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漫画みたいな毎日。「子どもたちは、自分に必要なものを取捨選択できる。」

明らかに以前とは、「物」への視点が変わってきていると感じる。

子どもたちと暮らしていると、大人の感覚だけで暮らすのは難しい。その事も、視点が変化した要因のひとつかもしれない。

まだ、子どもたちが居ない生活をしていたころは、「子どもが産まれたら、おもちゃは、木の玩具だけで統一したい!」と思っていた時期もあった。玩具だけではなく、自分の好きな絵本を子どもが好きになってくれたらいいなと思ったこともあった。

しかし、現実にはそうはならなかった。

子どもたちは、木の素敵な玩具に目もくれない事もあったし、私の好きな絵本とは違う絵本を本屋や図書館で選んだ。

私は、そのことに違和感を覚えることもなく、子どもたちの姿を見て思った。

「そりゃ、あたりまえだよね。私とあなたたちは、違う人間だもんねぇ。」

子どもたちが持つ自分とは違う感覚を味わえることは、楽しさでもあった。

さらに、子どもたちが大きくなってくると、興味は広がり、どこからか情報を得てくる。子どもたちは、世界に様々な物が存在することを知るのだ。

プラスチックの玩具も、キラキラした子ども用のアクセサリーも、たくさんの絵本も、この世界には存在している。

それを大人の一存で、排除することはできない。

それらは、この世界に存在しているのだから。

プラスチックは環境負荷を考えたり、化学物質過敏症の方であれば、身体への負担がかかることもあり、好ましくない場合もあるだろう。

しかし、レゴブロックなどは、とても優れていると思われるし、世代を超えて、長く使うことができる玩具だと思う。100円ショップの品物も、使い方により、DIYや子どもたちの工作にも大きく貢献してくれる。

段ボールや包装容器、ラッピング用品も、捨てたいと思っていても、「それ取って置いて!」「工作に使うから!」と言われたら、捨てることは出来ない。使い道のなさそうな中途半端な紐も、子どもたちの手にかかれば、おままごとのラーメンやパスタになったり、魚釣りの糸になったりする。

「子どもたちと一緒に暮らすということは、そういうことだよね。」

今の私は、そう思っている。

我が家の子どもたち、3人居たら3人それぞれ、お金や物への関わり方が違う。年齢もあるだろうが、大事なものを整理してしまい込む子、全部、見えるところに置いておくと安心な子、とりあえず、自分のスペースにしまっておけばよいと思う子。どんなに小さくても、物やお金への姿勢は、人それぞれだ。


子どもたちの物で部屋が溢れかえり、片付かなくて、イライラすることも多々ある。「これ、ぜ〜んぶ捨てられたら、スッキリするだろうなぁ〜。」と思ったことは、一度や二度ではない。

しかし、子どもたちにとって大事なものを勝手に処分することはできない。それは、信頼関係を損なう事だと思うからだ。

あまりにも散らかり過ぎて、子どもたちではどうにも収集がつかなくなることも、時にはある。

そういう場合には、必ず、「これは捨ててもいいのかな?」「もう使わない?」と確認し、子どもたちと一緒に片付けをすることにしている。

片付けに関して思うのは、人には、使わないけれど、今は捨てたくないという時もあるということだ。

そんな時は、〈とりあえず箱〉を用意し、そこに入れてもらい、一時的にストックルームにしまう。

数ヶ月後、その箱を開けると、「あ、これ、もう捨てていいよ。使わないから。なんでこれ、とってあったんだろう?」という声が子どもたちから聞こえてくる。

勝手に処分するのではなく、〈自分で捨てると決める〉、この過程が必要なのだと思っている。

自分て、何が必要で、何がそうでないのかを決めること。

子どもたち自身で〈今の自分に必要な物〉を取捨選択していく。

大人から見たら、明らかに「え?これってとっておくの?!」と思うようなお菓子の箱も、段ボールの端切れも、〈今は必要な物〉なのだ。

自分を振り返っても、子どもの頃に大事にしていた物がたくさんある。キラキラしたシールだったり、ケーキの箱だったり、拾った石だったり。大事にしていたはずなのに、今はどれも手元に無い。

子どもたちも、きっと、その時々で取捨選択し、自分の必要なものを選び取っていくのだと思う。

「使わないなら捨ててもいいんじゃない?」
「片付けて〜!」
「そんなに散らかさないで〜」
「それって無駄遣いじゃないの?」

そんな風に言いたくなる心をできるだけ抑え、長いスパンで、子どもたちと物やお金との付き合い方をとらえていく余裕が、大人の方に必要なのだと感じている。

物やお金をツールとして、自分のやりたいことに十分に活かせるようになるには、自分で決めて使う、という経験の積み重ねをしていくしかないのだろうと思う。

子どもたちは、自分で物やお金との付き合い方を学んでいるのだから。

大人は自分の経験から色々言いたくなるのだが、そこは、ぐっと我慢だ。

親である、大人である私ができることは、子どもたちの邪魔をしないことだけなのだから。


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