見出し画像

La Bocaが好きな訳もエジプトにあったという話

 La Bocaというのはブエノスアイレスの代表的な観光エリアのひとつ。その昔、移民達がアルゼンチンの地に降り立った港の付近の、カラフルに彩られた建物が立ち並ぶエリアだ。

画像4

オベリスコに続き、わたしがここを好きな理由もエジプトで解明した。正確には、ここの色合いが好きなのだった。

それは、古代エジプト歴代の王の墓がある、王家の谷に行ったときのこと。
そこに着く前から、バスの中でわたしは泣いていた。あんな訳の分からない泣き方をしたのは始めてだ。涙だけがどくどく流れて、自分の中を探しても、涙に繋がるような感情は見つからなかった。

そして、ある王様の墓の中に入った時に、涙の訳は判明した。

画像2

墓の入り口から、王の棺があった部屋まで降りていくトンネルの壁は、カラフルな装飾に彩られていた。そのデザインと色使いの美しさは素晴らしく、心奪われた。そしてここの配色はLa Bocaにほんのり似ていた。

そこに入った時点で、なんとも言えない、今まで感じた事のない、あたたかい雰囲気を感じていた。『大歓迎ムード』とでも言うと近いだろうか。そういった事柄にまだ慣れていなかった当時のわたしには、異常な出来事である。もう当然、号泣状態。

トンネルを下まで降りると、墓の中には王の棺の部屋の他にも、小部屋がいくつかあり個人個人で見て回ることになっていた。
墓の中の空間は、変な話だが、なんとも心地が良くて、ずっとそこに居たいと思わせる、異常な陶酔感、「このままここで寝かせてください」くらいの気持ちになっていた。
そして、実際そこから動けなくなってしまった。頭は退出の促しに従いたいのに、体はまだ居たいと言う。

泣き顔で動けないでいるわたしの横に、ヒーリングの師匠がやってきて、「スミちゃんは、ここに王様と一緒に埋葬されていたのね。」とサラリとリーディングしてくれた。
なんと、あの時代は、妻達や付き人達も亡くなった王と一緒に埋められたらしい。現代においては恐ろしい話だが、この時「たしかにその通り。」と確信を持ってそう思った。いや、言われなくても、そう知っていたかもしれない。
さらに、そこに王と共に入る事を喜んでいたというか、その墓内にいる事に満足していたような感覚まで甦ってきた。

もはや、あまりにも好きすぎて、そこに再び戻ってこられたのが嬉し過ぎて、その場を離れたくなかった。

師匠の手伝いにより、その時代のわたしは、沢山いた王の妻のうちの1人だったこと、その王への愛情、愛着が強かった事などの情報を受け取って、やっと歩き出し、外に出ることができた。

そこまで面倒をみてもらえるのは師匠と共に行けるリトリートならではの恩恵だ。ありがたい思い出。

画像3

過去生を読み解くヒーリングは、過去の自分がどの時代の誰であったのかということ自体は、実際のところ重要ではないと思っている。そこで受け取る学びを、今の時代を生きる自分が、どのように役立てていくのかの方がずっと重要だ。

あの日、強く受け取ったのは、気高さと気品のスピリット。

その時のわたしは王の唯一の女ではないとしても、例え寿命半ばで埋められたとしても、あの墓に王と共に入る事を、誇り高く感じていた。
時代が違うと、現代人には想像できない感情を抱いて生きるものなのだという事を実感したのも、また大きな学びだ。

画像1

エジプトの旅から4年経って、いま、すっと背筋を伸ばして、何かに立ち向かうような場面のとき、あのスピリットがわたしの背中を押してくれているように感じる。

そして、La Boca のカラフルな街並みに立つと、好きな場所に居られる幸せとノスタルジーを感じる。


前回オベリスコのお話はこちら↓




この記事が参加している募集

#一度は行きたいあの場所

50,167件

読んでくださり、ありがとうございます。 サポートのお気持ちとても嬉しいです。ありがたく受け取らせていただきます。感謝💕