ビジネスパーソンのための刀剣乱舞・基礎講座

NHKの海外向け番組や平成最後の紅白歌合戦に出場し、話題となった「刀剣乱舞」シリーズ。すべての起点となるゲーム「刀剣乱舞-ONLINE-」は4周年を迎え、1月18日には「映画刀剣乱舞」が公開されます。
本稿では、ビジネスパーソン向けに「コンテンツの起点/マルチメディア展開/リアル市場への影響/魅力」という4つの切り口で、刀剣乱舞をご紹介します。

1.DMM×ニトロプラスのオンラインゲームが起点

まずは、コンテンツのはじまりから。
シリーズの原点である「刀剣乱舞-ONLINE-」は、日本の名刀を擬人化したキャラクター「刀剣男士」が登場するゲームです。原案は、DMM GAMESとニトロプラス。2015年にPCブラウザゲームとして配信され、翌年にスマホアプリ版もリリースされました。

プレイヤーは審神者(さにわ)として、歴史を改変しようと企む「歴史修正主義者」から、正史を守らなくてはなりません。史実に基づいた戦場へ刀剣男士たちを送りこみ、時間遡行軍と戦うという設定です。刀剣男士は、現在70キャラクター以上。先日、タニタから発売された刀剣乱舞コラボの万歩計は、73振り(2018年11月当時)すべての刀剣男士モチーフが選べると話題になりました。

2.アニメ・舞台・ミュージカルとマルチメディア展開が成功

続いて、刀剣乱舞の特徴と言われるのがマルチメディア展開です。刀剣乱舞は、2つのアニメシリーズ。そして、2.5次元と呼ばれる舞台とミュージカルの合計4ドメインが展開しています。

人気コンテンツは継続するという前提で考えると、テレビアニメ「刀剣乱舞 -花丸-」は2期放送され、同じくテレビアニメの「活撃 -刀剣乱舞-」も劇場版の制作が予定されています。刀ミュと呼ばれるミュージカルは、海外含め6作品が上演。1月20日からは天王洲・銀河劇場にて新しい公演がスタートします。過去には、厳島神社で上演したことも。刀ステこと舞台は、これまでに4作品、2019年も新作があることが発表されています。

昨今、コンテンツの多角的な広がりは珍しいことではありませんが、オンラインゲームコンテンツ起点で海外進出も果たし、あらゆるメディアでヒットしているという点において、注目度が高いのだと考えます。

図解すると、こんな感じです。

3.「推しに会いにいく」行動力が市場を活性化

刀剣乱舞のヒットによって、日本刀への関心も一気に高まりました。
昨年9月には、京都国立博物館で大型展示「京のかたな 匠のわざと雅のこころ」が開催。刀剣男士のモチーフとなった刀も展示されたほか、キャラクターボイスを担当する声優による音声ガイドもあり、多くのファンが楽しみました。

公式サイトは終了しているので、詳しい内容はこちらをどうぞ。

その他、社寺に奉納されている刀の一般公開がイベントごとになるなど、推しに会いたいというパワーは、市場を形成するほどなのです。

https://japan-art.org/wp-content/uploads/2018/03/sakai.pdf

4.あらゆる人の好き!を受け止める懐の深さが、とうらぶの魅力

このように、あらゆる次元でムーブメントを生み出している「刀剣乱舞」。さて、その魅力とは一体何でしょうか?

私は、何かを好きである理由は人それぞれであり、究極的に言うと「好きのワケは好き以外にない」と考えています。刀剣乱舞は、キャラデザが好き・声優が好き・刀の持つ歴史が好き・俳優が好き…と、様々な好きが生まれるポイントがいくつもあります。この、たくさんの好きをバランスよく受け止める懐の深さが、刀剣乱舞の魅力であると私は思います。

ちなみに私は、ゲーム→活撃の順で追っかけています。
活撃のストーリー後半。和泉守兼定が率いる部隊は、幕末の時代に飛びます。そこで、彼の相棒である堀川国広は、あることを思い悩んで姿を消してしまいます。刀剣男士は正史を守る役割があるわけですが、和泉守兼定と堀川国広は、土方歳三の刀です。正史を守らなくてはいけないという任務と、昔仕えた主(土方歳三)が思い描いた未来はやってこないという現実。さらに、主を見捨てなくてはいけません。

この、葛藤や正しさとは何か?を問いかけるストーリーがめちゃくちゃ面白かったです。また、正史とは勝ち残った者の歴史であって、正しいかどうかは別問題。では、敵として据えられている歴史修正主義者は、視点を変えれば正になりうるかもしれない。歴史ってなんだろう?とつい考え込んでしまう設定に、すごく惹かれました。

日本には、物に神様が宿るという考え方があり、刀剣男士もまた付喪神という設定があります。幕末や歴史が大きく動いた合戦において、朽ち果てていった多くの刀たちは、どうなっているのか?と考えると、時間遡行軍はもしかして…?という深読みも止まりません。

ヒットコンテンツへの理解は、まず体験から。
映画やゲームなど、気になった入り口から、刀剣乱舞の世界をぜひ楽しんでみてください。

※内容は、公式サイトなどを参考・審神者な方々に確認いただいていますが、認識のずれや間違いなどありましたら、教えてください!

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