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ノンフィクション: 【☕猫とアイスラテ☕】

久しぶりに、早朝のアイスラテを作った。

今朝は、会社にでも行くのでなければ起きない、朝の5時前から起き出した。何やら寝苦しくて、自然に5時に目が覚めたのだ。

温くなったベッド横の電解質ウォータを口に含んで、のどを潤してからトイレに立ったついでに、ベッドに帰る際に通りがかったキッチンで、インスタントアイスラテを作った。

顆粒のインスタントコーヒーを水に溶かして氷を入れ、よく混ぜたら、アーモンドミルクで割る、インスタントミルクコーヒー、つまり、即席アイスラテである。私のアーモンドミルクの自然な甘さが凄く合う一品だ。砂糖などを使わないで、十分美味しく戴ける。

昨夜、夜深ししないで寝たので、キチンとした時間に起きれた、とも思うのだが、とにかく寝苦しくて蒸し暑かった。汗が首にじっとり感じられた。大きな氷がどんどん解けていくのを見ながら、古くなったエアコンを見た。

――とうとうエアコン、死んだか?
そう思って、手近の室内温度を設定するサーモスタットのリモコンを見た。よく見てみたら、室内温度がドライ高温設定になっていて、29℃だった。
AC (クーラー)設定にもなっていなかったので、蒸し暑く感じたのか。

――暑いワケだ。
室温をエアコン設定に戻したら、いつもの唸るような音で涼しい風が汗ばんだ身体を癒してくれた。昨夜、眠くて、室温設定を適当にしてこのACリモコンを放り出してベッドに寝転んだので、一緒に寝ていた猫が、ベッド上で暴れた際にサーモを踏んづけたのかな、と思った。 

5月末に引き取った保護猫は、最初のうちは警戒していたが、一か月位で私に懐き、3か月後の今では、母猫に甘えるかのように私にくっつき、ひな鳥の刷込み習性よろしく、室内を私の後について歩く様になっていた。

夜になると一緒にベッドの上で一頻り遊んで貰いたくて、みゃあみゃあ鳴きながら羽のおもちゃをベッドに置き、書斎代わりのキッチンテーブルあたりに居る私に遊ぼうよ、と誘ってきた。

だから、ベッドの上に何か大切なものを置いておくと、大体の場合、猫が踏みつけるので、注意していたが、何しろ昨夜は眠かったし、新しいプロジェクトが来週半ばから開始するので、早朝の起床時間を身体に慣れさせるようにしていた。

メガネもエアコンリモコンもベッドの上に残したまま、猫と遊びながら寝付いてしまったらしい。


アイスラテを呑みながら見てみると、猫はクーラーの冷風が当たる床の上で横になっていたらしい。あの寒がりが冷風を浴びたくなるほど暑かったのか、と我ながら不用意な事をした自分を悔いた。猫がアイスラテと一緒にベッドに落ち着いた私の膝に載ってきた。

「暑かったね、ごめんね」
と撫でてやった。みゃん、と返事をする様に穏やかに猫が鳴いた。眉間を撫でてやり、猫が目を細めて気分よくウットリする様を見ていた。

確か、昨夜、最後に憶えているのは、一緒に遊んでいた猫が寝転ぶ場所を私の右横に決めて、いつもの爆音で咽喉をゴロゴロ (喉を鳴らす猫の習性) させながら落ち着いて寝る用意が出来、私と一緒に寝始めた事。

猫がゴロゴロ咽喉を鳴らし始めると、あの子の息遣いに合わせて、私も眠りに入ってしまう。猫のゴロゴロ云う咽喉の鳴音は、人間を平安の内に落ち着いた静寂のムードにつれていき、癒すものだ、と学問的にも証明されていると言う。それ程、猫の咽喉のゴロゴロは健康に有効だ。

一杯呑み終わったところで、気が付くと、猫は今や食器棚の隣に配置したジャンピングボードの上に乗っかっていた。

洗濯機の上にあるスペースを、収納に使いたかった亡母が、大きな木製の太い板を食器棚の横の境に配置した壁の段差と玄関への扉の淵の段差の間に板の端を引っかけて、棚の様に使っていた。亡母は、コレをジャンピングボードと呼んで、収納するモノの代わりに、我が家の代々の猫は其処にとぐろを巻いて座ったものだ。現在の猫も適当に高くて人の手が簡単に届かないこの棚が好きだ。

其処に座っては書斎代わりのキッチンスペースに座る私をまっすぐ見ている。ウチの猫は賢く、まるで人間並みに気遣いをして自分の立ち位置を決める。今日は何を考えて、そこに座っているのだろうか。

そうこうする内に降って来た雨が屋根に響く音が響いて、猫もそちらを向いて音を伺っていた。

夏の豪雨の音に、少しの涼しさを感じながら。






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