見出し画像

【12】面接という選考手法は全然ダメ。やめたら良いと思っている。(不登校からのキャリアデザイン パネルディカッション編②)

※この記事は2019年8月18日に京都市で開催した、イベント「不登校からのキャリアデザイン〜「行かない」の先を、生きやすく。〜」における講演・パネルディスカッションの書き起こし原稿になります。登壇者・主催者のプロフィールはこちら


僕は、ハッキリ言うと面接やめたらいいと思ってるんです。

曽:いま、「面接という選考手法が全然ダメだから改善しましょう運動」みたいなのを、 企業人事に対してやってるんですね。何かというと、ちゃんと訓練されていない人が面接をすると、特定の項目しか測れないという研究があるんです。

それは、外向性と情緒安定性。平たく言うと、明るく元気で安定している。逆の言い方をすると鈍感な人なんです。それと真逆の人は、内向的で物事をいろいろ考えこんでしまうタイプ。「情緒不安定性」っていうとダメ なように聞こえちゃうんですけど、良い言い方をするとセンシティブ、敏感である、感受性が豊かということですよね。でも、そういう人は、面接という手法を導入した瞬間にダメなんですよね。落とされちゃうんです。

面接で測れない要素というのもわかってきています。それは「誠実性」つまり、まじめさ。ちゃんと答えようとする気持ちですね。あと、実は「知能」。頭の良さもわからないんです。うまいこと言ったら OK みたいな。それは知能を表しているわけではないですよね。ある種の知能ではあるかもしれないですが。

じゃあ面接で測れる「外向性」と「情緒安定性」、測れない「誠実性」と「知能」、どちらの方が仕事のパフォーマンスに良い影響を与えるかというと、実は「誠実性」と「知能」なんです。だから、面接で見ることができない項目の方が実は仕事のパフォーマンスとの相関が高いんです。 企業人事はそれに気付いてきているのが希望ではありますし、僕も企業に伝えてはいて、それはまずいねということで、選考手法を変えようという動きはあります。

入社後、プログラミングをやるなら、採用時もプログラミングを見たらいいじゃんていうのもありますよね。企業で言うとインターンシップのように、実際の仕事をやらせてみてできたらいいよねと。インターンシップを重視する採用っていうのは、いいんだと思います。 インターンシップが単なるグループワークとか、いわゆる一般的なコミュニケーション能力がないとできないような形骸化したインターンシップだとダメなんですけど、本当に実際の仕事をやらせてみる。

そういうのをワークサンプルっていうんですけど、それだと入ってからうまくいくかどうかを見る妥当性が高いんです。まさにドワンゴさんが一番のプログラマーを発掘されたのは、めちゃくちゃ理にかなっていますね。

まだ全部の企業には全然浸透していないんですけど。僕は、ハッキリ言うと面接やめたらいいと思ってるんです。

自己紹介の表現方法が、声を出すのか、スマホでチャットでやるのか、それだけの違い。

中:N高校って自宅で学んでいる子がたくさんいて、1 年に 5 日間はスクーリングといってその時は集まって授業やホームルーム的なこともやるわけです。でも、ホームルームになった途端、そういう場が苦手な子もいるわけです。で、一人ずつ自己紹介しようってなっても、自己紹介が苦手な子もいるわけです。

そのときにどうするかというと、スマホを出してもらって、30 人いたら 30 人スマホを出してもらってスマホで自己紹介です。それはできるんです。我々からしたらそれでいいんです。

自己紹介をしてもらいたいわけですから。人となり、自分の表現方法が、声を出すのか、 スマホでチャットでやってくれるのか、それだけの問題です。だから、言葉を発しない、スマホを使って意思疎通ができると言うのもコミュニケーション能力だろうと捉えています。

曽:まさに、そう思います。今の段階でいうと、面接を全くゼロにしている企業はほとんどないんですね。 私が聞いているところでは、某大手IT企業のエンジニア採用は、パーソナリティテスト(性格適正検査)とプログラミングのテストを Web上でやって会わずに内定出してしまうそうです。面接なし。

それが、面接をやっていた頃と比べてどうかというと、入ってからのパフォーマンスも高いし定着率も高い。っていう事実は徐々に広まってきつつあります。

そういう意味で言うと、変わってきつつはあります。ただ、私も面接のマイナスポイントとか特徴、面接を経て採用する注意点などを今伝えていっている最中ですが、まだ意識の部分というか、壁がある感じはしますね。

【連載:不登校からのキャリアデザイン】

https://note.com/sunaba_corpo/m/m2f2850979f50


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?