(精神科)長期入院を肌で感じ、社会の課題に向き合う今の環境についてちょびっと語ってみる。
こんばんは、すまです。
いつも見てくださってありがとうございます。
入所施設(生活訓練)での生活支援員になって約3年。
わたしは今、利用希望があったところから入所するまでの間のプロセスを調整する窓口を担っています。
病院時代と比べて、利用相談自体は正直そう多くはありません。
すまの施設では希望者の大半は精神科に入院している患者さんになります。
その方達のこれまでの生活歴や治療歴を聞く機会があるのですが、割合1年以上、入院している方の相談が多い印象です。
精神科において日本は世界と比べて圧倒的に平均入院在院日数が長いことで知られています。(2022年の調査では277日)
1年でもこの平均在院日数を越えていますが、この数倍入院している方の相談も一定数いらっしゃいます。
急性期の精神科病院のケースワーカーとして勤めていた時は、患者さんのインテークを取る中で入院期間よりも入院の頻度によく目が入っていたなと思います。
『この患者さん、数年間で入退院を○回もしている。中々地域での生活が続いていないんだな…。』
と思うことが多かった気がします。
そういう意味では、これまで統計上で実感することが多かった層の患者さん達に今触れる機会があることになります。
入所施設に来て、そのことをとてもリアルに感じるようになりました。
何年も病院の中にいて、地域で暮らす機会がない。
改めて考えると、どれだけ非日常なんだろうかと思います。
すまは幸いなことに生まれた時以外に入院したことがありません。
当たり前のようにある暮らしが、ずっと病院の中。
それが何年もとなると、その渦中の患者さん達の思いは軽々しく想像することはできません。
今、すまはそうした長期入院の患者さんが病院の外に出るチャンスをつくることに携われています。
とてもやりがいのあることだと思います。
そして、日本という規模で言ったら自分が関われていることなど米粒にも満たないことも実感しています。
ですが、いつでも1の積み重ねが10や100になっていく。
施設入所は、施設であって本当の意味での暮らしの場ではありません。
あくまで通過点ではあります。
通過した結果、別の施設に移るだけということも残念ですがあります。
そうした人たちが施設ではなく暮らしの場で生活を送れるようにするためには社会の理解や、こういう方法しかないと枠組みを既定しすぎない。仕組みが無いと嘆かず、あるものに目を向けたり、新しい仕組みを作ったり。
できることはまだある。
そして、既定内にまだまだおさまっている自分も発見している。
この仕事は奥が深い。
そして1人ではできないことばかり。
仲間をつくって、小さくても新たな展開をつくっていくことが出来たなら、きっとそれはこの仕事をしていて誇れるものになっていくはずだと最近思うようになってきました。
先人達がソーシャルワーカーとして活動していた頃は社会資源が乏しかった。
その中で、何が可能かを模索されてきた。
その積み重ねがあって今があります。
その一方で今は社会資源は増えてきているものの、それらを束ねる制度に展開が縛られることも多くなっているのではないでしょうか。
数十年後、先人達のように、枠の外に出た仕事をどのくらいやれるのか。
最近試されているなと感じることも多いです。
利用者さんに対しての個別の貢献は当然ながら、そのことを通し社会的な課題に向き合っていることにやりがいを持てるようになってきた最近でした。
格闘は続きます。
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