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家事育児APEX~初心者がプラチナを目指す〜

5歳からバレエをはじめ、大学入学時に競技ダンスに手を出してしばらくは2足のわらじ、3年生からはダンス1本に絞って26歳まで踊っていた。現在29歳。要は、人生の半分以上を踊って過ごしてきたわけである。

しかしめちゃくちゃ色々あってダンスを辞めた。夫と結婚するために福岡から北海道に引越しをしなければならなかったことや、30歳までに子ども欲しいなと思っていたことが理由のひとつだ。(あとは人間関係とか身体の具合とかまじで色々あった)

そして私の趣味はゲームとなった。福岡から北海道に嫁いで孤独な私に、夫がPS4を握らせてくれたことがきっかけである。この時が27歳。2年前である。

妊娠が発覚し、つわりでゲームどころじゃなくなった。安定期に入りつわりが落ち着いても、なぜか目が霞んでゲームを出来なかった(なんか妊娠したら眼球も浮腫んだりするらしい)。出産後もしばらくは睡眠不足でゲームどころではなかった。

息子が寝る時間が決まってきた生後2ヶ月ごろ、夫の友人らに「APEX」を一緒にやるためのグループLINEに入れてもらった。実は私はAPEXはシーズン2から始めたわりと古参マンである。キャラはまだみんな英語で話してるし、アーマーはどっかで拾わないと装備されない時代だ。しかし、当時私はFortnite専門の人だった。しかもその頃のAPEXはバグが多かったのでまったく触らず、いつのまにかシーズン10になっていた。

趣味が無く毎日楽しくなかったが、夫の友人らと遊ぶためにAPEXを練習し始めた。当時はシアがめちゃくちゃ強くて心が折れそうになった。Fortnite出身なので、視点も違うし遮蔽物に隠れることに慣れておらずつい建築しようとしてしまい、すぐ箱になるバチバチの初心者だが、友人Aと友人Fと時々先輩Tさんは快く遊んでくれてだんだん楽しくなった。

ある時、友人Aが「すみれさんはランクやらないの?」と聞いてきた。

ランクとは、実力が同等のプレイヤー同士をマッチングさせて、その結果によってランクを振り分けられるモードである。 ランクリーグには下から「ブロンズ」「シルバー」「ゴールド」「プラチナ」「ダイアモンド」「マスター」「Apexプレデター」の7つのティアが設けられている。

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そもそもそんなモードあることを知らなんだ。誘われるがままにランクをやってみると、スムーズにランクを上げるのはなかなか難しい。上手く行けばティアが上がるのが楽しいし、失敗して悔しい思いもする。

最初はゴールドにあがるので精一杯だったが、だんだんコツを掴んできて欲が湧いてきた。

プラチナにいきたい……!

なぜプラチナなのかというと、マークがかわいいから。

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というわけで育児家事の合間にひとりでランクを回し続けた。

例えば朝9時頃。それまでに息子の離乳食と自分の食事、洗い物や洗濯など済ませ、息子が小1時間ほど寝るのでその間に。次は14時頃。昼の離乳食が終わり自分の昼食をとって片付けをしたあと、息子が昼寝してから回す。最後に21時頃~2時。息子が夜寝たあと、家事を終わらせ一気にやる。

日中は回せないこともあった。添い寝していないと目を覚ましてしまうことが多いためだ。起きた時にそばにいないとギャン泣きが始まるので、様子を見ながらのAPEXとなった。(あたりまえやけどな)

夜はきつかった。23時頃までは味方の野良さんに変な人が多い。一人離れたところに降りて即死するオクタン、誰もいないところにウルト使ってマップ外に身投げしたバンガロール、箱になってビーコン連打するキッズ、保管庫に行きたがるくせに鍵もってなくて抜ける狂人……。

0時を過ぎてからが勝負。猛者も多いが味方もいい人が増えてくる。

2時まで回してなんやかんや寝付くのが3時前。翌朝は7時起きなのでとてもつらかった。夫は私が真夜中までゲームをすることを許してくれていたので、朝はかならず起きていた。「こんなにきつい思いしてゲームしてるの馬鹿みたい……」と思うこともあったが、打ち込めるものがあることには楽しさを感じていた。

ダンスだってそうだった。21時に仕事を終えて22時からレッスン、終電まで踊って翌朝8時に出勤。本当に一生懸命やっていた。

当時より圧倒的に睡眠は足りていなかったが、授乳で2時間おき睡眠を経験した母親の強さを舐めてもらっては困る。

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やり遂げた。

正直「あ……もう無理してAPEXしなくていい……」と思った。病んでて草。

憧れのプラチナマークがついて、私が愛するガスおじ(画像に写っている太ったおじさん)がかわいくなったので大変満足だ。もうプラチナ4床ペロで構わない。そもそも私の本当の実力なんてブロンズじゃね?って感じだからね!

朝も夜も関係なしにAPEXをやりまくる嫁を温かく見守り、応援してくれた夫に、『感謝する』。