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広告代理店が配慮すべき多様性への理解とは。

みなさん、こんにちは。SUMMERです。

以前、日本におけるステレオタイプとその炎上事例について書かせていただいたのですが、(こちら↓)

今回は、もう少し大きなスケールで見た【ステレオタイプ】について。海外の人々が日本人に対して抱いているステレオタイプや、海外におけるステレオタイプの炎上事例についてご紹介したいとおもいます。


【SUMMERの実体験】

わたしはじつは海外留学経験がありまして、それもすこし変わった大学に留学をしていました。

歴史的黒人大学(HBCU)という大学をご存知でしょうか?詳しい説明をすると長くなってしまうので、簡単に説明をしますとこんな感じです。

これはわたしが実際に通っていた大学のホームページですが、学生はアフリカ系アメリカ人が中心です。その他の人種の学生もいますが、その多くはスポーツ推薦枠で入学した学生が大半でした。ですので学費を払ってこの大学に通っていた他人種の学生は、白人、アジア人を合わせてもわたしだけだったと思います。

そんなことで、偏見ももちろんありました!ステレオタイプなんか日常茶飯事です。

たとえば、寝る間も惜しんで死ぬ気で勉強した数学のテスト。わたしは97点を取ることができました。すると隣の席の男の子が

「え、すごい!97点!?・・・まあ、でも当たり前か。SUMMERはアジア人だもんね!」

そして他の生徒からも

「いいな~。アジア人っていうだけで、ズルしてるようなもんだよね!」

・・・はい。

これがアメリカで代表的な、アジア人に対するステレオタイプなのです。

ほかにもブラックカルチャーの洗礼により、わたしは現地のともだちと共に海に葬られかけたのですが(ここでは深く語りませんw)そんなわたしたちにかけられた言葉は

「お前らブラック(黒人)だからどうせ泳げないだろ?SUMMERはお寿司の国から来てるから泳げるよね!死にたくなかったらSUMMERにしがみつくしかないね!」

ここにも「黒人は泳げない」「アジア人は泳ぎが得意」というアメリカにおけるステレオタイプが含まれています。

と、まあこんなかたちで日々ステレオタイプを経験していました。



【日本人は世界にどう見られているのか】

あくまでもわたしの体験談は、アジア人 としてのステレオタイプでしたが、みなさん! 世界が抱く、日本人に対するステレオタイプ気になりませんか?

じつは、世界のさまざまな国の国民性を ”○○人あるある” のようなかたちで説明しているジョークがこの世には存在するんです!

最も有名なジョークは、おそらくこちら↓ 

世界各国の人々が乗った豪華客船が沈没しかかっています。しかし、乗客の数に比べて、脱出ボートの数は足りません。したがって、その船の船長は、乗客を海に飛び込ませようとしますが…。さて、船長が各国の人を飛び込ませるために放った言葉とは何でしょう?                アメリカ人に対して・・・「飛び込めばヒーローになれますよ」     ロシア人に対して・・・「海にウォッカのビンが流れていますよ」    イタリア人に対して・・・「海で美女が泳いでいますよ」        フランス人に対して・・・「決して海には飛び込まないで下さい」    イギリス人に対して・・・「紳士はこういう時に海に飛び込むものです」 ドイツ人に対して・・・「規則ですので海に飛び込んでください」    中国人に対して・・・「おいしい食材(魚)が泳いでますよ」      日本人に対して・・・「みなさんはもう飛び込みましたよ」       韓国人に対して・・・「日本人はもう飛び込みましたよ」        北朝鮮人に対して・・・ 「今が亡命のチャンスです」         関西人に対して・・・「阪神が優勝しましたよ」

(引用元:https://youpouch.com/2011/09/30/121547/


世界各国がお互いの国に対して抱いている共通のイメージ、すなわち世界共通のステレオタイプです。

ちなみに国民性に関するステレオタイプは『NAVERまとめ』にもまとめられているので見てみるとおもしろいですよ ♡ たとえばこんなのとか・・・

「最高の生活は、どんなものだい?」
「アメリカで給料をもらい、イギリスの邸宅に住み、
中国人のコックを雇い、日本人を妻にすることさ」
「じゃあ、最低の生活は?」
「中国で給料をもらい、日本の住宅に住み、
イギリス人のコックを雇い、アメリカ人を妻にすることさ」

(引用元:https://matome.naver.jp/odai/2133676431252439601


「日本人は仕事が大好き(死んでも働く)」

「日本人は大衆を追う(たとえ間違ったことだとしても)」

「日本人は絶対に時間を守る(余裕がない)」

「日本人はルールを絶対に守る(ルールがなければ動けない)」

「日本人女性は文句を言わない(好き勝手できる)」

これが世界が日本人に対して抱いているステレオタイプです。

わたしたち日本人はよく、「日本人は親切」「日本人は礼儀が正しい」と、ポジティブなイメージを持たれていると思い込みがちですが、実際はわりとネガティブなイメージも多く持たれているんですね!


【海外でも炎上しまくるステレオタイプ】

さて、世界が日本人に対してどんなイメージを持っているのかはわかりましたね!

日本は島国ですし、他国と比べると多様性の豊富さには劣ります。そのため人種に関するステレオタイプで争いごとになることはまだ少ないといえます。しかし多様性豊かな他国にはさまざまなステレオタイプが存在しており、そのぶん論争や企業の失敗事例も数多く存在します。

冒頭で紹介した、わたしの過去のnoteでお話ししたように、【ステレオタイプ】は【偏見】と捉えられる可能性があり、活用するシチュエーションを間違えてしまうと炎上に繋がることもあります。

これはもちろん海外でも同様で、他国でもステレオタイプを活用した商品広告が炎上しています。


ステレオタイプ事例1 【黒人はフライドチキンが好き】

こちらはオーストラリアの「ケンタッキーフライドチキン」のテレビCMです。内容を簡単に説明すると

ひとりの白人男性が、踊り盛り上がる黒人観衆のなかにポツリ。「こんな気まずいシチュエーションに困ったときのアドバイスを知りたいかい?」(フライドチキンを差し出す → まわりの黒人たちがチキンをとる)白人男性「とっても簡単さ!」

このCMのなにが問題かというと、【黒人はフライドチキンが好き】というステレオタイプが存在し、そして白人が黒人の行動をコントロールするようなシチュエーションが「黒人を侮辱している」と受け取られたからです。こちらのテレビCMはオーストラリアで放送されたものですが、なんと海を渡りアメリカで炎上してしまいました。

たとえ海外の失態であっても本社のある国に非難が広がるということは、わたしたち日本人も十分注意を払わなくてはなりません。


ステレオタイプ事例2【ブロンドの女性は頭が悪い】

続いて「メルセデスベンツ」のテレビCMをご紹介します。このCMの内容はこんなかんじ。

ブロンド女性「すみません!フライドポテト、ハンバーガーと、シェイク頼みたいんですけど!」 黒髪の女性「ここは図書館ですよ!」 ブロンド女性「(ささやき声で)フライドポテト、ハンバーガーと、シェイクをお願いします。」 テロップ「頭が悪けりゃ美しさなんてなんでもない」


『車の外見がいくら美しくても、機能が兼ね備わっていなければ大したことはない』ということを伝えるCMだと考えられますが、【ブロンドの女性は頭が悪い】というステレオタイプがこのCMから伺えるため、「人種差別だ」「性差別だ」などの非難の声が多くあがりました。


ステレオタイプ事例3【女の子の将来の夢 VS 男の子の将来の夢】

日本同様、海外にもジェンダーに関するステレオタイプが炎上の引き金となったテレビCMが存在します。

こちらはイギリスで放送された、シリアルのテレビCMです。

『女の子はスーパーモデルやバレリーナに、男の子はスーパーヒーローや科学者を夢見る』といった内容が組み込まれており、「性的ステレオタイプを押し付けている」「子どもたちの将来の夢に対する考え方に支障をきたす」などの批判の声があがりました。

この一件を機に、イギリスではなんと 性に関するステレオタイプを含む広告を禁止する 規制が発表されました

差別に対して敏感だといわれているイギリス。さすが対応がはやいですね!


世界のステレオタイプから学ぶべきこと

わたしの体験談からはじまり、日本人が海外からどのように思われているのか、海外におけるステレオタイプの炎上事例、などをお伝えしましたが、これらからわたしたちが学ぶべきことは

1.わたしたちが思うほど、海外からの日本人に対するイメージはいいものばかりではない ⇒ 日本は海外でも評判がいいから!という過信はすこし危険かも。「日本って最高だろ!」と世界へ発信しても、昔ほど説得力はないのかもしれません。「なぜ最高なのか」をしっかり伝える必要がありそうです。

2.ジェンダーに関するステレオタイプはどの国においても敏感なトピック ⇒ これからオリンピックをきっかけに日本へ来る外国人の数が増えると言われています。SNSの普及により炎上は瞬く間に世界へと広がる時代です。広告ひとつひとつにも十分な注意が必要ですね。

3.ある国では問題のない表現も、海外では厳しく問題視される可能性がある ⇒ 日本でも海外文化がますます流行りつつありますが、たとえば「黒人ダンサーさんが踊りながらフライドチキンを食べる」なんてCMをつくってしまったならば、日本は世界からバッシングをうけるかもしれませんね。

4.グローバルで展開する企業は、本社のある国に非難が集まる可能性が高い ⇒ もしも日本支社がゴーサインをだして世に出た広告が炎上してしまった場合、それがたとえ日本国内のみで展開された広告であっても、海外にある本社が非難を浴びてしまう可能性があります。そうともなれば、損害ダメージはとても大きくなりますね。恐ろしいです・・・。



いかがでしたでしょうか?

現在すでに東京では海外からの観光客であふれ返っていますが、これからオリンピックが近づくにつれて観光客のみならず、運営側の人や、スポンサーである大企業の幹部なんかも来日することでしょう。そういった権力や影響力のある人が「日本で偏見された」なんてツイートをした日には、世界中が悪い意味でHOTな状態になってしまいます。

また、日本人は「どうせ日本語わからないでしょっ」と考え、外国人の前でどうどうとネガティブな発言をしがちですが、実際はかなり日本語がわかっていたりします。とくに、じぶんに対するネガティブなことばを真っ先に勉強しているものです。なので「ガイジン」「ハクジン」「コクジン」といったワードにはとても敏感です。日本もいよいよ、多人種を思いやる行動、発言が本格的に求められる時代を迎えますが、日本人の『おもてなしの精神』で 【真の最高な国】 にしていきたいところです!


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