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眠れぬ夜にトラウマの話を①

眠れない。もともと睡眠導入が上手なタイプではなかったが、4月くらいからはどんなに疲れていても、身体のHPがゼロでも、夜に布団に入ると目が冴えてしまう。

むかし処方された睡眠導入剤をちびちびと飲んで朝を迎えていたが(ダメな薬の飲み方)、睡眠導入剤の効き目も最近芳しくない。不安や嫌なことが、夜の濃度が深くなればなるほどわたしの心をざわつかせる。

このざわつきはなんだろう。吐き出さない不安や悲しみに起因しているものなのだろうか、吐き出さば眠れるようになるのだろうか。

その実、甘えで仕事を辞めてしまったと思っていたけれど、ようやく一歩を踏み出そうと思えるのに3ヶ月もかかっていて、その一歩が着地する前に恐怖で足を戻してしまった。
3ヶ月経ってようやく、わたしはしっかり傷つけられていたことに気がついた。

傷ついているのにその傷を隠してしまう人。傷ついているのに気がつかない人。もっと傷ついている人がいるからと、自分の傷をなかったことにしてしまう人。

みんなみんな優しい人。優しい人が傷つかない世界があれば、どんなにいいだろう。誰も怯えず、恐怖に縛られない環境で自分自身を発揮できたら、もっと輝くのに。

そんなことを思いながら、実現したいと思いながら、まずは自分につけられた傷としっかり向き合ってみるところから始めてみようと思う。いつだってわたしがわたしと向き合ってきたツールは文章だった。

!やるぞ!

2016.4~2016.10
大学卒業と同時にとある出版社に入社した。配属された部署の環境は良好。女性社員が多く在籍していて、同じ世代も多く、業務上の悩みを相談したり、愚痴を聞いてもらえるような関係の上司もいた。好きなことを仕事にできて、残業が多かったりしたことも楽しいと思えるような社会人生活だった。

雲行きが怪しくなってきたのは入社をして半年経ったころ。いままでOJTでついていた先輩との業務以外の担当業務が増えて、新しい書籍の担当になり上司と挨拶まわりに行くことになった。

仕事で人と会うことは楽しい。わたしが知らない分野のプロフェッショナルたちが仕事をしている現場を目の当たりにできて、その仕事が社会に還元されるための一つの手段としてわたしの仕事が活きてくる。社会貢献性も感じられて、人脈も広がる。執筆者に会いに行く外回りは好きな仕事だった。

しかし、この日は少し様子がちがった。担当として挨拶をしたのは50代の課長クラス。小娘が一人で行っても太刀打ちできないから、上司に紹介をしてもらうかたちで挨拶をした。名刺を交換し、さっと世間話を済ませて帰社したら、一通メールが。さっき挨拶をした人だ!こちらからお礼をせねばならないのに丁寧な方だな〜!と思ってメールを開けば思っていた内容と異なっていた。

内容は簡単に言えば飲み会のお誘い。飲み会と言っても歓送迎会などのような10人以上集まってワイワイではなく、しっぽり2人でどうですか。

新卒の子に50過ぎたおじさんがこんなメールを送るのかという社会にまずぶん殴られた衝撃を受けた。「こういうメールってどうしたらいいですか……」と周りに助け舟を出すのも憚られる内容だが、“わたしは新卒!なにもわからない!!!”の無知マインドで一番発言力のあるお局的ポジにいる先輩に相談。

気持ち悪いけど、関係性途切れるわけにもいかんからの〜ってことで、挨拶に同行してくれた上司と先方ももう一人おじさんを引き連れて4人で会が開催された。もうこの時点で新卒女子と三人のおじ、というヤバ会なのだが、やばいのはここから。

お酒飲むタイプとバレて当方めちゃくちゃに飲まされ、一次会が終了。一緒に来てくれた上司はベロベロで駅まで一緒に行き、違う線だったから見送った後でわたしもそろそろと言おうとしたら、そのままタクシーに押し込まれて2件目に連れて行かれた(先方オジ2。当方新卒ザコ女1)。

個室の居酒屋でほっとしたものの、聞かれる内容は気持ち悪さをカリカリに攻めてくる内容。彼氏の有無や初体験の話、どんなのが好き?など。父親と変わらない世代のおじさんになんでこんなこと聞かれてるんだろう。ここで突っぱねたら仕事に差し障りが出ちゃうかもとヒラヒラかわしながら、たまにクリティカルヒットが当たりながらその場を終わらせて、帰りのタクシーの中で大泣きした。社会人になって、一番最初の大号泣だった。

触られたわけじゃない、人格を否定されたわけでもない。ただかわいいねって言われて当時のわたしの恋愛事情の深いところまで聞かれただけだ。あわよくば俺ともできないかと鼻の下を伸ばされながら。何も失っていないのに、こんなにも奪われるのか。気持ち悪い、悔しい、気持ち悪い。

社会人として働くことって、こういうことも含まれているんだと学び、見えていなかった絶望の片鱗が見えた出来事だった。ここから先、なんだかもっと搾取されていくんだけど、“お前が断ればええんや”なことばかりだと思う。確かにそうなんだけど、こういう行為は人の前で行われないから、やられてる人がいても断っている現場を見たことがない。水面下で行われているかもしれないことに対してキッパリノーを突きつけることによって、編集者と執筆者というセンシティブな関係に支障をきたさないか、わたしの優先事項は圧倒的に仕事だった。

そのために、ウジウジと流され続けて傷だらけの無職が出来上がるオチが待っています。序盤の話を書いていたら疲れてしまった。続きは近いうちに。

あくまでもこのコンテンツは自分自身がトラウマに向き合うためと、傷ついているのに労わる時間を作ることができずにいる人が、優しい環境を求めることができるようになってほしいので作成しています。

セクハラ被害に遭っているからといって、大して可愛くもないですし良い身体をしているわけでもありません。でも、そういう人でも傷つけられてしまうことがある事実をありのままに伝えるので、そのあたりの表記については海容ください。

中の人、大して可愛くないマイノリティ身長(小)ですので!自覚しておりますので!!!

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