そして、新しい王国へ。
ひとつの時代が終わって、次のターンに、入ろうとしている。これは世の中の情勢がどうだとか、お金の動きがどうということとは関係のない、わたしの中の時空の流れの話だ。パステルピンクの玉座に座ったわたしの時代が終わって、シックなとんがり帽子をかぶったわたしが次の王政をとり仕切る。そんな感じだ。空がぐんと高くなって、風は大体冷たくて。そういう時期が来ることを、目や耳は既に知っていて、身体が先に教えてくれる。
家から徒歩5分の。大好きなカフェのお姉さんが、わたしの好きそうな個展を教えてくれた。よく「好きなものがわかりやすいね」とは言われてきたものの、それはそれはわたしの“すき”が詰まった個展で、お姉さんが淹れるミルクティーがどうしてあんなにも美味しいのかが、わかったような気がした。とにかく、ミルクの感じが全て丁度よくて、整った部屋の中でくつろいでいるような、それでいて窮屈さを感じさせない味。並外れた想像力がないと、あの味は絶対に作れない。たぶんお姉さんは、本当は西の外れからやってきた魔女で、相手の気持ちや好きなものを透視できる能力を持っているに違いない。わたしがここにきて、作品に熱を上げる姿が、彼女の目にブゥンと映ったのだろう。それにしても、この作品を見たときにわたしのことを思い出してくれたことだけで、今日はぐっすりと眠れそうだ。不特定多数としてではなく、個人として、誰かから愛されるということは、幾つになってもうれしいと感じる。
今年やりたいことが、ぼんやりと纏まりつつある。わたしは期日までに、目標を考えることがどうも苦手らしい。例えば、今の、今年の目標一つとって見ても、元旦にZOOMを介して友人と行った新年会までにはうまく形にできず、「健康に過ごす!」と人生残り60年分に共通する豊富で乗り切った。学校の課題のように、〇日までに何をする、と決まっているものは問題ない。自分で考えて、答えを出すことに期日があるとどうも上手くいかないのだ。就職活動に至っても、3年生の就活解禁日までに当然間に合わず、最初の就職を経て10ヶ月経った今、ようやく目標が定まったきたくらいだ。課題に期日があるのは仕方ないことかもしれないが、目標に本来は期限はない。それでも、わたしたちはときに、いつまでにここにたどり着くの?という疑問に追いかけられる羽目になる。もっとどっしり構えて、まだ決まっていません!って言っていいんだよ、と過去の自分に教えてあげたい。時間はかかるけど、その分自分の中にしっかりと落とし込めるものが、ちゃんと見つかるから。安心して。2021年は、現実的な仕事の面でも、自分が個人として実現したいことも、かなり詰めていく年になりそうだ。
久しぶりに、少しワクワクする。人生はいつだって、こうでなくっちゃ。
2021.01.15
すなくじら
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