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漫画みたいな毎日。「誕生日おめでとう。そして、ありがとう。」

今日は、長男の誕生日。
遠く離れた沖縄で13歳になった。

彼が産まれた時、関東では桜が満開だった。
しかし、北海道では毎年、まだまだ雪が残る誕生日となる。
その違いが不思議な気持ちを呼び起こすことが未だにある。

お留守番組の二男と末娘の、近所の大きな公園で自転車に乗りたいとのリクエストにより、車に自転車を積み、公園へと向かう。

普段、なかなか自分からリクエストをしない二男のしたいことをできる限り優先したいと思った、長男の誕生日。
ちょっと可笑しな気もしたが、それもいいなと思う。誕生日の長男からの、二男へのプレゼントだ。

「大きな公園で自転車に乗ったら、次に大きな本屋さんに行きたい。」

二男は恐竜が好きなので、恐竜研究の最新事情を気にしている。図鑑が新しくなったかを確認したいとのこと。

新年度の準備で筆記用具を選ぶ人たちで溢れていたが、児童書のコーナーも、生物学のコーナーも比較的空いており、二男はゆっくりと二つのコーナーを行き来していた。その間、末娘のリクエストにより、絵本を読みながら待っていた。

本屋さんに来るのは久々だ。私も絵本が好きなので、新しい絵本、昔ながらの絵本、家にある絵本、それぞれを眺め、今度はどの本を子どもたちは選ぶだろう?自分の手元に置きたいと感じる絵本との出逢いがあるだろうか、と棚を眺める。

そして目に止まったのが、谷川俊太郎さんの詩、岡本よしろうさんの絵の絵本、「生きる」だ。

「生きる」こちらの詩を知ってはいたが、今日、あらためて読み返し、長男のこれまでの育ちに思いを馳せた。

「生きる」 谷川俊太郎

生きているということ
いま生きているということ
それはのどがかわくということ
木もれ陽がまぶしいということ
ふっと或るメロディを思い出すということ
くしゃみすること
あなたと手をつなぐこと

生きているということ
いま生きているということ
それはミニスカート
それはプラネタリウム
それはヨハン・シュトラウス
それはピカソ
それはアルプス
すべての美しいものに出会うということ
そして
かくされた悪を注意深くこばむこと

生きているということ
いま生きているということ
泣けるということ
笑えるということ
怒れるということ
自由ということ

生きているということ
いま生きているということ
いま遠くで犬が吠えるということ
いま地球が廻っているということ
いまどこかで産声があがるということ
いまどこかで兵士が傷つくということ
いまぶらんこがゆれているということ
いまいまが過ぎてゆくこと

生きているということ
いま生きているということ
鳥ははばたくということ
海はとどろくということ
かたつむりははうということ
人は愛するということ
あなたの手のぬくみ
いのちということ

小さな掌に感動し、くしゃみをしただけで、風邪をひいたのではと気を揉んだ日が懐かしい。

そんな彼も今では、陽の光を身体中に浴び、
機嫌よく口笛を吹き、
自然を愛するひとになった。

美しさと出逢い、自由を手に、
隠された矛盾を見抜く力をつけた。

笑って
怒って
泣いて
よく食べ、よく眠る。

いのちの塊。

あなたの小さな手の温もりを忘れることはないだろう。

すっかり大きくなった掌で、自分の未来を掴み取ることを、信じて疑わない。

あなたに出逢えたことに感謝する日。

私を母にしてくれてありがとう。

お誕生日おめでとう。


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