語彙日記 1/8〜 冬の鶫は口を噤む

今週新しく知った語彙は少なめ。恐らく比較的時代が新しい作品ばかりを読んでいたからだと思う。太宰治や三島由紀夫を読んでいる時は、使えもしないような未知の語彙がザクザクと出てくる。

1/9(月)

・賢しら(さかしら)
利口ぶること。わかったふりをして出過ぎた振舞をすること。

中島岳志「思いがけず利他」

ふりがながないと案外どう読むのかわからなかった。彼女に問題として出してみると「かしこしら？かしこしら？」と何度も繰り返し答えていて間抜けだった。答えを知り「『小賢しい』の『さか』か！」と勝手に納得していて、僕もなるほど、と思った。

1/10(火)

・小さな政府
民間で過不足なく供給可能な財・サービスにおいて政府の関与を無くすことで、政府・行政など公組織・国営企業の規模・権限・介入を可能な限り小さくしようとする思想または政策。

中島岳志「思いがけず利他」

小・中学校の公民とかの授業で習った記憶があるだけで、具体的にどういうものかすっかり忘れていた。この言葉を聞くと、大山古墳が頭に思い浮かぶのだけどなんでだろう。学校の授業で習っていた時に日本史の資料集でも見ていたのだろうか。

大山古墳

1/11(水)

・面映ゆい(おもはゆい)
顔を合わせるのがなんとなく照れくさい、きまりの悪い気持ち。

平岡直子川柳句集「Ladies and」

相手の顔が眩すぎて直視できない感じ。つまりはドラゴンボールの太陽拳。

・判者
物事の優劣・可否を判定する人。 歌合わせ・句合わせなどで、作品の優劣・可否を判定する人。

平岡直子川柳句集「Ladies and」

以前の語彙日記で調べた「点者」と同じ意味。「判」定と採「点」。

1/12(木)

・松の内
正月の門松(かどまつ)のある間。

武田百合子「富士日記(上)」

関東や東北、九州地方などは1月7日まで、関西地方は1月15日（小正月）までらしい。自分の家では門松を一度も飾ったことがない。

1/14(土)

・噤む(つぐむ)
口をとじて物を言わない。黙る。

堀静香「せいいっぱいの悪口」

冬鳥の鶫(ツグミ)の名前は「噤む」が由来だという説があるらしい。ツグミは夏季にはシベリア方面で繁殖し、秋から冬にかけて越冬を目的に全国各地に飛来する。けれど繁殖期ではないため鳴かずに口をつぐんでいるところから、「口をつぐむ」→「ツグミ」になったとか。