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誕生日会で担任からすごく怒られた話 【前編】

迎えた4年2学期。
小夏はクラスで「誕生日お祝い係」という係に入っていました。
学期が始まってすぐ、小夏たちは9月生まれのクラスメイトを教室でお祝いしました。
お祝いと言っても歌を歌ったり手作りの折り紙をプレゼントするような、そんな程度のものです。
祝われた子たちも喜んで、会は無事終了しました。
みんなが帰って教室にはたまたま支度が遅くなってしまった小夏と、桃香ちゃん・担任の3人になりました。
すると桃香ちゃんが急に「ワー」っと大泣きをし始めたのです。
小夏は訳がわからず佇んでいると担任が桃香ちゃんに
「どうしたの?」
と駆け寄りました。
「小夏ちゃん、私のこともお祝いしてくれるって言ったのに。私のことは祝わないで、他の人だけ祝うなんて酷い」
桃香ちゃんは泣きながら答えました。
小夏は頭の中がパニックになりました。
桃香ちゃんの誕生日は8月で夏休み真っ只中。
確かに桃香ちゃんからは「お祝いしてね」と言われていたけど、学校では祝えないので誕生日当日に直接桃香ちゃんに「おめでとう」のLINEを送っていたのです。
そこには桃香ちゃんと遊んだときの写真や動画を、小夏が自分で2日がかりで編集して「桃香ちゃん、大好き。ずっと大切な友達だよ。お誕生日おめでとう」と精一杯のメッセージも添えられていました。
すぐにそのLINEに既読は付きましたが、桃香ちゃんからの返信はありませんでした。
小夏は自分からそのLINEのお祝いについて桃香ちゃんに聞くのも違うような気がして、そのことは触れることなくこの日まで来たようです。
しかも桃香ちゃんが「祝ってね」と言っていたのは小夏だけではなく、クラスの女子何人かに言っていたらしいのです。
後で知ったことですが、実際に桃香ちゃんを祝ったのは小夏一人だけだったようです。
にも関わらず、目の前の桃香ちゃんは小夏だけを非難して大泣きしている…。
「小夏ちゃん、こういう可哀想なことをお友達にするならもうお誕生日係とかやめなさい。早く桃香ちゃんに謝って!」
担任は桃香ちゃんの大泣きの声よりも更に大きな声で小夏を怒鳴りました。

(後編へつづく)

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