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自分のプロジェクトチームに『心理的安全性』はあるのか、ないのであればどうすれば『心理的安全性』をつくれるか。

昨年の3月以降、新型コロナウイルスの蔓延により原則リモートワークとなった。そのような環境下で、仕事上の支障は特に感じていないが、チームメンバーとのコミュニケーションの機会やそのスムーズさは、やっぱりオフィス勤務の時よりも減っていると実感する。そんな中でいかにチーム内コミュニケーションをより健全なものとし、チームとしてさらによい成果が出せるのか、『心理的安全性のつくりかた』を読んで、その内容と今後の活動へのアウトプットを記しておきたい。

心理的安全性

『心理的安全性』のあるチームとは

当著のあらゆる議論のベースとなる『心理的安全性』または『心理的安全性があるチーム』とは一言で表すと「メンバー同士が健全に意見を戦わせ、生産的でよい仕事をすることに力を注げるチーム・職場のこと」であることを前提に内容を整理していく。

心理的安全なチームとは、一言でいうと「メンバー同士が健全に意見を戦わせ、生産的でよい仕事をすることに力を注げるチーム・職場のこと」

また、逆に心理的「非」安全なチームとは、上記の「健全に意見を戦わせ、生産的でよい仕事をする」ことを阻害してしまう「対人関係のリスク」が高いチームであることも押さえておきたい。

そして当著で紹介されている研究によると日本の組織では以下の4つの因子がある時に心理的安全性が感じられるという。まずここまでは押さえておきたい。

①話しやすさ
②助け合い
③挑戦
④新奇歓迎

「日本の組織では、①話しやすさ、②助け合い、③挑戦、④新奇歓迎の4つの因子があるとき、心理的安全性が感じられる」ということ

心理的安全性をつくる4つの因子

上記の4つの因子は日々の行動の集積であり、それらがどのような行動であるかについての説明を備忘録として本記事に記しておく。

①話しやすさ

「話す、聞く、相槌を打つ、報告する、目を見て報告を聞く、雑談する報告という行動自体を(内容とは切り分けて)ほめる」などの行動がチームの中で多く起きているとき、①話しやすさ因子が満たされていると考えます。

②助け合い

「相談する、相談に乗る、問題を見つける、自分一人では対応できないことを認める、トラブルを楽しむ、ピンチをチャンスへ変えるアイデアを出し合う、解決のためのアイデアを広く募る、個人ではなくチームの成果を考える」

③挑戦

「挑戦する、機会を掴む、機会をつくる・与える、試す、実験する、模索する、仮説検証、改善する、工夫する、新しいことをする、変化を歓迎する、世の中・顧客の変化に直面する、挑戦自体を褒め歓迎する、失敗を歓迎する、現実のフィードバックを受け入れる、常識を疑う」

④新奇歓迎

「個性を発揮する、個性を歓迎する、強みに応じて役割を与える、常識に固執しない、ステレオタイプを避け本人の行動を見る、月並みを拒否する、批判を一時脇に置く、自分自身のものの観方をフラットに共有する・される、違いを良い悪いではなくただ違いとして認める」

上記4つの因子の行動を増やし、逆に望ましくない行動を減らすことがチームの心理的安全性の構築に大きく影響する。

自分のチームについて考えてみる

上記の4つの因子について、現在の職場のプロジェクトチーム・またはその周囲のステークホルダーとはどうなっているかを少し考えてみた。

まずは「話しやすさ」について。

基本的なチーム会議はTeamsで行なっているが、参加者は発言者以外はミュートにしており、かつビデオもOFF(相手の目は見えていない)になっている。そのため相槌なんかも生まれない。また、基本的には何か議題があっての会議であるため、雑談が起こることも稀である。そう考えるとこの「話しやすさ」因子は高くないな。。。

次に「助け合い」について。

何かプロジェクト内外でトラブルや進捗に対する障害が発生した時は、基本的にチームのDaily Scrum(朝会)で情報を共有し、必要ならヘルプを出せている。その際に知識・経験が豊富な先輩方はアドバイスやヘルプを出してくれるし、分からなければ基本的に聞いてOKな雰囲気はある。と考えるとこの因子はまぁまぁあるかな。

3つめの「挑戦」について。

う〜ん。。。今は開発をAgileで進めていて、毎回のスプリントがけっこうパツパツである、、というのは言い訳かもしれないが、中々新しい施策に挑戦したり、その機会をチームでつくったり、という取り組みは少ないかもしれない。この因子はあんまり高くない。

最後に「新奇歓迎」について。

今のプロジェクトは納品完成物に対する進捗もよく、品質も高いと感じている。それはプロジェクトとして各ワークの手順やチェックポイントがしっかり確立されているからである。それ自体はとても良いことで、業務やプロダクトがすごく安定している。その反面、「個性の発揮」であったり「常識に固執しない」という点はほとんど感じない。チームに居辛さなどは感じないが、「心理的に安全性が高い」とは言えないのかもしれない。難しいなぁ。

チームの心理的安全性の構築のために

日々どんなことを意識して行動できるだろうか。当著ではヒントやケーススタディが紹介されていたが、その中でも今日から私が取り組めそうな行動をピックアップして書き記しておきたい。

①「話しやすさ」への取り組み

「具体化した投げかけ(問いかけ)」を行うこと。「なんでも言ってね」と放置するのではなく、文脈に応じてより具体化した投げかけを行うことが大事。
例:

例えば新しいプロジェクト・企画を進めようという時は、「よりよい企画にする上で、もっとこうした方がいいという改善点や、何か懸念点やリスクを思いつく人はいますか?」

②「助け合い」への取り組み

「なぜ」「どうして」の代わりに「なに」「どこ」を使う。メンバーを助けるために、情報を入手したい場合も聞き方一つで、メンバーは自分が罰せられている、責められているような感覚を容易に持つ。そうした感覚を生まないためのオープンな聞き方の工夫が重要。

例:

「なぜ、そうしたの?」と聞く代わりに、「どこでなにがおきたのか説明できますか?」「なぜ、この優先順位なんだ」と聞く代わりに、「なにが大切だと思って、これを最初に実行したんですか?」「なぜ失注したんだろう」と聞く代わりに、「営業プロセスのどこを改善すると、打率が上がりそうですかね?」

③「挑戦」への取り組み

挑戦を促進する好子として働く「みかえり」を作り出す・与える。「みかえり」の効果は当著でより詳しく説明されているが、具体的な行動例として以下のようなことに取り組める。

・チャレンジ自体を称える(例:ファーストペンギン賞)
・経過・プロセスを見守る
・結果をともに振り返り、ともに学ぶ姿勢を持つ
・一連の挑戦を事例として、組織内に周知する

④「新奇歓迎」への取り組み

個人のアイデンティティを重視するような研修やワークショップを開催する。ワークショップでは以下のようなことを行う。

1)当社で働くことが、自己を表現し個人にとってのチャンスを生み出す絶好の機会になる、というシニアリーダーのプレゼンテーション
2)新入社員は、個々人で問題解決のエクササイズに取り組む
3)エクササイズを振り返り、自分の強みを仕事にどう活かせるかを考える
4)グループで自己紹介し、エクササイズでの決定についてシェアする
5)自分の名前がプリントされたバッジとシャツがプレゼントされる。

また、上記に加えて当著で紹介されているカルビーの武田雅子さんの取り組み事例もとても有効に作用しそうなので、今後取り組めそうな例として記しておく。

カルビーの武田雅子さんの事例では「この場所は、安全な場所です。どんな意見やアイデアを言ってもいい場です。失敗やトラブルの報告があれば、それを叱る場ではなく、どうするか前向きな検討をする場です。この場の安全性は、私が担保します。」のように、会議の冒頭で毎回宣言した

まとめ

・心理的安全なチームとは、一言でいうと「メンバー同士が健全に意見を戦わせ、生産的でよい仕事をすることに力を注げるチーム・職場のこと」である。
・その心理的安全性はその因子である「話しやすさ」「助け合い」「挑戦」「新奇歓迎」に対する日々の行動の集積である。
・私のチームでは上記4つに対してまだまだ取り組めるような行動が多くありそう。
・当著で紹介されているような具体例を参考にしながら、日々行動を集積していき、チームの心理的安全性を一層高めていきたい!

心理的安全性


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