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超個人的・インテリアが必見の映画

今回は前回の続きと言いますか、前回よりもより分かりやすく、インテリアを楽しめる映画だと納得してもらえそうな映画(回りくどい言い方だね)を5つ簡単に紹介していきます。だからタイトルの超が1個減りました。でもあくまでサクッとした紹介です。基本的な情報も無視。紹介というか最早只のメモ書き。

前回の記事はこちら↓最初の方にある注意&豆知識は今回とだいたい共通かなぁ??


ヴァージン・スーサイズ (1999年)

昔買ったフォトブック

ソフィア・コッポラ監督デビュー作。十代の頃、原作の小説の大ファンだったのですが映画の方は……まぁデビュー作ですからね(フォローになってない)。でも原作のむせかえるような女子感がよく表現されていると思います。ソフィア・コッポラはガーリーな雰囲気を作るのが上手いですよね。いかにもアメリカの十代の女の子の部屋という雰囲気に憧れたものでした。今では良い歳なので響くかどうかは微妙。


アメリ (2001年)

超×3定番おしゃれフランス映画。主人公のアメリというコミュ障(あくまでフランス流。日本のコミュ障とは違う)の女の子の部屋が、壁を含め赤を基調としていて、実際に再現すると狂い死にしそうな色合いですが、濃厚な独特の雰囲気があります。アメリ以外の登場人物の部屋も個性的。ちなみにアメリの部屋に使われているアートはミヒャエル・ゾーヴァというドイツの画家のものですが、我が家にもポストカードを飾っています。

 画集も持ってます。


音声解説でジャン=ピエール・ジュネ監督が「主人公はただのカフェのウェイトレスの割りに趣味が良い部屋に住んでいるよね。いったいどこにそんな金があるのか…」と他人事のように突っ込んでいたのが面白かった。


ザ・ロイヤル・テネンバウムズ (2001年)

ウェス・アンダーソン監督作品の中で、日本で公開された一作目。ウェス・アンダーソンも超×10おしゃれな作品を撮ることで有名で、最近はもう「ウェス・アンダーソンが好き」というものなら「あぁ、おしゃれなビジュアルだけで映画見るタイプ?」と思われる気がして言いづらい…と思う私は自意識過剰でしょうか。
全部おしゃれな監督作品の中で、この作品がインテリアのデザイン、本編共に一番好きです。ウェス・アンダーソンは後半にいくほど段々とデザインが様式化されていく感じがするのですが、この作品ではまだ生身の人間の生活感があって良し。
ウェス・アンダーソンの映画のビジュアルは、どこか非現実的な感じがします。シュールな夢の中に出てくるような空間と言いますか…ドールハウスを覗いているような感覚もあります。監督は左右対称の空間を多用していますが、そういう人工的なところがそう思わせるのでしょうか。この映画は音声解説がとてもおすすめ。


ドリーマーズ (2003年)

こちらは知名度があまりないかもしれませんが、ベルナルド・ベルトリッチ監督作品です。監督の名前でもしかしたらピンと来る方もいるかもしれませんが、性的描写のてんこ盛りです(R-18指定)。観賞する時は一緒に見ても気まずくならない相手、もしくは一人で見ることをオススメします。
主なシーンは1960年代のパリのアパルトマンを舞台に展開します。このアパルトマンは、ドアやら壁やら家具やらがまるで自ら呼吸をしているような印象です。それらが只者ではない洒落た空気を吐き出し続け、その呼気がぶつかって混ざりあい、その濃厚な空気にすっかりあてられて超ハイセンスなアヘン窟にいる気分になります。意味不明でしょう。でも割りとうまく説明できている気がする。
こういうビジュアルのせいで、日本人はパリ症候群になってしまうのですかね…(アメリも責任あるかもね)


シザーハンズ (1990年)

若き日のジョニー・デップがハサミ男・エドワードを演じているティム・バートン監督作品。バートンお得意の不気味かっこいいハサミ男と、パステルカラーで構成された、お気楽な雰囲気のアメリカ郊外の住宅地のコントラストが楽しい。住宅の室内はおそらく当時のアメリカの典型的な装飾なのですが(特に壁の装飾。輸入ヴィンテージ家具店でそっくりなのを見たことがある)、どこか現実感がなくて、カラースキームからしてリカちゃん人形のおうちのような印象もあります。個人的にはエドワードが居候するうちの長男の子供部屋(ちょこっとしか映りませんが)が好きです。初めてウォーターベッドの存在を知ったのもこの映画がきっかけ。


さて、今回はこの5作品で終わりにしようと思います。でも書こうと思ったらいくらでも書けそうですね。美術に凝った映画は他にもたくさんありますし。ただ、記事を書きながらやっぱり自分は現実離れした世界よりも、程よく地に足がついたセットデザインが好きなのだなと実感しました。
 でも生活感がある方が好きと言いつつ、現実感のなさに惹かれていたりしてちょっと矛盾してるような…?
そういえばアメリの監督が音声解説で主人公の部屋のインテリアについて触れたあと、「映画は夢の工場だからね。何でもありなんだ」と言っていました。いくら生活感を醸していても、やっぱり映画は「夢の世界」ですよね。監督のビジョンを具体化しつつ、私たちを夢の世界に引き込むプロダクションデザイナーに改めて敬意を。

前回、今回の記事は書くのが本当に楽しかったです!もし両方読んでくださった方がいたら、ありがとうございました。

それではまた。





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