相撲随筆

大相撲についてつぶやきます。。。

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最近の記事

名古屋場所 振り返り

場所前から注目点が多かった中で行われた興行は、愛知県体育館で行われる最後の場所となった。 60年という長きにわたり、多くのドラマを生んだ。 私個人としては、昭和46年の玉の海-北の富士の千秋楽結びの一番を取り上げたい。 私はまだ生まれていないが、勝負が決した後、お互いが目を見合わせて、健闘を讃え合うシーンが忘れられない。 過去の取り組み映像を見返す中でも、5本の指に入る、私の「大相撲」である。 時は、流れ、「最後」に立ち会えたことは運命を感じると同時に、必ず、愛知県体育

    • 世代交代の波は完全なのか

      春場所は尊富士、夏場所は大の里がそれぞれ初優勝とあって、世代交代の波が押し寄せていると世論が騒ぐのは無理もない。 しかし、私は懐疑的である。 ここ数年、「世代交代待ったなし」という言葉を何度も目にしてきたが、どれも空振りで終わっているように感じる。平成29年辺りの貴景勝、阿武咲、令和元年から朝乃山とニューヒーローが誕生したことは確かだが、どれも長続きしなかった。 大相撲はニューヒーローが横綱を倒すという形で世代交代が生まれてきた。そういう意味では横綱を倒す者

      • 日本の美

        私は「魅力」という世に流通している言葉が嫌いだ。 何かにつけて、この言葉が簡単に使われているように思う。本当の魅力というものは、何事にも精通している本当にそれが好きで、物事の良し悪しを分かっている人が使うべき言葉だと私は考えている。 私は専門家ではない、ただの素人ではあるものの、本当に相撲というものに魅了された1人であると思っている。 立ち合いで両力士が睨み合っても、勝負が決すればお互いに目を見て礼をする。この瞬間の美しは何者にも代え難い、日本の宝だと

        • 熾烈な戦国時代

          この原稿は2023年2月13日のものです。 昨年は年間、全ての場所で異なる力士の優勝となった。これは史上3回目の珍事である。この点から、現在の大相撲が群雄割拠の時代と言い切れるだろう。 史上初の年六場所異なる力士の優勝を記録した昭和47年の優勝成績を見てみると、初場所は栃東の11勝と物足りないものの、春場所は最強の関脇と言われた長谷川、5月は輪湖時代を築くことになる輪島の初優勝、7月は外国出身力士初優勝の高見山、9月は全勝で横綱の面目を保った北の富士、納め

        名古屋場所 振り返り

          明確ではない、横綱昇進の基準

          歴代の横綱を見てみると、横綱昇進前直近二場所で優勝が無かったのは41代の千代の山以降、7人おり、三場所で見ても柏戸、二代目若乃花、三重ノ海、双羽黒と4人いる。 しかし、どの例も安定した取り口があること、安定した星を残していること、同じ時代に好敵手が大勢いる中での高成績など、優勝が全てではないとする昇進基準があった。 柏戸を例にすると、直近三場所は10勝、11勝、12勝と星数で物足りない上、優勝もない。準ずる成績も昇進直前の場所のみである

          明確ではない、横綱昇進の基準

          年間場所数に思うこと

          年六場所が定着して随分と歳月が過ぎたがふと思うのだ。場所数の減少により、力士のケガの減少と治療期間の確保が保てると。また稽古期間が延びるため力士が自分の型を持ちやすいのではないかということだ。 年二場所時代の双葉山は稽古に精を出して、自分の型を習得した。長期間の巡業での山稽古は過酷そのものであった。「三年先の稽古」とよくいわれたものだが、現代のような環境では難しいだろう。さらに場所数の減少により力士はより場所にかける思いが強くなるだろう。番付の上昇の機会が減少する

          年間場所数に思うこと

          初代若乃花

          私は若乃花の現役時代を知らない。のにも関わらず、「好きな横綱は?」と聞かれれば、彼の名前を挙げる。(他にも数名いる) その理由は、何もかも豪快であるということだ。 取り口、稽古、飲みっぷり・・・ 「土俵の砂は稽古で治す」 「酒を飲んで、汗と一緒に流せ」 令和の時代には到底想像し難い根性論である。 人間は、自分の弱みを補っている人種に惹かれるそうだ。若乃花には、強さ、豪快さがあり、私はその両方に憧れている。 横綱として、一に稽古、二に稽古を重ね、結果で周囲を

          初代若乃花

          我が回想の一番

          相撲の醍醐味 綱取りへ好材料 7日目の結びは凄まじい相撲であった。相撲の美という観点から見れば疑問符が付くかもしれない。ただ、心を動かす美しさはあった。「これこそ相撲の醍醐味」と言える一番となった。 場所前から貴景勝の綱取りが話題になっており、私も少なからず感情移入して相撲を見ていることも考慮すべきだろう。ただ、先場所に変化をしたことによる反省から、大関相手に張り手を見舞う翠富士の姿勢も、それに応じる大関の厳しい取り口も素晴らしかった。「離れて取る相撲で負ける

          我が回想の一番

          厳しい横綱という立場

          新横綱から2連覇と文句のつけようがないスタートを切った照ノ富士。しかし、ここにきて再び膝の痛みが再発した。横綱昇進の口上で「品格」という言葉を述べ、人一倍横綱としてのあり方を模索していることと察する。品格が問われる立場として、土俵に立つ以上成績を残し、怪我などのやむを得ない場合でも土俵に立てないのであれば引退という道しか許されないのが本来の横綱像である。昇進間もない照ノ富士に対しては酷な話だが、常に引退を視野に入れておかなければならない。 5月場所はすぐやってくる。

          厳しい横綱という立場

          ご挨拶

          はじめまして。 今まで、新聞、雑誌などに相撲にまつわる原稿を投書してきました。 この度、SNSでも投稿を始めようと思い立ちました。 多くの方に大相撲を知っていただければと思っております。 twitterと併用して、大相撲のあれこれを呟いていきたいと考えておりますので、よろしくお願いします。