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直近転職する予定はないが「転職の思考法」を読んでみての整理

直近で「転職しよう」とか「転職したいな」とかは思っていないけど、社会人も3年目が終わるくらいになり、会社や大学の同期も転職をした者や、これから転職を考えている人も周りに増えてきた。という訳で私も転職自体は常にキャリアオプションの一つとして持っているので、そのオプションの中身をより明確なものにしたいな、ということで本著を手にとってみた。

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本著の冒頭にあるが、転職を考える際に必要なのは、ちまたに溢れている情報ではなく「思考の軸」であるらしい。ふむふむ、どういうことか読み進めていきたい。

必要なのは単なるうわべの「転職情報」ではなく、情報を見極める「思考の軸」です。

思考法の前に「マーケットバリュー」を理解する

黒岩さん(本著で出てくるコンサル的な人)曰く、マーケットバリューは次の3つの要素で決まる。


①技術資産
②人的資産
③業界の生産性


それぞれの要素が具体的にどういったものか、というのは是非著書を読んでみて欲しいのだが、マーケットバリューの3つの要素のうちどれを伸ばすか、ということについて、「20代は専門性、30代は経験」と結論づけられている。
その理由の一つとして下記の内容は腑に落ちた。

専門性のある人間にこそ、『貴重な経験』が回ってくる、こういう構造なんだ。そもそも、『貴重な経験』は簡単に得られるわけではない。会社の重要なプロジェクトはいつも専門性の高いエース社員が任されるだろ?当たり前だ。言い換えれば、専門性のないやつに打席は回ってこない。だから、20代は専門性を身につけて、それを生かして30代は経験をとりにいくのがベストだ

まずある程度の知識・専門性がないと良い経験を積めるプロジェクトなんて回ってこないよね、という話。

が、その上で「専門性」っちゅうのはその分野に対するセンスや環境に依存することでもあるので、「専門性」で勝負できない人は「経験」で勝負すべきとも記されている。
その理由として、「経験」はどこを選ぶかというポジショニングの問題であり、ポジショニングは思考法で解決できるからだと続けられている。

そのポジショニングの見つけ方や、発見ロジックなどは本により詳しく書かれているので、気になったら著書をチェック。私がこんなとこでまとめるとこじんまりとしたものになってしまうので。

「好きなことを仕事にする」という尽きないテーマ

今すぐ転職を考えていない私にとっては、このあたりの章からの内容の方が魅力的だったので、いきなりジャンプして整理していく。

まずはこんな書き出しから始まる。

好きなことを仕事にするのは、これからの時代、生存確率を高めるために必要なことなんだ。好きなことをやっていない人間から先に消えていく可能性すらある

おぃおぃ、、、いきなり極端にきたな、、と思いつつも自分の現業務をどう思っているかを整理した。


・めっちゃ好きではないが、嫌いではない。
・面白いと思う瞬間も割とある。
・給料が半分になっても続けるほどではない、だったら転職する。
・ベーシックインカムとかが実現しても、割と面白いし給与もらえるなら続けていたい。


くらいの感じ。
さらに自分の好きなことについて、仕事にしてまで心から楽しめることなんてあるのかを考えた。


・キャンプ⇨好きでよく行くが、仕事ではない。
・登山⇨これも同様で、仕事してまでって感じじゃない。
・音楽⇨レコードなんかも購入してよく聞くが、違うなぁ。
・お酒と団欒⇨仕事にしたらむしろ辛い。


ってな感じで、そもそも心から楽しめる好きな仕事なんて思い浮かばん、、、という感じであった。
と、そんな私に救いの言葉が黒岩さんから。

そして君のような人間には、心から楽しめることなんて必要ないと言っているんだ。むしろ必要なのは、心から楽しめる『状態』なんだ

さらに、仕事を楽しむ人が使うことばとして二種類にわけて

todo(コト)に重きをおく人間……何をするのか、で物事を考える。明確な夢や目標を持っている
・being(状態)に重きをおく人間……どんな人でありたいか、どんな状態でありたいかを重視する

と分類していた。ありがとう黒岩さん。その通り、私は「この技術をなんとしても極めたい!!!」とか「この商品を生み出したい!!」とかという情熱はあまりなく、むしろ
「常に自分が成長している環境で業務していたい」とか「新しい技術に触れていたい」とか「メンバーと信頼関係を築けるマネージャーでありたい」とかの「状態」を望んている人間なんです。

そして黒岩さんも述べているように、「ある程度のやりたいこと」なら薄々見つけられている感覚もあるんです。それでOKと断言されていて、まぁそうだよね!と納得した。

そんな私には以下のような要素が必要であると述べられており、その内容についても腹落ちした。

1.自分の状態:主人公は適切な強さか。主人公は信頼できるか
2.環境の状態:緊張と緩和のバランスは心地よい状態か

この二つの要素についての解説は是非著書を読んでみて。

beingな私が仕事をより楽しむために

これまでに記したように、私はbeingに重きをおくタイプ。そんなタイプは仕事している人の99%だと書かれていた。ではbeingタイプは仕事を楽しむためにどんなことを意識する必要があるか、著書にはこう書かれている。
まずは『マーケットバリュー』。

仕事を楽しむためには『マーケットバリューがある程度あること』『求められるパフォーマンスとマーケットバリューがある程度釣り合っていること』は必要条件

ここできました『マーケットバリュー』。やはりこの条件は外せない。
そしてもう一つ、

それが『自分への信頼』。つまり『自分に嘘をつかないこと』。自分に嘘をついている限り自分を好きになれない。自分を好きになれない状態で仕事が好きな状態は作り出せない。その通りすぎる。
そして以下のようにまとめられている。

being型の人間にとって重要なことは、マーケットバリューを高めること。そのうえで『迷ったときに、自分を嫌いにならない選択肢を選ぶこと』

自分を嫌いにならない選択肢、か。日々の選択(とくに仕事に関して)をする際に意識的にはフィルターがけしていなかったかもしれない。

being型の私がコモディティ化から脱するために

上述したがbeing型の人って99%なんですよね、、、だったら尚更コモディティ化して代替可能になっちゃうんじゃないの。コモディティ化しちゃったらせっかく見つけたある程度好きな仕事も、いくらでも替わりがいるからってんで、「好き」を「仕事」として成り立たせていくのは難しいんじゃないの、って思いました。

とそんな疑問にも以下のようなアドバイスが著書では与えられている。

大事なのは、仮でもいいからそのラベルを自分でつけること。そうすれば、やるべきこと、仕事を選ぶ基準が見えてくる。

要は、自分が好きかもな、得意かもなと思った仕事や業務に関して、それらを自分のキャッチコピーとしてしてしまえ、ということ。それが『ラベルづけ』ということで、この『ラベル』がより明確に、強固なものになるように仕事を選んでいけ、ということだ。
このアドバイスもすごく明確でわかりやすい。私の場合は以下のようなことだろうか。(最初は嘘でもなんでもよい、ということなので。)

・サーバーレスWEBアプリケーションの最強アーキテクト
・Hybridプロジェクトにおけるマネジメント職人
・Agile型開発の雄

これらの『ラベル』をより強固なものにして、コモディティ存在から脱することが大事!これは今日からでも有用な仕事を選択する際の軸になりそう。

まとめ

今の仕事・職場にはある程度充実感を抱いており、直近は転職しないだろうなと思いつつも、やはり同じ会社にずっといるのはどこか物足りないなと思っているので手にとって読んでみた一冊。

もちろん『転職の思考法』は記されているが、そのほかにも『マーケットバリュー』の考え方や、自分は『好きなことを仕事にできるのか』といった尽きないテーマに関しても(少なくとも私には)これまで無かった切り口でアドバイスが紹介されている一冊であった。

本記事では具体的な説明や、実際の転職時の面接官への逆質問の内容などは割愛しているので、本格的に転職をスタートする・している人は是非著書を読んでみるとよいかと思う。

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