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『マインドトーク あなたと私の心の話』

先日、みたらし加奈さんの『マインドトーク あなたと私の心の話』という本を読んだ。
読んだ感想を一言で表すのなら「私のための本」だ。
そんなことを言うのは烏滸がましいのかもしれないが、心の底からそう感じた。
この感動が冷めないうちに、私の気持ちをここに書き連ねようと思う。

なぜ「私のための本」と思ったかというと、
加奈さんの過去に私がとても当てはまるから。

なかでも一番当てはまったのは「女の子の持つべき愛嬌10ヵ条」だ

  1. 相手の話は笑顔で聞くこと

  2. たまに”わからないふり”をしてみること

  3. 教えてもらったら感謝の気持ちを伝えること

  4. 少し潤んだ瞳で、守りたい存在になること

  5. たまには強さを見せて、相手を包み込むこと

  6. 相手を受け入れる器を大きく持つこと

  7. 嫌なことがあっても顔に出さないこと

  8. お礼のメールは日が変わる前に送ること

  9. でしゃばり過ぎず、多くを語らないこと

  10. 感情的にならないこと

加奈さんは「文字に起こすだけでゾッとするようなこの10ヵ条を、
当時の私は『正義』だと思っていた」と言っている。

私もこの本に出会うまで、なんの疑いもなくこれを正義だと思っていた。
興味のない話をされても、笑顔を絶やさず時々わからないふりをして、
相手が話し終わったら、「すごい勉強になりました、ありがとうございます」と
伝えてみたり、どんなに自分の心が闇の奥底に落ちてたとしても、誰かが弱っていたら手を差し伸べたり、この10か条に書かれているものは全て、社会で生きていくためには欠かせないものだと思い込んでいた。

相手が不快な思いをしたとしたら、それは10ヵ条を守れない自分のせいだと当たり前に考えていたし、それを守れている自分は社会で上手くやっていけてると勘違いしていたのだ。

先日恋人と居酒屋に行った際、お店の方やお客さんに親切にしてもらった。
自分では払うのに躊躇するような額のお酒を飲ませてもらったり、恋人が席を離れた時に、私が暇しないようにと声をかけてくれた。さまざまな方に親切にしてもらい、楽しんだ帰り際恋人に言われた言葉は、「ああいう振る舞いをする君は気持ち悪い」だった。

その瞬間ショックなどを取り越して私の頭は真っ白になった。一緒に楽しい時間を過ごしていると思っていた恋人に気持ち悪いと思われていたのだ。
しかもそれがその日だけじゃなかったらしい。

その日から自分のどんな振る舞いが気持ち悪いのか考え込んだ。そして出会ったのがこの本なのだ。

こちらが型に当てはめられた反応をしないと「気持ち良くならない」相手なんて、
本来、私の人生に不必要なのだ。

マインドトークより

不必要な相手に自分をよく見せる必要なんてないと言うことに気づかされた。
確かに、必死になって不必要な相手に自分をよく見せようとする私は、
気持ち悪く見えたと思う。それが好きな人なら尚更かもしれない。

加奈さんも述べていたが、10ヵ条のようなことを説いてくる大人はいても、
「そんなことしなくていいんだよ」と言ってくれる人はいない。

もっと早く「そんなことしなくていい」と気づけていれば、
私の生き方は違ったのかもしれないと考えさせられる本だった。

私はこれから何度もこの本を読み返すと思う。



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