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初めて一緒に食べた朝ごはん


#私の朝ごはん  というタグを見て、
彼と初めて一緒にご飯を食べた日のことを思い出した。

彼とは出会った時からずっと遠距離なので、
ごはんを一緒に食べたことは数えられるほどしかないのだ。


その中でも、初めて一緒に食べた朝ごはんをよく覚えているのは、
初めてだったから、ということもあるけれど、

目を覚ました彼が
「ごはん用意するから、テレビ見てゆっくりしてて」
と言ってきたことに驚いたからだと思う。


我が家は家事分担という概念がほぼ皆無なくらい
家事担当が母に偏っていたので、

子どものころから、
朝ごはんは母が作ってくれるもので、

そのうち朝一番早く目覚めるようになった私が
家族全員分のコーヒーを入れていると母が起きてきて、
分担しながら朝ごはんの支度をするのが日課になっていった。

そんなわけで、誰かに用意してもらう朝ごはん、って感覚をしばらく忘れてたのだ。


とりあえず言われた通りにテレビでも見るか、と
なんだか落ち着かない気持ちでリビングのソファに腰かけて、テレビをつける。

とはいえスペイン語一色なので当然理解できるわけでもなく、早々にNetflixに切り替え。

FRIENDSを見始めたら面白くて、
そのうち落ち着かない気持ちなんてすっかり忘れてどっかり座ってた。我ながら適応力…。


そのうちトースターがポンッ、と音を立てる。
部屋に漂い始めるコーヒーの良い香り。

さすがに運ぶのは手伝うよ、と声を掛けたら
渡されたのは空のコーヒーカップ2個。
完全なる戦力外じゃないか。


テーブルに並ぶ、
トーストにコーヒー、チーズにヨーグルト。

一見なんでもない朝ごはんだけど、
朝起きてボーっとしてたらごはんができてる…!という感動と、

数か月画面越しに見てきた人が目の前にいて、一緒に食卓を囲んでいる状況がやけに現実味がなくて、だからかなんだか可笑しくて。

今でもその妙なくすぐったさとともに、思い出すのだ。


今年中には、またその時みたいに
食卓を一緒に囲める日が来るかな。

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