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漫画みたいな毎日。「もう、今日は何もできない。」

昨日に続き、昨夜も雪が振り続けていた。風も強く、時々窓の外を除く雪が舞い上げられていて視界不良だ。

昨日の庭の積雪。屋根からの雪が窓に迫っている。


今日は、夫が遠距離の仕事に出かける日。

夫は、昨夜から道路状況を念入りに調べていた。いつも使っている道路は既に通行止め。遠回りして行くしかなさそうだとのこと。

朝、起きて家の前の雪の状況を夫と確認すると車を出すにも雪を除けなくてはならない位に積もっている。

夫は、自分だけで雪かきするからいいよ、というものの、それなりの量の積雪だ。しかも、気温が高く湿気を含んだ雪は重たいので、簡単に跳ね上げることはできない。道路状況で渋滞の可能性もある。少しでも、早く出掛けたほうが何かと安心だろう。

私は6時過ぎから夫と雪かきすべく、外へ出た。子どもたちはまだ布団の中だ。

外に出ると、まだ暗く、街灯のあかりが雪に反射し、辺りを照らしてくれていた。

雪かき作業は、一人より二人の方が断然早く、身体への負担も少ない。そして、なにより、まだ暗い中での一人での雪かき作業は、気持ちがしんどいと、私なら思うだろう。

「行ってらっしゃい。」

車が出られる程度に雪を除け、夫を無事に見送り、一度家に入る。

〈行ってらっしゃい〉とは〈行って+いらっしゃい〉、行って無事に帰ってきてね、という意味が込められていると知ったときから、見送るときには、そのことを思い出す。

間もなく日が登る。子どものたちの目覚めや活動の時間は、野生動物の様に、太陽の動きと連動している気がする。冬の朝は、のんびりだ。

バスの時間に合わせて、長男は、トランペットのレッスンに出掛けた。家に残った私、二男、末娘は、外に出て残りの雪かき作業開始だ。

この2日間でかなりの積雪量となり、除雪車の除雪作業によって、道路の端に寄せられた雪は、低めの壁のようになっている。

そして、雪は、圧雪され、硬く重くなる。

雪を運ぶ時に活躍するのは、「スノーダンプ」だ。通称〈ママさんダンプ〉と言われるもので、これで、庭などに運び込むのだ。


女性でも楽に運べる道具だから、と、この様に名前がついたのだと思う。このネーミングは、わかりやすいのだが、なんとなく、「保育士さんだから、いいお嫁さんになる」と勘違いされることに似ている気がするのは私だけだろうか。

ママさんダンプという名の由来は?
昔は冬に出稼ぎに行く男性が多く、雪かきは女性の仕事だった。しかし、スノーダンプの多くは鉄製やアルミ製でできているために重く、力があまりない女性やお年寄りなどには扱いにくいというデメリットがあった。そこで、ニラサワ製販株式会社から登場したのが、プラスチック製のスノーダンプだ。プラスチック製のものは金属製よりも軽量のため、力の弱い女性でも比較的扱いやすい。このように、女性でも扱いやすいスノーダンプであることから、「ママさんダンプ」と呼ばれるようになったとされている。
パパさんダンプとママさんダンプの違いは?
パパさんダンプとママさんダンプの違いは取っ手の長さにある。女性のために作られたママさんダンプは取っ手が短い。持つ位置が低くなるため、背が高い男性だと使いにくいと感じるケースがある。パパさんダンプは取っ手が長めなで、背が高い男性でも中腰になる心配がない。

「オリーブオイルをひとまわし/料理や家事の知識で暮らしを豊かにるすメディア」より

確かに、プラスチック製のママさんダンプは、アルミ製よりも軽く、扱いやすい。

子どもたちでも、ある程度の量の雪を軽々と運ぶことができるのだ。開発してくれたニラサワ製販株式会社の方に感謝したい。

ママさんダンプという呼び名については、やっぱりどうかと思ってしまう。〈キッズダンプ〉でも、〈おばあちゃんダンプ〉でもいいのにと。いっそのこと、〈らくらくダンプ〉とかであれば、性別も年齢も関係なくなるかもしれない。私のネーミングセンスは別として、そんな事を考えていた。

何にしても、この軽さのおかげで、作業が格段に楽なのは事実だ。

今、我が家の除雪作業区域は、基本的には、「自分の家の前」+「庭の部分」+「隣の空き地の前」の3区画の道路である。ある程度の広さを確保しないと、車がすれ違えなくなってしまう。

お年寄りも多い地域であるので、緊急時のことも考え、できるだけ、道路を広くしておこうと夫と話している。

年末に子どもたちがお世話になっている近所の年配のご夫婦の奥さんが骨折で入院していまい、やや認知症が進んでいた旦那さんは、施設への短期入所となったとのことだ。

ご夫婦には二人の娘さんが同じ市内に住んでいらしゃるが、お仕事と日々の家事、それに加えて、お母さんの病院やお父さん施設への行き来。それだけでも、やりくりが大変ろうと思う。

今まで、こちらのご夫婦は、いつでも綺麗に家の前を除雪作業していた。我が家の方まで旦那さんが除雪機で除雪してくださることもあった。

我が家の周囲はお年寄りの多い地域だ。それぞれ自宅の雪除けだけでも、かなりの負担になっている方も多いと思う。そんな中では、他の家の除雪までは難しいだろう。

そこで、出来る時は、我が家で除雪をしようという事にしたのだ。そのような理由で、現在の除雪作業は、合計4区画分なのだ。

一昨日、昨日の大雪で、どの家の前も雪がこんもりと積もっている。見ただけでも気が遠くなる。

いつもであれば、長男がかなりの戦力なのだが、今日は、トランペットのレッスンで不在だ。二男もかなりの戦力になってきているが、疲れと飽きが来たら、あっさりと作業を中断する。それは、それで、いい。末娘は小さいながら、ママさんダンプを押して雪を運んでくれる。しかし、なんせ小さい。

頑張れ、私。

開始したのは、9時半。二男が、トランペットのレッスンを終えて帰宅したのは、12時過ぎだっただろうか。自宅と庭の部分は除雪を終え、年配のご夫婦のお宅の雪かきを半分位まで終えた時だった。

「家の前、もう終わったの?!」

「うん、あとここだけ~」

「・・・お母さん、お父さんより体力あるんじゃないの?」

と長男が笑い出した。

・・・なんだか嬉しくない。

しかし、流石に重たい雪を運びつつけて電池切れを起こしたので、「あとは、明日にしよう!終わり~!」と子どもたちに声を掛け、除雪道具を片付け、家に入り時計を見ると、13時だった。

3時間半、雪かきしていたらしい。それは、電池も切れるはずだ。家に入り、汗だくになった服を着替え、温かい床暖の上にごろんとした。

至福。

「もう、今日は、なんにもできないかも~。」とつぶやくと、

子どもたちが、「いいよ、なんにもしなくて~。」と口々に言う。

「あ、漫画読む以外は、なんにもできないかも~。」と言い直すと、

「漫画は、読めるんだね。」と笑われた。

ゴロゴロしながら、私のマンガ交換トモダチ(長男の生き物友達17歳女子)に借りた〈ゴールデン・カムイ〉を読む。

至福。

さて、そろそろ、夕飯の支度をしよう。

湿気で冷えたから、カレーうどんを作ろう。

今日も、佳き一日だ。


学校に行かない選択をしたこどもたちのさらなる選択肢のため&サポートしてくれた方も私たちも、めぐりめぐって、お互いが幸せになる遣い方したいと思います!