屋根裏のラジャ 感想

見甲斐のある映画だった。興行が奮ってないと聞いたので、スタジオポノックの、そして宮崎駿が作ったジブリを受け継ぐ本家の終焉という気がして足を運んだ。

見る前。なんかキャラクターが子供っぽいし、いい歳の大人が観に行きづらいな。実際、いまパンフレット買うか悩んでるのも子供っぽいと思われないかっていう想い(逃げる理由)があったり、なかったり。

観た感想、多くの人に見てほしい。音がいいから映画館で見てほしい。それに、大人にこそ刺さる言葉の力や🎬があるので、映画館の暗闇の中で涙を流してほしい(2回泣きました)。

そして、ジブリファンにこそ見てほしい!
「君たちはどう生きるか」を観た人は見ないと勿体無い。これは宮崎駿との決別と、スタジオポノック消滅まで見据えてのメッセージなのではと感じた。

以下ネタバレを含む感想
映画を観た人に読んでもらいたい内容です


テーマがしっかりとしている。
大人にこそ刺さる言葉の力があるし、展開も重め。
見たくないシチュエーションが続く、それはイマジナリは現実には勝てないというテーマとも重なっている。

映像がすごい。アニメという嘘の、現実じゃないデザインなのに、変にリアリティがある。冒頭の雨から鳥肌が立っていた。
なにか従来と違う作り方をしたと事前に読んでたけど製造技術の凄さ・面白さを感じた。

ジブリのエッセンス、ちゃんと感じた!
バウンティは、(スタジオに来た若いアニメーターの)才能を食べてしまう宮崎駿で間違いないでしょう!
あと長崎の出島のシーンは「千と千尋の神隠し」っぽかったし、ラストの海のシーンは「崖の上のポニョ」とか、あとは「天空の城ラピュタ」みもどこか感じた。割れてる崖は、「君たちはどう生きるか」の世界が崩れてくシーンにも見える(スタジオポノックは、君たち〜の製作にも関わっているので意識してる可能性はアリ)。
キャラクターも世界の見せ方もジブリっぽさは感じなかったのだがラストになって気付く。気持ち悪いおじさんが小学生と対決する、この構図は「天空の城ラピュタ」と同じ!
物語の舞台が現実だから違和感があっただけだ。果たして、バウンティは実在の人物だったのか妄想の住人かという疑問は残るが、彼は現実に負けて消滅した、ということに意味がある気がする。

ポリコレへの配慮。新しいお友達の設定、を使った予想外の展開だった。また少年が女の子になるっていう自由さ。そもそも舞台も日本っぽさも感じさせる(ビールの名前、スーパーマーケットの外観、街もロータリーとかではニュータウンっぽさがあった)外国だし、多様な人種が出てくるという点も…ネット放映を見越して、海外のファンに見てもらうことを意識して作られたのかな。

強いていうなら、最初の冒険に出てきた牛丸、毛の生えた雪の巨人、ジョジョのピストルズみたいな小人達も昔は誰かのイマジナリだった訳なので、それが図書館とかにいたら良かったのになーって思う。(見逃してたのかもしれないけど、1回目で気付けなかったのが印象薄いって感じがする)


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ほかのこと。

グッズ展開。個性的な、デザインが好みのイマジナリが出てきたから、冷蔵庫にはるマグネットとかあったらいいのになーって思った。

プニョプーニョのネーミングセンスは子供っぽくて好き

⭐️前作「メアリと魔女の花」の感想はこちら

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