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どういう本なのかをご説明しますと…

こんばんは。お立ち寄り下さり、ありがとうございます。
このnoteでは、島根県松江市のハーベスト出版から12月中旬に発売される書籍【『砂の器』と木次線】のご案内をしています。

どういう本なのかを知っていただくには、ほんとうは実際に手に取って読んでいただくのが一番なのですが、校了はほんの数日前、印刷はこれからの段階なので、そうもいきません。

お伝えするのはなかなか難しいのですが、どういう本かを簡単に説明しますと、たまたま地元で映画のロケに出くわした田舎の小学生のボウズが、それから50年くらい経って「アレってそもそもどういうことだったの?」と気になりだし、あれこれ調べたり、人に話を聞いたりして書いた本…ということになるでしょうか。

その映画とは、いうまでもなく『砂の器』です。1974(昭和49)年に松竹と橋本プロダクションが製作、公開しました。原作は松本清張、脚本を橋本忍、山田洋次が手がけ、丹波哲郎、加藤剛、緒形拳、加藤嘉ら、昭和を彩った名優たちが数多く出演しています。映画は興行的にも大成功を収め、多数の映画賞も受賞しました。DVDやブルーレイ、動画配信サービスで映画を個人で鑑賞する時代になった今もなお、不朽の名作として根強い人気を誇っています。

この映画の特色の一つが、日本列島の四季を追うように全国各地でロケを行っていることなのですが、私の地元、島根県の木次線沿線でもロケが行われました。ストーリーの鍵となる「亀嵩(かめだけ)」を舞台にしたパートです。ここで、駅のホームで別れる父子の姿を描いた胸を打つ場面が撮影されました。映画の公開後「『砂の器』といえば亀嵩」というくらい有名になり、今も多くの人が沿線のロケ地を「聖地巡礼」に訪れています。

ロケが行われたJR(当時は国鉄)木次(きすき)線は、島根県の宍道(しんじ)と広島県の備後落合を結ぶ全長81.9キロの鉄道です。山間部を走る赤字ローカル線で、今また存続が取り沙汰されようとしています。26年間運行を続けてきた人気の観光トロッコ電車「奥出雲おろち号」が老朽化を理由に廃止されることになり、つい先日、最後の運行(ラストラン)が行われて話題になったばかりです。

日本映画史に語り継がれる伝説の名シーンはいかにして生まれたのか?
そして、木次線とはそもそもどういう鉄道で、当時の沿線はどんな様子だったのか?
『砂の器』については、これまでも作り手や評論家、ファンの視点から多くのことが語られてきましたが、本書では特に「亀嵩」パートに焦点を絞って地域の視点から作品とローカル鉄道の関わりを探っています。

・・・簡単な説明といいながら、長くなってしまいました。
最後に目次をご紹介します。なんとなく内容をイメージして、興味を持っていただければ幸いです。

<目次>

はじめに
小学三年・夏の記憶 /『砂の器』という映画 /
「亀嵩」のインパクト/不朽の名作を生んだローカル線

第1章 「亀嵩」はどう描かれたのか 
映像の中の「亀嵩」/今西刑事編/本浦父子編 

第2章 1970年代の木次線と地域
なぜ駅にそば店ができたのか/木次線 激動の歩み/
「持ち直し」の時代/合理化で変わった駅の姿

第3章 なぜ「亀嵩」が舞台になったのか
松本清張と亀嵩/リアルな出雲弁の秘密/映画化までの紆余曲折

第4章 地域の記憶をつなぐ 
町にロケがやってきた/役場とエキストラ/意外なつながり/
ヤマ場となった下久野ロケ/記憶を伝える宿/見えてきたもの/その後

おわりに
映画化から五〇年の節目に/瀬戸際に立つ木次線と地域/
『砂の器』は地域の宝/感謝を込めて

主に島根県内の本屋さんに並びますが、Amazonとハーベスト出版のサイトでも予約購入が可能です。


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