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母との関係性の変化

母に対する思いを記事に残したい、と ふと思った。

最近、娘の初節句のために雛人形を飾ったり、4月から小学校に入学する息子のために持ち物を準備したり、と子供のための準備が立て込んでいた。

「雛祭りまでの僅かな期間のために、わざわざ雛人形を毎年飾ってくれていたのか。」
「絶対全部は授業で使うことのない算数セットに、当時は一つずつ手書きで名前を付けてくれていたのだな。」
「私は全てネットで購入してしまったけど、体操袋や給食袋は、全部手作りで用意してもらっていたな。」

自分の子供の頃のことを思い返しながら、改めて両親に感謝するとともに、実作業を全て完璧にこなしていた母に対しては、母親として尊敬しかなかった。

社会人2年目で実家を出てから、母との関係性は少しずつ変化をし、私の出産を機に大きく変化した様に感じる。

「とにかく怒らせると怖い」存在であった母

幼少期、母はいわゆる「教育ママ」だった。私は、ピアノ、絵画教室、習字とたくさんの習い事に通い、勉強で解けない問題がある時などは、厳しく指導され、解けるまで許してもらえなかった。

母は、県内で最もレベルの高い高校を卒業後、偏差値の高い都内の芸術大学に進学した。その後、地元の地方銀行に就職・父との結婚を機に退職・専業主婦となった。
まだまだ男尊女卑の考え方が根強く残り、「女は家庭を守る」という時代、母はキャリアの道に進まず、家庭に入った。
その事に若干の後悔があったのだろう、【女性も一人立ち出来る様にしっかり育てなくては】という思いから、長女の私は弟よりもかなり厳しく育てられた。

そのため、母=とにかく怖い 父=甘やかしてくれる という構図が私の中に出来上がっていった。

大喧嘩を機に実家を出て、適度な距離感を保つことに成功

社会人になって、地元から都内まで片道1時間半をかけて通勤していた。

しかし、1社目の会社が若干のブラック企業であったため、8時10分の始業に合わせて早朝に家を出発する→残業 or 上司の付き合いで週2~3回飲み会に参加して、帰りは終電 という生活が常になった。

母はその私の生活に合わせて、朝ご飯を用意し、掃除・洗濯を担ってくれていたが、ある日不満が爆発した。その爆発に対して、ブラック企業に対する疲弊もあり、私も爆発して大喧嘩に発展・都内で一人暮らしをする決心をした。

引っ越し当日、若干大喧嘩を引きずっていた私たちであったが、母は私のために鍋や食器など、生活用品を一通り用意してくれた。

「互いの見たくない部分は見なくて済む」という適度な距離感を得たこと・実家では何もしなかった私が人並みに生活できることが実証できたことにより、母との関係性は修復した。

成人式の際にもらった母からの手紙には、「私の理想通り、とまではいかなかったけど、とても素敵な女性に成長してくれました。」と母らしい言葉が綴られていた。

第一子妊娠を機に、母の猛プッシュにより地元に戻る

第一子妊娠後も都内で生活していたが、実家からほど近いターミナル駅に大規模マンションが建設され、そのマンションの購入を母から猛プッシュされる→最後は押し負けるかたちで地元に戻った。

※「とりあえず見るだけ見てみれば」と内見をセッティングされ、最終的には「都内で生活するのなら、手助け出来ないからね!」という捨て台詞とともに、マンション業者ばりに購入をプッシュされた。

適度な距離感によって、良好な母娘関係が継続できていたため、また近い距離感で生活することに一抹、いや、かなり大きな不安があったが、結果的にこの決断は英断だった。

母としての先輩であり、子育ての一番の協力者であり、女性としての一番の理解者となった母

地元に戻り、二人の子供を出産した今、母の存在は、家事育児に関する実務的にも精神的にも私の心の支えになっている。

子供が自立した後も、家事を完璧にこなし、学びや趣味に精力的に取り組む母の姿は、同じ母親として、そして同じ女性として尊敬の的だ。

また、私自身も母親になったことで「教育熱心で怖い母」のその当時の気持ちが手に取る様に理解できる様になった。希望のある未来を切り開いてあげたい、将来苦労しない様に手助けをしてあげたい、という一心だったのだと思う。

また、家庭、子育て、仕事のキャリアなど悩み事を母に相談すると、私の話に真剣に耳を傾け、自身の意見を押し付けることなく、助言をしてくれる。

思い返せば、昔から私がやりたい事・決めた方向性に対して、母に反対されたことはなかった。
厳しい面ばかりに目がいっていたが、母や昔から、常に私を見守り、一番の理解者だったのだ。

40年間あまりの時間をかけて、母と私は互いを認め合える関係になり、非常に良好な関係性を構築することが出来ている。
孫たちと全力で向き合う、まだまだパワフルな母と、更にたくさんの思い出を一緒に作っていきたいと切に願う。

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