材は恐ろしく安っぽい白木のシートが貼られ、その中身は不安になるほど軽い「何か(something)」であり、本物の木ではありませんでした。宇宙人が地球の家具を観察し、自分たちの星にある素材を、見た目だけ精一杯木に擬態させたに違いない。遊星からの物体Xのように…私はそう確信しました。
(注:おそらく素材はプリント紙が貼られたMDFもしくはパーティクル・ボードだったと思う。木材の繊維や破片から出来ているから、木ではないとは言い切れないが、本物の木だと胸を張って言えるかも微妙。つまり何を言いたいかと言うと、宇宙人だけでなく地球人もこの木なのか木じゃないのかよくわからない素材を好んで使うということ)

②人間が実用することを想定していない
セットに含まれていたチェストは、一番上段を引き出したまま手を離すと、チェストそのものが前に倒れてきました。それで何回か、ものがチェストの下敷きになり破壊されました。宇宙人は形を何とか人間の家具に近づけたものの、人間がどう使うのかを想定していなかったため、チェストの重心がおかしくなっていたのです。

③人間の体を傷つける
これらの家具は面取りなどされておらず、角の部分が異様に尖っていて、この切れ味鋭い角のせいで何度か足を擦りむきました(部屋が狭かったのも多分関係している)。
宇宙人は、きっと人間の肌がどれだけ柔らかく傷付きやすいか理解していなかったと思われます。このことから、彼らの肌はおそらくかなり硬いと推察できます。

リドリー・スコットのエイリアン的な?

ここでちょっとフォローをいれときます。これら宇宙人が作った家具は、イオンが新生活セットを販売した初年度の製品だったと思います。現在の新生活セットの家具のクオリティがどのようなものかはわかりません。とりあえずイオンは今でも新生活セットは販売しているようですが、特設ホームページはもう時期的に見られないし、きっと店舗にも置いていないと思う。
ただ、私の頃はとてもひどくて、一人暮らしをしている友人達の家にあったニトリの家具が高級品に見えるくらいだった。それだけ言わせて下さい。

私はこの家具達と共に6年を過ごし、その後就職して引っ越した時に今後使わないであろう一部の家具を捨て(ベッドとデスク)、そのうち地球人の家具を新調しようと思いながら仕事に忙殺され、今の夫と同居するにあたり残りの宇宙人の家具を全て処分しました。
その時の心境と言ったら、STARWARSエピソード1でアナキン坊やがポッドレースで優勝したときのように晴れやかでした。

ヤッピ―!!

そして捨てるとき、こんな質の悪い家具よくこれだけもったよなー、とちょっと誇らしかった。

今思えば異常。捨てることを嬉しく思う家具と、かなり長い時間を共にしてきたってことですからね。その期間、私は自分の部屋が大嫌いで、部屋にいると惨めな気分でした。


家具を使い捨てすること

大学生だった当時、私の周りで一人暮らしをしている友人達には、大学時代の数年は安い家具を使い捨てにするのが「賢い」のだという認識があったように思う。

何故なら大学を卒業したらUターン就職で実家に戻るかもしれない。そうしたら新しく買った家具は無駄になる。就職後一人暮らしを続けるとしても、家具全てを引っ越し先に持っていくとなると引っ越し費用がかなりかかってしまう(春の引っ越し代は本当にバカにならない)。だから大学を卒業したら、家具の大部分は処分してしまうのが良いのだと。
私も引っ越しの時母親から「こんな高い引っ越し代を、あんな安い粗悪品の移動のために使うべきではない」と説教された。その安物の家具を買った本人から、家具を捨てろと命令されるのはとても妙な気分だった。

この考えも今から考えると異常。こういう考えが正当化されたから、宇宙人の家具が登場したんでしょうね。そしてそれら宇宙人の家具を廃棄するたびに、地球の環境が悪くなると。

勿論、家具を揃えるのはお金がかかり、家庭によって経済状況は様々。大学卒業後の未来も不確か。
でもやっぱり家具を捨てることが正当化されて、組み立てたその時点で既にゴミ、みたいな家具が流通するという状況がすごく嫌。少なくとも、私の子どもには自分のいた状況を経験させたくない。

高級品を買い与えることはないと思うけど、価格とクオリティのバランスのとれたものを買いたい。実用するのが困難だったり、人の体を傷つける家具など論外。そしてできれば、高い引っ越し代を払ってでも一緒に持っていきたくなるような家具を一緒に選びたい(これはその時の経済状態によるし、本人が家具に興味ないかもしれないけど、少なくとも自分の部屋にいるとき、私のように惨めな気持ちになって欲しくない)。
そうでなければ、どうせ安い家具だから、と使い捨てにするサイクルがエンドレスに続いてしまいます。

と言いつつ、子供の家具ですでに使い捨て候補のものがあるんですけどね(この偽善者!!)。
それは、おもちゃ棚。

今までにも何回か登場してるやつ

でもね!あの、ちょっと聞いて!!48秒だけ早口で言い訳させて欲しい。これは成長に合わせて形が変えられるもので、できるだけ長く使えるようにと思ってこれにしたの。

かたちを変える前

右のように、箱が斜めになって中が見えるようになっていた方が小さい子どもはおもちゃを取り出しやすいし、左のような、表紙が見えるようになっている絵本棚もそう。出すだけでなく片付けしやすいというのも重要。
でもある程度大きくなったら今のかたちでも大丈夫だし、今のかたちの方が収納力は増える。本当によく考えられた家具だと思います。

でも素材が想像以上に安っぽくて長く使えるかはわからない。素材がもう少し良くて形が変えられるものが理想だったけど、見つからなかった…そしておもちゃ棚(正確に言うとランドセルラックだけど)という存在がどれだけの期間必要なのかわからない。ランドセルラックだから、小学校卒業までは使いたいところだけど…

最初はおもちゃ棚じゃなくて、組み合わせ自由のボックスタイプの家具のほうが長く使えるのでは?と思ったけど、一歳の子供にはやっぱりおもちゃ棚のほうが使いやすそうだった。というわけでこれを買った次第です。

あと、さすがに宇宙人の家具ほどはひどくない!!

ちなみにボックスタイプの家具とはこういうもの↓まあいわゆるカラーボックスですね。

(言い訳おわり)

子供の家具は本当に難しいな。
身体がどんどん成長していくし、雑に扱うかもしれないし、そのうち好みだって出てくるだろうし。この記事にも書いたけど。

でも出来るだけ長く使ってみせるから!!

とりあえず来年は近所のイオンに行って、新生活セットの現状をこの目で確かめてこよう。

それではこの辺で。






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