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クライアントからSun*へ入社したCTOsインタビューー答え合わせの機会が多くあるからこそ新しい挑戦ができる

Sun*の中でも数々の新規事業創出に取り組んできたのが、テックチームのリーダー的存在であるCTOsのメンバーです。

重要なプロジェクトの中心を担い、これまで多くのプロジェクトの成功に導いてきた金子 穂積さんと斎藤 幸士さんは、「クライアントから入社」という共通点を持っています。

もとはクライアントとしてSun*と関わり、一緒に仕事をしていたからこそ見えるSun*の「魅力」や「やりがい」についてお二人に伺いました。


当時からベトナムは「日本人のエンジニア気質」を持っていた

── まずお二人の簡単な紹介をお願いします。Sun*入社前の関わり方を教えてください。

金子:当時は代表と僕含め3人ほどのエンジニアがいるスタートアップで働いていました。そこで開発したデモがVCの目に留まり、資金調達できて、日本人の優秀なエンジニアを採用しようと考えていた時期だったんですが、いざ採用しようとしてもなかなか難しかった。

いろんな採用媒体を使い、3ヶ月間くらい頑張っても思ったような成果が出なかったんです。そこから、海外のオフショア開発に着目するようになり、中国やインドなどの候補先が挙がる中で、ベトナムも良さそうという話から、Ruby on Railsを推していたFramgia(Sun*の前身)に相談しようと決めて。その頃、ユーザベースの経済情報プラットフォーム「SPEEDA」を手がけたという事例が載っていて、僕らも同じようなダッシュボードの開発を視野に入れていたことから、この会社にお願いするとマッチするかもと考えてコンタクトを取ったのがキッカケですね。

Sun*に参画してからはCTOsの一員として、事業の立ち上げからエンジニアチームの拡大、助っ人CTOとしてクライアントのエンジニア組織の組成などを経験し、現在はPMの教育にも携わっています。

斎藤:私はもともと 情報通信系の研究所で、プログラマーとして勤務していました。その後、自分でスタートアップを立ち上げたもののうまくいかず、「新規事業の立ち上げをやるから手伝ってほしい」と誘われてBtoBマーケのベンチャーに入社しました。

そこでSun*と仕事を通して繋がりができたんですが、そもそもなぜSun*に発注したかと言うと、自分でスタートアップをやっていた時の同僚が起点になっています。その頃、新卒のエンジニアがいたんですが、彼が「海外で働きたい」という理由でスタートアップを辞め、その後しばらくしてベトナムで働いていることに気づいて。実はそれがSun*のベトナム拠点だったんですね。

私がBtoBマーケのベンチャーへ入社する前に、フリーランスをやっていた時期があるんですけど、自分一人では対応できないくらい、仕事の話をいただくようになったので、今だったら、絶対に受けてもらえない2週間で50万円くらいの開発案件を彼のところに依頼したんです。

私自身、オフショア開発に抱くイメージは「言われたことを作る」というものでしたが、依頼先だったSun*のメンバーは、スタートアップで働く日本人のエンジニアみたいな気質を持っていて。新しい技術を積極的に取り入れようとしているし、「オフショアのチームを持ってみたい」と思うようになりました。

こうした背景から「Framgia(Sun*)で開発チームを作らせてくれ」と入社前から社長に了承を得た状態で、BtoBマーケのベンチャーに入社したんです。なので、関わり方で言えば、金子さんのように比較検討して選んだというよりも、元同僚がいるSun*に、一度プロジェクトを頼んだ経験があって、その流れで一緒に仕事するようになったのが経緯になっています。

── お二人ともSun*での肩書きが「CTOs」となっていますが、CTOsの役割と具体的な業務内容を教えていただけますか。

金子:Sun*はクライアントワークが主なので、特定の技術に偏ることが出来ないということと、CTO経験者が複数いるとう状況を鑑みて、特定のCTOを置くのではなく、CTOの観点を持つチームとして活動している組織です。このような肩書きのメンバーが10名ほどいますね。役割と具体的な業務内容は、特に明文化されてはいないのですが、一般的にCTOが必要だと思われる、経営的な戦略面のサポートから、開発の技術選定や設計、組織設計〜育成など、技術や組織に関してなんでも対応する役割かなと思っています。

「人探しをせず、すぐにやりたいことを実行に移せる」のがSun*の強み

── Sun*とクライアントとして付き合って入社されたわけですが、そう言った視点を持っているお二人からすると、Sun*はどのように映るのでしょうか?

金子:昔と今では組織体制や規模も変わっていますが、当初から変わっていないのは「エンジニアがたくさんいる会社」ということ。エンジニアマインドを持っているというか、ベトナムのエンジニアと関わりながら仕事をするとすごく面白そうだなと思って。あまり海外の人と働いたことはなかったんですが、ベトナム人は真面目さや職人気質を持っていて、丁寧に仕事をこなしていく姿は、日本人の気質ととても似ている部分があるとずっと感じていました。そこが魅力的に映ったところですね。

翻ってSun*の強みになっているのは「人探しをせず、すぐに実行に移せる」こと。人を集めることって、労力もかかるし、なかなか採用できないし、本当に大変なんですよ。でもSun*の場合は、プロジェクトを始めるとなった際に、エンジニア以外にもデザイナーやビジネスデザイナーなどが加わってきて、チームが充実していく。つまり、リソース探しをせずに自然と「やりたいことができる」ようになっていくのが、Sun*ならではのことだと思うんです。

職種も専門性も違う個性豊かなメンバーが集まって、プロジェクトを進めていくわけですが、すごく真面目でロジカルに物事を考えて仕事に取り組んでいる印象があります。かといって、血が通っていないわけではなく、みんな熱いハートを持っている。年齢の差も関係なく「人として頼れる」ようなメンバーが圧倒的に多いのがSun*の特徴だと言えるでしょう。

斎藤:当時から持っていた印象として、ベトナムで働くSun*のエンジニアはスタートアップマインドを持っていて、かつ技術レベルも高い優秀な人が多いということでした。あとは実際に私がベトナムに行ってわかったのは「雰囲気も素晴らしい」ということでした。

よく周りに話すのが「学校みたい」ということ。みんな楽しそうに仕事に対して全力投球していて。仕事の局面においては炎上など、ハードシングスみたいなこともあるわけですけど、そんなときでも変わらずに仕事を楽しんでいて、和気あいあいとしている姿が印象的でした。

また、これはベトナムの国民性なのかもしれませんが、「助け合いの文化」が根付いていると思っていて。みんながエース級のエンジニアに頼るし、頼られたエンジニアはしっかりとそのサポートをする。それが当たり前にいろんなところで行われているんですよ。

あとは何よりも“暴力的なリソース”があること。エンジニアがたくさんいることは、当時からとても魅力的に感じていましたね。その頃のエピソードがあって、ある日当時の社長から「ベロシティを2倍にしてほしい」と言われて少し戸惑ったんですが、よく考えれば潤沢なリソースがあるなと。ベトナムのエンジニアにラインを1つ追加してもらい、実際にベロシティを増やすトライをしてみたんです。

いきなり生産量を2倍にするのは、かなり難しいことだと思いますが、ベトナムにチームを持っていたからこそ、ベロシティを2倍にすることが実現できたわけで、そういう打ち手があること自体、本当にすごいことだと感じていました。

ただ、フェーズによっては利益優先に考え、ベトナムの開発をストップするという意思決定も必要になることもある。でも、これがもしプロパーなら不可能なんですよ。もちろん、Sun*にとってはポジティブなことではないかもしれませんが、クライアントにとってはリソースの調整をフレキシブルにできるのはすごくありがたいことでした。

私がSun*に入社して、あらためてベトナム側の組織体制を見てみると、「組織的にクオリティコントロールと向き合い、テコ入れを図っている」と思っています。クライアントの立場でSun*と関わっていた頃は、開発のスピードを優先し、とにかく機能追加を行っていたことで、技術負債の蓄積もされていたことが、唯一の課題だと感じていました。それが今では解消されて、エンタープライズの仕事もこなせるくらい、しっかりと仕組み化されているのを実感しています。

“学校”のような「雰囲気」と助け合いの「文化」を持つベトナムチーム

── 学校のような和気あいあいとした雰囲気を守りつつ、仕事のクオリティが上がっているのはすごいことですよね。

斎藤:人事視点で「こういうポジションの人が必要」というのを起案し、実際に1000名を超えるエンジニア組織の中で人材抜擢して、プロジェクトに当て込んでいくPSM(プロジェクトサクセスマネージャー)というポジションが新設されたことで、クオリティコントロールが可能になったんです。今まではブリッジSEが兼業で見ていたところを、PSMがPM的な役割を担うようになったことで分業化が進み、ブリッジSEがプロダクトに集中できるようになったのが大きい。こういった組織変更を、人事が起点となって実施したのはすごいと感じています。

金子:プロジェクトを小さく始め、大きくやっていくなかで安定してきたら収束させて、リソースを最適化していく。このような調整をSun*では柔軟にできるのが特徴ですし、クライアントからも「まずはとりあえず相談してみる」という雰囲気があって。これは私がSun*に入って、クライアントとやりとりしていても感じるところで、「多少、無茶なことをお願いしても受け止めてくれそう」という安心感を抱いてくれている。そういう関係値が作れていると感じています。

ある案件では、最初の段階では「スタートアップを立ち上げたはいいものの、エンジニアがいない」という状況で、事業計画から作っていったのは今でも覚えていますね。とりあえず相談を受けて、実際にクライアントと並走しながら、試行錯誤を重ねて形にしていった案件でした。

── ベトナムメンバーのエンジニアマインドや仕事に対するモチベーションは、Sun*を支える原動力になっていると感じています。

金子:実はベトナム最大級の技術情報の投稿サイト「Viblo」を運営していて、ベトナムでITエンジニアをやっている人であれば、Vibloの記事を読んで最新情報をキャッチアップするのが一般的になっています。そして、ベトナムに限らず英語圏からの記事の投稿もあるのですが、ベトナムからの投稿が主流なので、Sun*としても、優秀な記事を投稿するエンジニアがいれば、コンタクトをとって採用に繋げられるように試みているんですね。

斎藤:ベトナムのITエンジニアで「Viblo」を知らない人はいないくらい、サービス自体が認知されているので、Sun*にとってのエンジニア採用に与える影響はかなり大きい。これは今でも思うことですけど、ベトナムのメンバーはとにかく手が早いんですよ。なんでもすぐにやってみる精神が旺盛だと感じています。

例えば、私が初めてベトナムに行った際、昼にローカルスイーツの「チェー(Chè)」やコーヒーを注文していたんですが、それらを注文するシステムを勝手に作っていたりとか、ChatworkがAPIを解放した瞬間にCHAT++(LINEスタンプ)みたいものを開発したりとかして、エンジニアが常に新しいことにチャレンジする文化があるんです。

エンジニアにとって「答え合わせの機会がたくさんある」

── CTOsのような経験も知識も深いエンジニアがSun*に集まってくれる理由はどこにあるんでしょうか?

斎藤:元をたどれば、私や金子さん、他のCTOsも全員クライアント出身なんですよ。Sun*の人たちと働いていく中で、すごく楽しくて面白い会社だなと思う部分が、それぞれあったと思うんです。そういう意味で言うと、CTOsの前身は「フランジア応援団」という、クライアントのCTOたちがSun*をもっと盛り上げようというところから始まっているんですね。パートナー企業に優秀なエンジニアがいたら引き抜くということはよくありますが、パートナー企業に自ら飛び込むというのはすごく珍しい気がしています。

金子:本当に不思議ですよね。でも、先ほどから話しているSun*ならではの魅力があるからこそ、みんな集まってくるのではないでしょうか。

斎藤:あとは、クライアントにCTO人材が不足しているときに、野球で言うところの助っ人外国人ならぬ“助っ人CTO”という形でお手伝いするのは、サービスとして面白いですし、何よりネーミングセンスもあると感じていますね。また、個人的にSun*へ入って楽しいと思えているのは、「答え合わせをする機会がたくさんある」ということなんです。

事業会社でエンジニア組織やプロダクトを作る経験をしてきましたが、「もっとこうすれば良かった」「本当にこれで良かったのか」と思う場面がたくさんあって。転職して違う環境に身を置いても、すでに出来上がっている組織やプロダクトをドラスティックに変えていくのはなかなか難しく、新しいことに挑戦しづらいと思っていました。

その一方で、Sun*ではクライアントの新規事業の開発に関わることが多くあるため、今まで経験してきたことを試せるし、答え合わせもできる。さらに「もっとこういう風なやり方がある」という発見にもつながる。こうした要素があるからこそ、Sun*で仕事をするのがとても楽しいと感じています。

Sun*に求められているのは「ウォーターフォール」ではなく「アジャイル」

── お二人はどういう風にクライアントのエンジニアの組織体制を構築し、プロダクト開発に取り組んでいるのでしょうか。

斎藤:PAO(プロジェクトアクセラレーションオフィス)が、プロジェクトをキックオフする際のテンプレートを用意してくれています。基本的にはそれに沿って進めていくわけですが、これはすごく重要なことで。というのも、ステークホルダーをなるべくたくさん集め、プロジェクトのゴールや目指す状態を擦り合わせるのが必要不可欠だからです。

加えて、トレードオフスライダーやQCDの観点から、プロジェクトで何を大切にするのかを考えたときに、クライアントの中でも認識が揃っていないこともあります。なので、プロジェクトの認識合わせやベトナムメンバーとの顔合わせする機会の場としてキックオフを行うようにしています。

そこから、スクラム開発をやっていくわけですが、各セレモニーではクライアントの中で中核を担うメンバーにも参加してもらい、コミュニケーションの量を増やすことを心がけていますね。

金子:キックオフで実際にベトナムに来てもらい、リアルでベトナムのエンジニアチームと顔合わせし、メンバーの顔を知ってもらうことも大事ですよね。最初にそれができなかったら、リリース手前の山場で検証するタイミングなどに来てもらうよう、こちらからもクライアントに働きかけるようにしています。

そのほか、僕や斎藤さん含めてCTOsのメンバーは非常に経験豊富なので、案件の性質を把握しつつ、どういうメンバーがいればうまくいくのかというのを複数名で会話し、人選していくのを意識していますね。最初のフォーメーションを組んで、なぜこのような組織体制にしたのかをクライアントに説明し、プロジェクトを進めながら微調整していっているような状況です。

ただ、ブリッジSEがプロジェクトのハブとなるので、なるべくクライアントとブリッジSEが話せる環境を作れるように、僕が立ち回って両者のつなぎ役になるのを心がけています。

それによって、クライアントもブリッジSEやベトナムにいるエンジニアのことも理解してくれるので、より密な関係性を構築できるというわけなんです。

── 企業の大小問わずにアジャイルやスクラム開発をメインにプロジェクトを推進していくのでしょうか。

斎藤:私自身も、いろんなプロジェクトに参画していますが、面白いなと思ったのは「Sun*にウォーターフォール型の開発を求めていない」ということ。クライアント側から「アジャイル開発のいろはをインストールしてほしい」と要望をいただくことも多いんですよ。

企画から要件定義までかっちりと決めてから開発を行うよりも、アジャイル開発でまずは前に進めていく方がやりやすいですし、「アジャイル思考」の共通認識さえ持っていれば、 企業の大小問わずにプロジェクトを柔軟に進めていくことができると考えています。

ベトナムのエンジニアチームも、単に案件を請け負っているのではなく、「自分のプロダクト」という思いを持って、開発にコミットしているんですよ。こうしたSun*ならではの体制が整っているからこそ、アジャイルで回していくことで、プロジェクトの成果を最大化させられると思うんです。

Hozumi Kaneko / CTOs
大学卒業後、2000年に株式会社リキッドオーディオジャパンに入社し、EC事業部長として音楽配信プラットフォームを構築。音楽ジャーナリストとして音楽雑誌『bmr』の編集部を経た後にエンジニアに転身し、日本最大級の音楽フェスの公式アプリなど手がけた後、2015年医療系ベンチャー、リーズンホワイ株式会社CTO。2018年からSun*のCTO'sの一員に。主に助っ人CTOとして、スタートアップ企業を中心に、物流、音楽、飲食など様々な業種のMVPからサービス立ち上げ、組織構築を担当。

Koji Saito / CTOs
情報通信系研究所などでプログラマとして勤務後、スタートアップを立ち上げ。その後出資企業だったベーシックへ入社し、マーケティングオートメーションツールの開発・採用・事業推進などの分野で活躍。「ferret One」開発責任者。2007年、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)の「未踏ソフトウェア創造事業」に採択され、ビジネスシーズのプロトタイプを開発・発表した経験を持つ。2021年1月からSun*に参画し、大手企業・スタートアップの助っ人CTOとして従事。


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