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決められた色

 綺麗に染まる白

 何者にでもなれる白


 どんな色にでも、彼は自由に変わることができる

 赤、青、緑、紫に黄色と

 彼は何にでもなることができる


 透明もまた、何にでもなれる

 誰にでもなれる力を持っていた


 純粋な彼らは、どんなものにでもなれる

 そして、どんなものにでもなりやすい


 繊細な彼らは、誰かの影響を受けやすい


 それはつまり、

 「染まる」のではなく、「染められる」

 ということ


 この世界に、この社会に、人間に、親に、友人に、規則に……

 知らないうちに染められる

 知らないうちに染まってしまう……


 気付いた頃にはもう遅く

 誰にでもなれる彼らは

 決められた色に塗り替えられていた

 もう変わることのできない色へ

 もう決められてしまった色へ



 世界は自由を望むのに

 人間は束縛を望もうとする


 社会や会社は、金銭を望み富を得ようとする

 規則は人間を束縛し、出る杭を監視する



 この世界は美しく、綺麗に存在する

 それは生き物の生活範囲が小さかったから


 人間は賢く、また、ずる賢い


 生活の範囲を広げては、

 自分の好きな色に塗り替える

 自分の色に変えていく


 そうして世界は汚れていく

 どこまでも、どこまでも……


 この世界にはもう、綺麗な白、綺麗な透明は生まれない


 純粋な者が育つ前に、

 染められた彼らが染めにくるから


 ただ、

 色をたとえ変えられようとも

 自分の望まない色に変えられようとも

 その心や魂までは染められない

人を変えることはできないけれど、誰かの心に刺さるように、私はこれからも続けていきます。いつかこの道で前に進めるように。(_ _)