高校教員時代の部活動 運動部編 ー教育現場②ー

こんにちは😀

今日は前回に続き運動部編を紹介します。

私が新卒してまもなく卓球部に配置されましたが、地獄のような文化部に対して、卓球部は比較的にまともな部活でした。

その卓球部は、女子の数が非常に少なく、男子と練習しないと数が合わず、最初の頃は男女ともに部活動をしていました。女子卓球部の副顧問でしたが、実質、男子も副顧問をしていました。

まず、最初に問題がありました。上司と主将のやり方が気に入らない2年生の反勢力が多くいました。その上司は怒らせるといけないことはみんな周知していましたので、主将に文句を言う生徒が多くいました。

私は年齢も若く、どういう勢力図になっているのかわからず、反勢力の考えを鵜呑みにしてしまっていました。あくまで上司と生徒の間にいるお兄ちゃん的存在として存在していました。そして、私1人の場合は好き勝手に動く生徒もいたため、何度も注意をしていました。そして上司が来ると空気が一変し、真面目(?)にやり始めていました。

しかし、ある時、上司がいない練習の中で、反勢力が練習を不真面目にやり始め、私も注意したが、コントロールができず、主将も困りに困っていました。反勢力はいつも私に「練習は真面目にやってます!強くなりたいです!」と言っていたのに、言動と行動が一致していない状況でした。
さらに仕舞いには、1年生の1人が私のところにやってきて、「明日休みます!」と言いました。「なんか理由があるの?」と聞いたら、「彼女とUSJに行きます!」と答えてきました。私の中から何かプツンとキレました。「彼女がいる」という嫉妬ではありません。「こいつら全員懲らしめないといけない」と思いました。

この現状とその生徒の発言をすぐに上司に言いました。上司は笑いながらキレていました。「よし!じゃあ俺も家族とUSJに行ってあいつらを探してやるわ。」と言ってどこか楽しげな怒りの感情を爆発させていました。部活全体の処置についてはまた後日にするといい、その日はその後すぐに練習を終え、次の日の練習もOFFになりました。

「やると言ったからにやる」という信条に従ってその上司は本当に家族と一緒にUSJに行き家族と一緒にその生徒と彼女を探し回りながら家族サービスを楽しんできました(お土産はもらえませんでした🥺)。

結局見つからなかったそうですが、休み時間にその生徒たち(どうやらダブルデートだったらしい)を呼び出し、ブチギレ説教。生徒は深く反省。

部活動では緊急部内会議。「お前らはおかしい!言動と行動が一致してない!やる気のある奴だけ残れ。後は知らん。やめるならやめろ。」と言い、反勢力は次々に退部届けを出し、その上司を信じる生徒のみが残りました。

そこからは非常に指導しやすくなり、女子も1年生1人だけが残る形になりました。私もできる限り毎日部活に行って生徒たちと汗を流しました。

そしてその1年目は終わり、2年目を迎えました。

男子に新1年生が8人ほど?入ってきました。しかし、輪を乱す生徒が多く、2年生は真面目でも、1年生は部活に参加しなかったり、指示に従わない連中が多くいました。

女子はというと、経験者が2人、初心者が1人が入ってくれました。計4人、真面目に練習に参加してよく頑張ってくれました。

しかし、男子と女子の合同スタイルは継続していたため、輪を乱す部内恋愛と付き合いが裏で起こっていました。

私はそれをすぐに察知して上司に相談し、お互いが去年と同じようにならないようにと注意しながら監視しました。

特に男子の方は非常にタチが悪い人間であったため、しばしば女子は困り果てていました。

よく生徒からその相談を受けていました。上司や担任と相談して対策と監視を続けていました。2年生女子は昨年の事を知っていたため、後輩にその時と同じことが起こらないように、みんなと仲良くしてくれていました。私は初めて彼女を女子主将として「頼りになるようになったなあ」と思いました。いつの間にか、その4人は「家族」になっており、2年生女子を「お姉ちゃん」というあだ名で親しまれるようになりました。(私はおじさんと言われていましたw)

卓球の実力も上がっていき、3年目にして、1年生初心者が1人加入し、団体戦で地区予選を突破して、県大会にまで駒を進められました。女子主将は嬉し泣きしていました。県大会は残念なことに1回戦で敗退し、彼女の最後の卓球は終わりを迎えました。そこでもみんな泣いてました。でもみんなよく頑張ってくれたと思いました。彼女たちの時間をたくさんとってから、女子たちを最後の最後のお祝いとして、近くの31アイスに行き、好きなだけ奢りました。私自身もこの頃が1番楽しかったです。

その後、私は裏で転勤の準備を進めながら、3年生の主将がいない部活動をしました。しかし、3年生主将との思い出が強かったのと、部内恋愛で全員が引き摺り回され、女子1人が退部、新主将も地区予選を余裕で突破できる強さを持っていたのに関わらず、燃え尽き症候群?のようなもので12月に辞めてしまいました。

なんとか2人だけ残ったので練習を和気藹々と続けて、私のその学校での最後の仕事である、大会の引率に行き、彼女たちに別れを告げました。彼女たちは部活動続けたものの、新2年生になった初心者だった子は、2人での部活動が1人になった後に幽霊部員となっていきました。最終的にみんないなくなりました。

私自身も指導不足がありました。私自身、部活動というものが私生活に圧迫しており、3週連続出勤なんかも普通にあり、体を休める機会も、自分を磨き上げる時間もなく、さらに管理職からのとんでもない一言が飛んだことにより、私は学校を去る決意を固めてしまうことになりました。

しかし、1番の原因は、部内恋愛でのイザコザを私自身が止められなかったことで部内の方針が定まらなくなってしまったことにあります。

今、この出来事を客観的に見れることができますが、思うことは「組織の中に必ず1人は輪を乱そうとするものがいる。」ということです。それは人間の妬み、反抗心、無気力などのマイナス要因が原因となり、組織が組織として機能しなくなることになります。今回の例で言うなら、部内恋愛の問題となった男子が女子の部活動をかき乱したことにあります。

現に、もう卒業から何年も経っていますが、その時の5人のメンバーは相変わらず「家族」として会う機会があるみたいです。私もそこに昨年お邪魔をして一緒に美味しいご飯とお酒を楽しみました。彼女らの仲はとても良好でなんでも語り合える素晴らしい関係だなとうるっと感動しました。

私はこの時になって初めて思ったのは、部活動は生徒らにこういう関係性を持たせることができるのが一番素敵なものかなと思いました。

今はもう現場に戻る気持ちは微塵にも残っていません。しかし、組織を束ねることがある際は、輪を乱すものを正すことが、リーダーとして最も必要なことだと思います。パワハラ問題もこの部活の件も全く同じことです。

今これを見られている方がどのような人たちかは想像はできません。でも組織はそのマイナス要因を弾き出せるほど結束の強いものであれば、彼女たちが実現した「家族」という心温まる関係性が出来上がると思います。それが幸せの形の一つだと思います。

青春はいいものです。しかし、青春はいつ訪れてもいいものには変わりません。結婚式に呼ばれること、葬式に呼ばれること、そうなると初めてその人との関係を結べたことに後悔の念を覚えることはなく、むしろ、自分を信じてくれる人がしっかりそこにいるんだ、という事を嬉しく思えるといいなあと思います。

何もかも当たり前に存在してくれるのではなく、1人でも信頼してくれる人がいるだけで、それだけでもいいじゃないですか?友好関係は狭くても広くてもどうだっていいです。どれだけ深くお互いが信頼しあえるか、それに尽きると思います。

ここまで読んでいただきありがとうございました。

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