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子育てはチーム戦。妊娠・出産後を乗り越えるパートナーシップのコツを聞いてみた

わからないもの”を前にすると、不安を覚えてしまう。

思い返すと、大学への入学前や、会社への入社前などは不安でいっぱいでした。

初めての出来事、初めての環境。どうしてもネガティブな情報ばかりが頭に回ってしまう。「上手くいかなかったらどうしよう」と不安ばかりが大きくなってしまう。こんな経験、みなさんにもあるのではないでしょうか。

特に妊娠や出産を経験する前に、産後クライシスという単語を耳にしたり、子育ての大変さばかりを聞いたりすると、不安ばかりが大きくなってしまいます。

産後のパートナーシップはどう築けばいいんだろう……? 子育てを経験した先輩方の、実際のお話を聞きたい……!

そんな声から開催されたのが、「妊娠〜子育てを乗り越えるパートナーシップの築き方」です。


イベントでは、実際に子育てを経験した3人のメンバーから、経験談を中心にお話してもらいました。

なかなか聞くことのできない、出産や子育てにまつわる経験談。どのような話があったのかをレポートします!

夫婦で優先順位を話し合い、意思決定をする

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最初にお話いただいたのは、一児の母であるみずほさん。

妊娠が判明したみずほさんがパートナーと最初に行ったのは、優先順位の作成だったとのこと。

「大事なものはいっぱいあるなかで、優先順位を決め、それを夫婦間で共有することが大切だと思います。そうすることで、意思決定がしやすくなりますし、小さい言い争いも少なくなるはずです」(みずほさん)

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みずほ家での最優先事項は「妊婦の健康」。どのようにみずほさんの心身の健康を維持するか、が判断軸になったそう。そして、不公平にならないよう、お仕事好きなパートナーのために、二番目を「夫の仕事時間の確保」にしていたとのことです。

この優先順位を判断軸にして、さまざまな決断をしたおふたり。心身の健康の維持と、パートナーの時間捻出のため、お金で解決できるものは全部お金で解決した、と話してくれました。

「とはいえ、優先順位を握っていても、子育てに関して意見が食い違うこともあります」とみずほさん。意見が食い違っても、子育ての方法論を押し付けないことが大切だとのこと。

「意見が食い違ったときも、感情的にならずに「なんでそう思うの?」って相手の考えの背景を聞いてみるんです。子育てには答えがないから、自分の考えを押し付けない。背景を知ることで、相手の行動を理解できることもあります」(みずほさん)

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相手の考えに思いを馳せる。答えがない子育てにおいて、大切なスタンスなように感じます。

けれど、それは気持ちに余裕があるときにしかできない、ともみずほさんは語ってくれました。余裕がないときは、一人がカフェに行くなど、物理的に距離を置くことも大事だと語ってくれました。

妻が産後うつに。親であることから離れる時間も大事

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みずほさんとは違った観点でのお話をお伺いできたのは、二児の父であるそのべさん。

そのべさんは、一人目のお子さんを育てるときに、パートナーの方が産後うつになり、心身ともに体調を崩してしまったことを語ってくれました。

「生活において、もっと言うと人生で何を大切にするか、について、妻とすり合わせできていなかったのが大きな要因だったと思います。僕は仕事を優先していたけど、妻はそう思っていなくて、すれ違ってしまったんです」(そのべさん)

そのべさんはパートナーの体調不良を受け、「失ったら立ち直れないものは家族だ」と家族優先の働き方に変更したそう。

自分は何を大事にしたいのか、そして、大切な人が何を求めているのか。そこを話し合わないままだと、小さなズレが大きな歪みになってしまうのかも、と感じます。

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さらに語ってくれたのは、ご両親やご近所さん、保育士さんなど子育てにおいて外部に頼る重要性でした。

「一人目のときは、自分たちだけで全部をやろうとして疲れ切ってしまったんですよね。ふたりとも余裕がなかったんです。いま二人目を育てているんですけど、一人目のときの反省もあって、いろんな人の手を借りるようにしています」(そのべさん)

「ご近所付き合いがない人でも、各自治体がファミリーサポート事業をやっていますよ!」と心強い情報もくれたそのべさん。

「ふたりだけで子育てをしていたら、なにもしない時間がなくなってしまいますから。外部に頼って、ママ・パパであることから離れる時間が大切なんだと思います。少し離れることで頭も切り替わるし、子供への愛情も持続すると感じていますね」(そのべさん)

夫婦で毎週定例をいれて、KPTで振り返りのサイクルを回す

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一児の母であるはせおやさいさんは、ふたりの時間にフォーカスした話をしてくれました。

母親である自身の体調維持を最優先にしていたはせさん。どうしても足りなくなる睡眠時間を、いかに確保するかが大事だとのこと。

はせさんのパートナーの方はフリーランス。時間に融通が利くということもあり、夜の授乳はパートナーの方に任せていたそう。

「細切れにある授乳をシフト制での参加にしたんです。夜間は夫に任せて、昼間は私がやるという形にしていました。ミルクがOKだったら、母親にしかできないことってほとんどないんですよ。いかに“ふたり体制”を作るかが大事だと思います」(はせさん)

どちらか片方に寄るのではなく、ふたりで子育てに臨む。そんなふたり体制を築くために必要なのが、お互いに機嫌よく過ごすための工夫だと、haseさんは話します。

おふたりが工夫として取り入れたのは、ふたりで行うKPT。KPTとは、Keep・Problem・Tryの略で、良かったことや問題点、今後の解決策を振り返る会のことです。おふたりは、このKPTを週次で行っていたとのこと。

「毎週金曜日にふたりでご飯を食べに行って、そこで向かい合って話すようにしていました。今週良かったことや、問題点を共有したり、これからの解決策を話し合ったりとか。会社のミーティングみたいに、週次で固定したのが良かったのかな、と思いますね」(はせさん)

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振り返りの内容を決めて、週次で話し合いの場を設けるなど、しっかりと内容や時間を決めるからこそ、意味のある話し合いになるんだそう。

たしかに、話し合いの軸を決めていないと、愚痴の共有だけで終わってしまうし、時間を決めていないと、話し合いそのものが流れてしまいがち。

haseさんはKPTの有用性を語ってくれたあと、ふたりで話し合うことの大切さを話してくれました。

「妊娠や出産って、いろんな発見があるんですよ。それは女性にとってもそうだし、男性にとってもそう。せっかくの発見なら、それを共有しないのはもったいない。そのときしかない経験を楽しむためにも、ふたりでいろんな発見を共有するのはオススメします」(はせさん)

妊娠や出産は、いましかできない体験。ふたりにとっての大きな、そして大切な出来事だからこそ、ふたりで楽しむスタンスが大切になるのだと感じました。

イベントの終盤、参加メンバーからはこんな声が。


子育てを“チームで行うプロジェクト”として捉えると、チームメイト同士で手を取り合う必要性や、外部の力を借りる重要性がわかる気がします。

先輩方のお話を聞いても、お互いを尊重した上で一緒に歩んでいる印象がある。子育てはどちらかひとりではなく、ふたりで取り組むものなんだ、と改めて感じることができました。

このレポートで、みなさんの不安が少しでも小さくなればと、そう思います。

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執筆:安久都 智史(@as_milanista

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