オンナはハプニング・タイミング・フィーリングで恋と地獄に陥る #国際女性デー
こんにちは、トキワです(@etokiwa999)。
Clubhouseを利用していた時、以下のRoomをリスナーとして参加してたんですよ。
Roomの中ではダメ男相手の「キュンキュンエピソード」が繰り広げられ、「キュンキュンするよね~!」と盛り上がっていました。
どうやらハプニングとタイミングとフィーリングが完璧だと恋に落ちるようですが、これを聞いていて本当に呆れていました。
なぜならそうやってダメ男への恋を入口に貧困に落ちていく女性がたくさんいるからです。
元々私自身、シングルマザー&貧困の家庭で育ちまして、ダメ男が父親だったわけです。(こうはなるまい、と今まで反面教師にして頑張ってきました。)
というわけで今回は #国際女性デー ということで「女性の貧困」をデータとともに見ていきたいと思います!
3組に1人が離婚、その理由とは
仮にハプニング・タイミング・フィーリングで恋に落ちて結婚したとしましょう。しかしその結果、かなり多い割合で離婚します。
人口動態統計によれば、2019年の婚姻件数は59万9007件で、離婚件数は20万8496件。離婚件数が婚姻件数の約3分の1となっています(厚生労働省 人口動態統計)。
ではなぜそんなに多くの人たちが離婚をするのでしょうか?
男女ともに1位は「性格が合わない」なのですが、女性視点では生活費渡さない、精神的虐待、暴力、異性関係が続きます。
男性からすれば「性格が合わないだけ」の問題が、女性から見れば「性格」では済まされないレベルなのです。(参照)
ハプニング・タイミング・フィーリングで恋して結婚した結果、こんなにひどい被害に遭うわけです。
よくここで「離婚せず我慢しろ」という批判がきますが、たとえ男性視点でも女性から毎日のように暴力と暴言をあびせられたら我慢できるのでしょうか?
うつ病などの精神病になる可能性もありますし、一時的に我慢しても子育てが落ち着いたタイミングで熟年離婚になることも十分にあり得ます。
そして熟年離婚になれば男性側は家事が不得意で浪費をし、貧困になる「下流老人」になりやすくもなります。(参照:下流老人)
離婚の半分が子持ちで、母親に親権がわたる
さて、では離婚のうち何件が子持ちなのでしょうか。2019年は20万8496件のうち11万8664件が子持ちでした(参照:人口動態統計)。つまり約半数です。
そして、異性関係に問題があったり、暴力や暴言をあびせる父親ではなく、子持ち離婚の約8割で母親に親権が渡ります。(参照:人口動態統計)
このようにして毎年毎年、母子家庭・シングルマザーが大量生産されます。その結果現在、母子家庭は123万世帯も存在します(参照:全国ひとり親世帯等調査)。
さらに、この母子家庭の経済状況がなかなかにえぐいです。母子家庭の平均年収はなんと243万円という低さです(参照:全国ひとり親世帯等調査)。
母子家庭の半分は非正規雇用でもあります。(非正規でも最低限の稼ぎが得られればいいのですが)また、離婚した相手から約半分が養育費を受け取ったことがないという問題もあります。
父子家庭も含めた「ひとり親世帯」の相対的貧困率は脅威の約50%です(参照:OECD 2014 Family databace “Child Poverty”)。
結婚した人を100人とすると、以下のような計算になります。これはあくまで年間の話であって、年々積み重なって増えていきます。さて、結婚してみて初めて分かった相手の問題から、このような状況に陥るのですが、果たして「自己責任」なのでしょうか?
シングルマザーでも短時間で多く稼げればいいけども
シングルマザーになることは悪いことではありません。
たしかに男がダメじゃなければ幸せな人生があったかもしれませんが、現実はそうじゃなかったから割り切るしかありません。
問題なのは稼げないことなのです。ではなぜ稼げないのでしょうか?
まず所得は学歴と関係があります(参照)。高所得な仕事で比較的、高校卒よりも大学卒の人を採りやすいのです。
次に男女で大学進学率に差が出ます。4年制大学での進学率では男性のほうが多いのですが、短大を含めた大学進学率では女性のほうが多いのです。
なぜかというと地方に4年制大学が少なく(短大が多く)、地方から都会に女性が進学するには一人暮らしをする必要があり、その一人暮らしの費用が女性の場合高くなってしまうのです(以下参照)。
その証拠に年々、親から子どもへの仕送り額が減っています(参照)。家計に余裕がない状態で子どもを大学に通わせるのはとても大変です。
大学の学費も上がっているし、奨学金(というより学生ローン)の利用も増えています。奨学金を利用して大学卒になったとしても、毎月数万円の奨学金の返済をしなければいけません。
このようにして低学歴もしくは大学卒でも奨学金返済を抱えて、ハプニング・タイミング・フィーリングでシングルマザーになってしまいます。
それは親が住んでる地域や親の所得次第なのです。果たしてそれは自己責任なのでしょうか?
シングルマザーでも支援制度が充実していればいいけども
自力で稼げないなら制度を利用するしかありません。そこで生活保護という制度がありますが、一番のこの制度の問題は生活保護を受けれる水準にあるのに生活保護を受けてない人が多いことです。
その割合を捕捉率といいますが、その捕捉率はなんと約20%です(参照)。
なぜこんなに低いのか?もちろん生活保護の受け方がわからないとか、受けることが恥ずかしいとか、そんな理由もありますが、一方で申請にいっても自治体側が追い返して拒否するのです。
これは水際作戦として有名ですが、法的には違法です。違法なことが普通に行われているのです(参照)。
公的な制度としては国民皆保険も同じです。でも国民皆保険は拒否などされません。制度が利用できないのは自己責任でしょうか?
なぜDVや不倫をする「ダメ男」が存在するのか?
そもそも離婚の原因として挙がるような暴力や不倫を行う男性はなぜ存在するのでしょうか?
これは脳科学と遺伝学によって説明できます。
まず暴力や暴言についてですが、これは相手の痛みに共感ができればそもそもできません。これらを行えるのは共感能力が低いためです。
共感能力は脳の扁桃体などが機能するかどうかに依存します。そしてこの扁桃体は幼少期の虐待や、さらに広義の「マルトリートメント(不適切な養育)」によって傷つけられるのです。
マルトリートメントには様々なことが当てはまりますが、例えば「子どもが心配でいちいち口出ししてしまうこと(過干渉)」や「子どもの意見を聞かずに親が勝手に決めてしまうこと」などです(参照:友田明美著)。
ちなみに扁桃体の活動が弱く共感能力が低い人をサイコパスと呼びます(参照:中野信子著「サイコパス」)。
サイコパスの人は不倫・浮気に対しても積極的なことがサイコパス診断テストによって分かっています(参照)。
また、不倫は遺伝子レベルで行いやすいことも分かっており、アルギニン・バソプレシン(AVP)という物質に関連する遺伝子が影響しています(参照)。
離婚しなくてもダメ夫によってワンオペ育児が生み出される
じゃあそもそも離婚しなければいいのか?とも思うかもしれません。
しかしなんとワンオペは全体の4割の女性が経験していることがミキハウスの調査で分かっています(参照)。準シングルマザー状態です。
なぜワンオペになるのでしょうか?カラダノートの調査によると約7割が夫が仕事などで家にいないことが挙げられています(参照)。面倒で帰らない夫もいるかもしれませんが、長時間労働も一部影響しているのでしょう。
なぜ長時間労働が発生するのでしょうか。もちろんそういった日本人としての性格や企業文化もあるのかもしれませんが、それ以上に生産性の問題が大きいでしょう。
生産性とはできるだけ少ない時間でたくさん稼ぐ(価値を出す)ことです。少ない時間でたくさん稼げる企業に就職・転職する必要があるのです。
以下は公益財団法人 日本生産性本部が公開している産業別の労働生産性です(参照)。不動産、電気・ガス・水道、情報通信などが上位にきています。
これらの企業に全員が就職できるわけではありません。枠が決まっていて人気な場合は努力が必要です。
しかし努力には「自分ならできるかもしれない」という自己肯定感が必要ですが、この自己肯定感も上記マルトリートメントによって下がってしまうのです。
自己肯定感がない状態で努力ができず、そして就職するための学歴もスキルも上がらないという状態なのです。親のマルトリートメントによって自己肯定感が決まるならこれは自己責任でしょうか?
なぜダメ男にキュンキュンしてしまうのか?
そもそも女性がダメ男にキュンキュン惚れなければいいかもしれません。
しかしこのダメ男にサイコパスが当てはまることを上記で紹介しましたが、サイコパスの特徴として口がうまくて魅力的というのがあります。実際にサイコパス男性が女性にとって魅力的であるという研究もありました(参照)。
しかもサイコパスの多い職業トップ10には経営者や弁護士、芸能人、外科医などがランクインし、収入も高くさらに魅力的に見えるのです(参照)。
男性側だけではなく女性側にも原因があるかもしれません。
恋愛をしているときドーパミンが放出されます。このドーパミンの処理能力は遺伝的に決まる部分もあり、処理能力が低いと「恋愛体質」になるのです(参照:友田明美著)。いわゆる依存症と同じ状態です。
虐待やマルトリートメントによってサイコパス男性が生まれ、遺伝的にハプニング・タイミング・フィーリングで恋愛体質になる。さてこれは自己責任でしょうか?
子どもにとってはいい迷惑
ここまでどのようにしてシングルマザーやワンオペが生まれるかを構造や環境から説明してきました。
本人たちが幸せならそれでいいのかもしれませんが、一方で遺伝をうけつぎ、マルトリートメントをうけ、再度自分が将来その状態に陥ってしまうと考えると、子どもにとっては本当に迷惑ですし、私自身がそうでした。
こういった構造や環境によって悪者が生まれたり貧困が連鎖することを拙著「悪者図鑑」にさらに詳細に書きましたので、もしよろしければご一読ください!
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