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インテリアトレンドの仕掛人が、自分の住まいにリノベーションを選んだ理由

有名ファッションブランドで家具レーベルを立ち上げた夫のヨウスケさんと、同じ会社の飲食部門でフードスタイリストとして活躍する妻のマリコさん。ライフスタイル提案のエキスパートであるふたりは、どんな自邸を作ったのでしょうか?興味津々、、、用賀H邸の事例をご紹介します。

用賀H邸リノベーション

DATA

エリア | 東京都世田谷区(用賀エリア)
家族構成 | 夫婦ふたり
年齢 |30代
プラン | 2LDK+S
面積 | 69.33㎡(壁芯)
構造 | SRC構造
所在階  | 8階建の2階
主採光 |  南/北向き
建築竣工年 | 1969年4月
不動産購入 | 2018年7月(築49年時)
リノベ完成 | 2018年12月
権利 | 所有権
工事費用 | 520万円(設計料・税込)

CREDIT
プロデュース ・設計|スマサガ不動産
施工 |きこりたち
写真 |平林克己


「会社からタクシーで3,000円圏内」が条件

取材にお伺いしたのは、陽の光が柔らかく降り注ぐ休日の午後だった

お二人が勤務するのは、都内に本社を構える有名アパレル企業。服飾だけでなく、家具の販売、飲食店などライフスタイル全般を扱っています。

ヨウスケさんは、有名な家具レーベルを立ち上げたプロデューサー。寝室にあるベッドも彼が手がけたブランドのもので、インダストリアル系の定番家具をいくつも世に出してきたご経験をお持ちです。

「ぼくはもともとファッション部門にいましたが、会社がアメリカンヴィンテージ家具を買付してリペアして販売する企業を買収して。それをきっかけに、新規家具レーベルの立ち上げの機会を頂きました。初期の頃は本当に人がいなかったので、商品の企画も仕入れも店頭の接客も全部やってました」(ヨウスケさん)

妻のマリコさんはフードスタイリスト。お仕事で業務用の設備や道具を使っていることもあって、ご自宅のキッチンもそんなプロフェッショナルな基準を採用された作りになっています。

笑顔がとても魅力的なふたり。取材中、終始なごやかな雰囲気

ふたりは、なぜ中古マンションの購入を選択したのでしょうか。

「結婚して、最初はぼくがもともと住んでたところに彼女に来てもらいました。そのうちに手狭になってきたので、広めの賃貸に引っ越すか、購入するかの選択肢を考えはじめました。一時は賃貸も探してみたのですが、全然ピンとこなくて・・・。二人で満足に住める広さで探すと、意外と家賃が高いんですよね」(ヨウスケさん)

最終的に、家を購入する選択肢もふくめて、住まい探しが進んでいくことになりました。お二人が住むエリアの基準に挙げたのは「会社からタクシーで3,000円圏内」であること。
「広さはあまり確保できなかったとしても、近いほうがいいなと思ってました。せっかくいい家が見つかっても、通勤に1時間半もかかるのであれば家を購入する意味がないと思っていました。職場から割と近い家を私たちは希望してたんですよね」(マリコさん)

ふたりがスマサガを選んだ理由

床に使用したのはオークの無垢材。床材は部屋の印象を決めるので慎重に選んで決めたそう

インテリアのプロであるヨウスケさんがスマサガをパートナーとして選んだのは、これまでのリノベーションの事例に魅力を感じたのと、担当者の説明がわかりやすかったから、と話してくれました。

「SNSで見た過去のリノベーションの事例が印象に残っていて、それがめちゃくちゃ素敵でした。その後に参加した住まい探しのセミナーでは、不動産の購入についてかなり突っ込んだ話をされていて。とにかく説明がわかりやすくて具体的なイメージがしやすかったなと思います。嘘をつきません!と謳っているのもよかったです(笑)」(ヨウスケさん)

「設計も含めて相談の回数制限がない点が大きかったですね。打合せの回数制限がある会社もある中で、スマサガさんは何度でもいいということだったので」(マリコさん)

「スマサガ では、良いモノづくりはクライアントさんとの対話が必須でそこから生まれると考えています。だから、できるだけコミュニケーションは丁寧にしたいのです。もともと設計事務所としてスタートした会社なので、プレゼンテーションで意見を交わすことが、スマサガスタッフの楽しみのひとつかもしれません(笑)」(城戸/スマサガ)

2匹の猫と暮らしています。

「私は猫好きなので、猫がいるお家の事例(スター猫どんこちゃんの家)の印象が強かったです。陶芸家の方の家(世田谷区K邸)も、いいなと思って見ていました。いいなと思ってた方をスマサガさんが手がけられていたことが、背中を押すポイントになりましたね」(マリコさん)

他にはない物件の価値を見い出し、リノベで自分たち好みにする

二人が一目惚れした1階と2階をむすぶ内階段。照明やアートを飾るのにうってつけの空間

今のお住まいにピンときたポイントは、空間の抜け感と素敵な内階段でした。

「この階段がめちゃくちゃポイント高くて。それまで少しでも気になる照明を見つけたら買っていたので、飾れないアイテムをいっぱい持っていたんですよね。この階段にその照明を飾ることが想像できました」
(ヨウスケさん)

リビングの天井は躯体現しにしたいというヨウスケさんの要望を受け、物件を再度内見する際にはスマサガの設計担当も一緒に。どの壁が抜けるかも含めて明確に伝えてくれたので、安心感があったそうです。

リノベ時に一番こだわった点

お二人が好きなものがギュッと詰まったリビング・ダイニングの空間。

「リビングダイニングだけは好きにやりたいということを最初から決めていて、それ以外は予算次第。ヴィンテージを中心に家具、インテリアに関するモノをたくさん持っていたので、モノが主役になるように、空間のコンセプトはシンプルな”白い箱”に。新品のシステムキッチンも設置されている状態だったんですけど、取っ払うことにしました。」(ヨウスケさん)

ダイニングスペースの変更点としては、対面式だった既存キッチンの位置を変えたことが大きなポイントとなっています。

「まずは空間を広く使いたかったこと。もう一つは、対面キッチンが好きではなくて。何かを見ながら料理をすることはないので、壁付キッチンのほうが集中できると思って変えました」(マリコさん)

「さすがプロの視点ですね。確かに壁付キッチンは、空間を広く使えて効率的な選択肢です。もちろん、目的次第ですが。どのように暮らしたいかがはっきりしていれば、いろいろな判断が明快になりますよね」
(城戸/スマサガ)

実用性と美しさを兼ね備えたキッチン。総ステンレスのキッチンはお手入れがとても楽

「彼女の希望を聞いたら、キッチンは造作で作るしかないかなと思いました。でも、やりたいことを全て実現すると予算的に収まらなさそうだったので、セミオーダーパターンや簡易な造作かのパターンを作って選んでもらいました。どうでしょう!?みたいな感じで」(ヨウスケさん)

「仕事では業務用なので、総ステンレスで収納はフルオープン。隠す収納よりもモノをすぐに取り出せることが大事だと考えました。そのほかにも、オーブンはほしい、食洗機はいらないとか、いくつか条件がありました」(マリコさん)

食洗機は、いつも業務用を使っているために家庭用のものは遅く感じてしまうというマリコさん。もともと装備されていた食洗機を無くし、そのスペースに棚を造作。キッチンの下は隠しつつ、上部はオープンにしてすぐにものを取れるようにしています。

「隠してしまっておいたものは使わなくなるから必要ないかなって。オープンなところもあって、うまく隠せるところは隠す。バランスがちょうどいいかなって思っています」(マリコさん)

たぶんプロの人って、片付けながら仕事してるんですよね、と話す城戸に「そうそう!」と答えていたマリコさんでした。

収集してきた照明たちが、各空間のポイントとして活躍しています。

「隠すための扉は最小限で食洗機もいらないと割り切れるなら、予算配分もより自由になっていきます。そうすると抑え目の予算でも、フローリングなど空間全体の印象を左右する仕上げにこだわることもできますし、リノベ設計の検討が前向きになりますよね。特にこの物件がもともとリノベ済みだったこともあり、お金をかけるべきところと抑えるところのメリハリを賢く判断していただいて、お二人らしいお住まいになったと思います」
(城戸/スマサガ)

リノベ期間の数ヶ月はとても忙しかったといいます。次々と決めなきゃいけないし、期限があるのはもちろんわかっているので慌ただしかった印象だそう。

「作っていく過程は、仕事がやっぱり好きなんでそういう視点では面白かったですね。天井を全部剥がして50年前の姿を見れるのも面白かったです」(ヨウスケさん)

実際住んでみてどうですか?

無駄な空間と思える廊下も、ギャラリーみたいに考えたら毎日が楽しくなる

(取材にお伺いしたのは暮らし始めて2年弱の頃)

「以前はリビングセットのみだったので、ソファでご飯を食べるような感じでした。ダイニングテーブルを置く余裕もないし、結局、小さいのを買ってもその後いらなくなるよねって。きちんとテーブルで食事して、ソファでくつろぐという棲み分けができましたね」(ヨウスケさん)

「私たちは物持ちなんですよ。本当にものに囲まれて生活してて余裕がなかったんですが、空間にゆとりができて家に帰るのが楽しみになりました。この場所が一番落ち着くし、人を呼ぶ機会も増えました」(マリコさん)

これからリノベーションをする人にメッセージがあればお願いします。

「結局予算が決まっているから、メリハリが大事だなと思います。諦めるところは諦めて、かけるところにはかける。自分たちがどうしたいかを事前に決めておけるといいですね。全部が叶うわけではないから、家族なら家族で共通認識をもってたほうがいいと思います」(マリコさん)

インテリアの達人とキッチン選びのプロが選んだ自邸リノベーションの背景。それぞれのこだわりが空間全体と細部に表現され、要望を融合して叶えたリビングダイニングが完成しました。さまざまな素材感も感じられて、今後の経年変化も楽しみな用賀H邸の事例でした。

「インテリアトレンドの仕掛人が、自分の住まいをリノベーションで作った理由」
用賀Hリノベーション

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