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「トヨタ自動車の株主総会招集通知を読んで」

 昨日5/31(火)トヨタ自動車の株主総会招集通知が届いて、先ほど通読した感想を記しておきたい。
 3つの点で今後引き続き期待したいとの念が湧いた。一つは自己認識の深さである。歴史視点に立つとき、社稷性のある組織の継続発展性に不可欠なものは、何があっても失わずに保持していく自己の認識に他ならないと思う。その点で冒頭に二頁にわたり、そのいの一番に根幹となる自己認識が今の言葉、新しい時代に向けた言葉として書かれ、最も株主に伝えたいものとして提示されていた。これは経営の見識の高さを物語るものであると思う。
 二つ目は、グローバルリーダーとしての矜持である。事業報告は通常数字の羅列感が漂うものだが、そうではなく具体的で、地に足を付けた事業、製品の中身と今後に向けた方針の中にその自信と矜持が力強く語られているように思えた。電動化戦略を全方位で進めることが本当に正解なのかは難しいところであることは間違いないが、グローバルリーダーとしてはやらざるを得ないなのだろう。この先、この点についてはトヨタの発信情報に敏感に接していく必要があるとは思ったが、その他は心配を感じるものはなく、安心と期待を感じさせるものであった。
 三つ目は、危機管理意識の高さである。トヨタとて実際不祥事がないわけではなかった。もちろんそういう後ろ向きのものも含めてであるが、全体に危機管理意識の高さが、そのズウタイが大きいがゆえに神経を隅々にまで行き届かせるということは並大抵ではないことを自認し、その上で経営を進めていこうとしていると思われる文脈全体に顕れている。
 私個人として今後も期待できそうだと改めて感じた次第である。
 またもっと大きな意味では、トヨタの行く末は日本経済と直結しているという点でやはり目が離せない、筆頭の会社であろうと思う。

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